SoundStreamのリファレンス300が流れ着きました。片チャンネルから音がでない状態です。メインのアンプに損傷がないとよいのですが。
早速メンテナンスしてみたいと思います。
はじめに
小型ですが75Wx2chの高出力。また2Ωドライブ対応のこだわりの作りです。
スペックは、控えめですが、SN比100dBは設計のこだわりが感じられます。
外観
ヒートシンクにひっそりと端子が覗く、シンプルな上品な作りです。
とても上品なアンプですね。
内部構造
内部構造は、シンプルです。
基板の半分が電源回路に割り当てられています。
メンテナンス
はじめに、片側音がでない原因を調査してみます。ブリッジの切り替えスイッチを操作すると、少し音が出るようになりました。
おそらくスイッチの接触不良と思われます。
早速分解洗浄してみます。
接点が銀メッキで腐食が見られます。
接点を、専用のクロスで磨きます。
接触子の方も、同様に磨いて
これで、きちんと音が出るようになりました。
抵抗の異常加熱
基板上の抵抗が焼けてしまっているところがあります。
調べてみると、OpAmpの供給電源回路で、どうやらツェナーダイオードがこわれてしまって、過電流が流れていたようです。
ツェナーダイオードがショートして、電圧降下用抵抗に過電圧がかかり4Wもの電力がかかってしまって、焼損してしまった様です。ツェナーダイオードと抵抗一式、交換して、修理完了です。
(温度が高くなっていたため、基板の銅箔にダメージがあり、ハトメ等で修繕も行いました。)
出力状態
修理が終わり、さっそく状態確認してみます。
はじめに出力を確認してみました。
(-60dB 1kHz)
少しスパイクノイズが見えますがとても優秀な特性です。
電源状態
アンプが正しく動作しているか、電源の状態を確認します。
このアンプの電源は、一般的な、プッシュプルの電源になっています。
入力には1000uFを12個も装備されています。
入力ノイズ
入力と一次側を確認してみました。
フィルタが入っていませんので、入力と一次側はつながっていますが、配線で、ここまで違います。
一次側の直下で100mV以下、入力端子で20mV以下と、とても優秀な状態です。
二次側(電力用)
二次側の電源電圧は、37Vとこのサイズとしては高めです。
20mV以下ですので、とても良好です。
二次側(電圧用)
電圧用は、トランスの二次出力を別に整流して、生成しています。
工夫された回路です。
それでもとても小さなリップルで、優秀です。
つづく
方チャンネル音がでない問題は、ブリッジ切り替えスイッチの接触不良でしたが、OpAmp用(電圧増幅回路用)の電源も壊れており、すぐに原因がわかったため修理は手早く行うことができました。
次回は、末永く使えるように最新の素子を用いてカスタマイズしてみたいと思います。
さて、どんな結果でどんな音を奏でてくれるでしょうか。
SoundStream Reference300 カスタム・メンテナンス ② - pp audio blog
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カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。