前回に続き、PA-300を末永く使っていただけるよう、メンテナンスしてみました。
メンテナンスは、単純に電解コンデンサを交換して、どの程度の効果があるか確認します。あまり極端な、カスタマイズは、避け、オリジナルを好まれる方でも楽しんでいただけるようにしてみます。
変更概要
今回の変更は、まず電源基板の、電解コンデンサの交換を行いました。
相変わらず地味なカスタム、メンテナンスになりますが、見た目ではなく計測結果でみていただきたいと思います。
一次側のコンデンサ容量は、約7倍、でも大きさは、小さくなっています。
20年の素材の進歩は、著しいです。
一次メンテナンス結果
さぞ、大きな変化があるかと期待して、測定してみると。
なんか、様子がおかしいです。
確かに、電圧のレベルの落ち込みは、半分程度に減ったのですが、ハンチングが少しあり、P-Pでは、逆に悪化してしまっています。
でもFFTでは、若干効果がありました。これは、かなり珍しい結果です。
二次側(電力) メンテナンス結果
気を取り直して、二次側の測定をしてみました。
かなり良くなっています。でも3割り程度の改善でしょうか。
手強いです。FFTは、低帯域は、20dB以上良くなっています。
同じように負極側も。
同等の結果です。
二次側 (電圧) メンテナンス 結果
電圧用も同じように測定してみます。
FFTは、かなり改善が確認できます。
まとめ
単純にこれまで最強と考えていた電解コンデンサだけで、かなりの改善が期待できるかと思っていたのですが、P-Pでは、跳ね返りの為、大きくなってしまいました。
電源回路の電解コンデンサを交換する際には、必ず、波形で確認する必要があります。
全く同じコンデンサは、現状手に入りませんので、同等品であっても、実際の波形では、改悪することがあることが分かりました。
また、一般でパスコンと呼ばれる、0.1uFを装着するのも、測定を行って、逆効果、共振がないことを確認する必要があります。
今回、一次側は、立ち下がり、立ち上がりのスピードが早く、電解コンデンサの不得意な部分で、さすがの超低ESRの電解コンデンサでも対応範囲外でした。最小限、セラミックは、入れる必要があると思います。
次回、セラミックでの高調波対策を行ってみますので、どうぞまた、ppAudioまで、お寄りください。お待ちしています。