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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

幻のナカミチ 100PA カスタム(総集編)

100PAのカスタムも大詰めを迎えましたが、前回、左右の超高域の音の差が1dB程度あることがわかりました。さて、その誤差をうまく解消することはできるでしょうか。

また、100PAの音の良さの要因であるフレームも少し紹介してみました。

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 前回の宿題

左右の音の差

前回、可聴範囲外の高域で、わずかにゲインに差があることがわかりました。

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右側のほうが、100kHzで、わずかに1dB弱落ちています。

素子の誤差?

 わずかなさなので、素子の誤差、特にコンデンサの差を疑っています。

 

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コンデンサを左右を交換して、変化を確認する単純作業を行いましたが。

 

  1. カップリング用
     高分子に交換したが、左右の差としては、変化は見られない。
  2. ボリューム高域補正交換
     影響観測できず。
  3. 高域補正用
     僅かに変化だが、実測容量差との相関がほとんどない。
  4. イカットフィルタ
     影響が大きいのだが、コンデンサを逆にすると、左右の差が開いてしまう。

結局ハイカットフィルタのコンデンサの容量を変化させると補正ができそうなところまで見えてきました。

カスタマイズまとめ

高域補正を行いつつ左右のバランス等を施せば、あとは、数アイティムのカスタムで完成が見えてきます。

高域改善

いつものように、少しだけ高域の特性を改善させるので、左右の誤差を含めて、調整して見ました。

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100kHzで4dBを切る様に、僅かですが改善させ、左右の差もこのコンデンサの容量を選別して、調整してみました。

コンデンサを2つ並列にし、合成容量を少しだけ、小さくして、組み合わせで補正してみました。

周波数特性(x4ch)

少し苦労しましたが、下記のようにまとまりました。

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誤差は、100kHzでも+/-0.1dB以下に抑えることができました。

ディスクリートは、やはりいろいろな素子の違いが、がどうしても、特性に微妙に差が生じてくるのを、痛感しました。

 他のカスタム
  • ゲインボリュームの大型化
     シールドタイプの大型のものに交換
  • ゲイン調整
     負帰還の抵抗の定数を変更し、-6dB程度、下げています。
     そのため、トータルゲインを25dBにした際、もともとは、ボリュームがほぼ最小位置であったのが、40%程になり、ボリュームを絞ったときの音の痩せてしまうのを低減。

  • 出力フィルタ
     出力のフィルタをフィルムタイプに変更。

いつものこれまでの経験を盛り込んでいます。

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100PAの音へのこだわり

分解、メンテナンスをした際に、PA-304との物理的な差に驚きました。

ヒートシンクの厚さの違い

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トランジスタの熱が伝わるところが熱くなっていることがわかります。アンプの重量の差は、じつはヒートシンクの厚みと長さ。

 

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トランスとチョークコイルを逃げるため、切削加工を施しています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。現在エージングを始めていますが、ゆったりとした音を奏でています。

もともと素晴らしい素性の100PAですが、これまでのカスタマイズを応用することで、素晴らしい特性に仕上がったと思います。

今回も、ナカミチの魂を大事にした、カスタマイズを目指しましたが、いかがでしたでしょうか。

もし、ナカミチのアンプをお持ちの方は、ぜひ、コンデンサは、やはり早めに交換して、液漏れを回避して、末永く使って頂けますように。

 

外観も少し整え、端子ネジも新品のクローム製に。

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音には、まったく歪っぽさがなく、どこか優雅さが漂います。

同じソースでも、新しい音が聞こえてくることがあります。

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 この100PAは、カーオーディオファンならば、一台一度は使ってみていただきたいアンプだと思います。

100PAにまた、巡り会えるチャンスがありますように。

 

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搭載車両ご紹介

100paのオーナー様に、実際のご様子を照会していただきました。

ぜひ、御覧ください。

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