近年、純正のカーオーディオ、ナビゲーションシステムを取り外すのが難しくなってきました。
純正ナビゲーションシステムは、カーナビの他、車の状態のモニタや、緊急通話等の機能が付加されているのが主な理由です。
どうしてもサウンドに関しては、物足りないカーオーディオマニアもたくさんいらっしゃるのではと思います。
純正のオーディオのアップグレード方法について、いくつかご紹介してみたいと思います。
はじめに
純正カーオーディオの音質は、どうしてもコストの兼ね合いで、もう少し...
大きな理由は
- スピーカ
ドアマウントや、ダッシュボードに内蔵されているのはコーン型の簡易的な
スピーカが多く、低域や高域がどうしても犠牲になっています。 - アンプ
アンプは、ICタイプのコストを抑えたものが多く、またクラスDで効率を重視。
そのためとうしても歪み率やSN比が見劣りします。 - DSP機能
カーオーディオには、空間が狭いため、特定周波数にディップやピークが生じやすい。イコライザ機能により改善させることができますが、純正は、調整ポイントが少ないパラメトリックが採用され、調整しにくいことがあります。
どうしてもコストによるしわ寄せで、気になるところがあります。
そんな純正カーオーディオに、まずはアンプを追加して、サウンドアップを行う方法があります。
アンプ追加によるメリット
純正からアンプを追加したメリットは
- 出力アップ
大きなアンプを搭載することで出力アップが可能。 - 低歪化
純正のアンプのスピーカ出力をハイローコンバータ等の比較的高い負荷をつなぐことで、歪を低減することができます。
それにより、サウンドの低歪化が可能になります。 - サブウーファー追加可能
どうしても純正カーオーディオでは低域が不足しがちです。
また、車は低域の雑音(ロードノイズ)が大きいので、低域をブーストしてあげると聞きやすい音になります。
純正カーオーディオサウンドアップ方法
アンプ追加によるサウンドアップ
セパレート型のパワーアンプを追加するとサウンドアップが可能ですが、純正カーオーーディオには、ライン出力が無いことが多く、スピーカー出力を使わざるをえなくなります。
純正カーオーディオのスピーカ出力の注意点
スピーカ出力は、BTL方式が多く、GNDがありません。
単純スピーカのマイナスをラインのGNDに接続するとショートしてしまい、純正オーディオを壊してしまします。
ハイレベル入力が備わっているアンプを選ぶか、ハイローコンバータという機器を追加して変換します。
ハイローコンバータ
代表的な方式的には、トランス方式と、オペアンプ方式があります
- トランス方式(AT-HLC130)
シンプルな2chの変換器です。4chの場合は2つ必要です。
- トランス方式(AT-HLC230)
同じですがゲイン付きモデルもありました。
- トランス方式(TL-46)
4ch入力でサブウーファ用の出力もついています。
ゲインコントロールがついていますので、大きなアンプにも対応できます。
- OpAmp方式
モデルは少ないですが、FX-AUDIOのものがあります。
オーディオメーカで設計にこだわりが伺えます。
それぞれ特徴がありますが、トランス方式の方がノイズは受けにくい一方、周波数特性特がOpAmp方式に比べ狭い傾向があります。
アンプ追加によるアップグレード
カーアンプには4chのスピーカ出力に対応する場合、4chアンプを用います。
単純にこれだけでも、音が改善することがわかります。
もしノイズが気になる場合は、ヘッドユニットとハイローコンバータのGND接続をシャシー殻ではなく、上図の様にヘッドユニットと接続すると改善することがあります。
2Way化
純正のスピーカは高域が物足りない場合があり、チューンナップツイータを追加されている方も多いです。ですが少しむずかしい点があり、ツイータと純正スピーカのバランス、クロスオーバポイント、位置が違うことでの定位のズレ、時間のズレ等があり、きちんとまとめるにはそれなりの技術と時間が必要になります。
比較的カンタンでまとめやすいのは、小型フルレンジ、MID・Highをダッシュボードに追加するという方法です。
純正のスピーカは、ウーファ(MidBass)として使い、追加のフルレンジで低域以外の帯域をサポートさせます。
フルレンジの個性で音色は左右されますが、調整は比較的かんたんで、まとまった音へ調整しやすいです。
あまり使わないRearは、純正のスピーカ出力を接続し、後部座席に搭乗した場合のみ使うこともできます。
また、フルレンジで超高域が物足りない場合は、あとでツイータを追加することもできます。
3Way化
ウーファやツイータをもっと強化し、マルチアンプにする場合
アンプを一つ追加、パワードのサブウーファでもよいでしょうか。3Wayへ発展させることができます。
どうしても、純正の音で我慢できない...
しばらくは、音が良くなったのに満足しているのですが、ふと、家での音や、ヘッドフォンでの音との違いが気になってきます。
オーディオマニアの宿命
聞いているうち、純正の音では物足りなく、もっと良くしたいという気持ちが抑えられなくなる。というのが、オーディオマニアの宿命でしょうか。
追加の好きなヘッドユニットを追加したくなります。
そんな方への朗報
純正+追加ヘッドユニット
音楽だけを楽しむならば小さめのヘッドユニット、もしくは携帯直結できるシステム例になります。
追加のヘッドユニットを軸にシステムは構成し、フロントのライン入力に混合回路を追加し、純正の音(カーナビや、システムの警告音)を補助的に鳴らします。
EC-302をつかった例
少し電気的知識が必要になりますが、ライン信号に1k程度の抵抗を装着します。
ハイローコンバータは、高いインピーダンス(トランスの出力)の場合で、数kから数十kであれば、抵抗なしで接続できます。また同じ様に少し大きめの抵抗を純正の音声ラインに挿入することで、追加ヘッドユニットの音への影響を小さくすることができます。
Mid/Bassを使う場合
Mid/Bassのシステムで、純正ナビからの音は補助で良い場合、フルレンジラインに混合機をいれない方法があります。
クロスオーバのMid/Low出力と純正をミックスすることで、実現できます。
純正スピーカを使っている場合、純正ナビのおとが再生でき、追加のMid/Bassでも音声程度の帯域であれば問題なく聞こえます。
混合機(ミキサー)の抵抗値は、いくつか試してみると良いでしょう。
ハイ入力つきアンプ
ハイレベル入力対応のアンプの場合、ハイローコンバータも混合機も不要で実現できる場合があります。
ただ、アンプのハイレベル入力は、抵抗の分圧だけでレベルをあわせている場合があり、RCAのGNDに電流が流れてしまう危険性も考えられます。
仕様を十分に確認した上で接続する必要があります。
ミキシングのご注意点
ミキシングの注意点としては、追加ヘッドユニットのライン信号に抵抗の追加を忘れずに行うことです。もし忘れてしまうと大事なヘッドユニットを壊してしまうこともあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。これから、ますます車のオーディオがカスタマイズしにくくなってきます。そんな場合のアイディアとして良いのではないでしょうか。
これから色々なアンプやコンバータを使って、車で確認してみたいと思います。
またレポートしますので、お楽しみに。