片チャンネル音が出なかった問題も修繕し、いつもの高調波カスタマイズを行ってみたいと思います。
おさらい
前回修繕した片チャネル音がでない問題は、ブリッジ切り替えスイッチの接触不良でした。
交換部品の入手が難しいので、金属を磨くクロスで磨いて対応。
カスタマイズ
カスタマイズは、電源のメンテナンスを中心に、OpAmpは、低歪のものにしました。
改善効果確認
一次側
とても状態は良かった一次側は
高さ制限があり、部品選定は、苦労しましたが、無理なくさらに良好になりました。
二次側
二次側の電解コンデンサは、背の低い特殊なコンデンサが用いられています。
さらにESRが低いものが入手、高さの関係で、実装を工夫対応しました。
チップセラコン等で高調波も抑制しています。
二次側(電圧)
OpAmp等の電源用もいつもの展開で対応しています。
出力確認
このあと、カップリングを交換等、音声回路のカスタマイズを行うのですが、事前に状態を確認したいと思います。
周波数特性
周波数特性を確認してみると
低域に特徴があります。DCカップリングを補正するため、少し低域を持ち上げている設計になっていることが見受けられます。
カスタムする上で、回路を把握しておく必要があります。
ゲインボリュームがOpAmpのゲインも可変するようになっています。
OpAmpのマイナス入力側のコンデンサも、DCカップリングになっていそうです。
低域の1dB程度の上昇機能は、初段のOpAmpには装備されてなさそうです。
発振防止コンデンサ
高域の特性に少し左右で差があるので、発振防止に小さなセラコン330pを確認してみると360pFと331pFと1割り程度違いがありました。
スチロールコンデンサを実測330pFで揃えて装着して揃えると
左右のズレがほぼなくすことができました。これでスッキリです。
微小信号
最後に微小信号を確認します。
もともと電源が低ノイズでしたが、確かに改善しているのがわかります。
この微妙な違いが音の違いに現れてくるのではないでしょうか。
まとめ
今回はSoundStreamのReferece300をメンテナンスしてみました。その電源の作りは驚くほど良好で設計者の意気込みが感じられるアンプでした。
また、入力段も工夫がされており、ゲインを絞った時に痩せを回避するためでしょうか、OpAmpのゲインも調整する工夫がされておりました。
とても、大事にされていたアンプですので、オリジナリティを大事に仕上げてみましたが、さてその奏でる音の違いはどの様に感じられるでしょうか。
Reference300の修繕の内容は、下記よりご覧いただけます。
SoundStream Reference300 カスタム・メンテナンス ① - pp audio blog
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。