KickerのパワーアンプCXA360.4の奮闘記二回目になります。
少し高調波が見られ、いろいろ測定していますが、なかな根源が見つかりませんでしたが、ようやく見つけることができました。
おさらい
前回までは、素性特性、いつもの電源カスタマイズを施し、出力状態を測定しましたが、明確な効果が確認ができるまでに至っていませんでした。
その後、アースの配線に伝搬しているノイズをみつけ、対策しましたが、それでも出力には、高調波が残っています。
その効果を確認しましたが
明確な効果を得ることができませんでした。
電源みなおし
高調波の抑え込みは、チップセラミックコンデンサ等で行いますが、ループにより電流ノイズが取り切れないこともあります。その様な場合は、どうしてもインダクタ等が必要になります。
二次側波形
二次側の整流後の波形は、リップル等は良好でした。
念の為、二次側の整流前の波形を確認してみます。
理想的な矩形波になっています。
二次側チョークコイル追加
二次側には、チョークコイルが装着されている場合が多いので、追加してみました。
ただし、本来は整流後に入れたいのですが、施工の関係上二次出力直後に装着してみました。
波形は、殆ど変わりませんでしてたが、
出力へのリップル伝搬が抑えられました。
高調波の電流が抑制されたことによる効果と考えられます。
カスタム確認
もう一度出力波形を確認してみることに。
微小信号
高調波が少し見られた出力ですが
ほとんど確認出来ないまでに改善することができました。
周波数特性
カスタムの副作用の有無として、確認します。
大きな特性の変化はなく、カスタムにより、アンプへの影響が無いことが確認できました。
この後、必要に応じて、カップリングの交換等が可能になります。
入力RCA GND
このアンプの入力のGNDは、完全差動入力として扱っています。ところが、GNDとのインピーダンスが高いため、ヘッドユニットとのGNDがつながっていない場合、発振してしまうことがわかりました。
今回、入力のRCA GNDを数百Ωの抵抗で内部GNDに接続する処置を施しています。
まとめ
今回は、高調波ノイズをこれまでのチップコンデンサ等で対応では、効果が小さく、二次側へチョークコイルを装着することで、対応することが出来ました。
スペースがあったおかげです。
あとは、OpAmpの交換や、カップリングの交換をすすめるか検討して見たいと思います。
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カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。