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パワーアンプ Kicker CXA360.4 カスタム奮闘記①

Kickerのパワーアンプのメンテナンスの機会に恵まれました。トータル最大180Wなのですが、とても小型なアンプで、ハイ/ローパスフィルタのプリアンプ機能も備わっています。とても使いやすそうです。

早速メンテナンスを行ってみましたが、少し奮闘することに。

今回は、奮闘記の一回目をお届けします。

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はじめに

最大出力180W、2Ωに至っては360Wを絞り出す小型のアンプです。

仕様

ナカミチと比較してみました。

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PA-304と同等の出力ですが、サイズは、1/3でしょうかとても小型です。

細かなスペックは、取説には記載されていませが、歪み率は最大時1%との記載がありました。

周波数特性も帯域のみにとどまっていますが、測定してみると、素晴らしい状態でした。(後の方に記載します。)

 

外観

とてもコンパクトで、ボディ自体が巨大なヒートシンクです。

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アンプ正面はプリ、背面は電源、スピーカ出力と別れています。

とても使いやすいレイアウトですね。

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プリアンプの機能は、とても豊富で、使いやすそうです。

基板状態

とてもシンプルな構成です。

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電源のスイッチング方式は、フルブリッジ方式様です。

入力フィルタも装着されています。

各チャネルに出力用FETがペアで装備されています。

状態確認

早速、簡単な特性を確認シてみたいと思います。

周波数特性

スペックには10Hz~20kHzと記載ありましたが、

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かまぼこタイプのきれいな特性です。

10Hz~20kHz ±1dB

と歌って良い素晴らしい特性です。

微小出力

海外のアンプでは高調波が多く見られる場合がありますが、

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多少見られますが、裸特性としては、良好です。

電源ノイズ

さて、今後のカスタムの方針を決める為、電源ノイズを確認してみました。

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電源回路は、スタンダードのプッシュプルタイプのスイッチング電源です。

二次側は、単出力で、電圧増幅用の電源と共通に使っているのがわかります。

一次側ノイズ

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入力は、フィルタが装着されているので、とても良好です。

一次側は、標準的なスパイクが見られます。さほど問題なく対応できそうです。

二次側

二次側も確認してみました。

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50mV以下はとても良好です。

それでも出力に高調波がすこし流れているのは、何か要因があるのでしょうか。

カスタマイズ

さて、いつものように、最初に、電源のスパイクノイズを抑制することから始めます。

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入力側、一次側ともに、低ESR電解コンデンサ及びとチップセラコン、により好著はを抑え込むことができました。

二次側

二次側も同様に

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抑制できました。

出力ノイズ効果確認

さて、電源ノイズ対策でどこまで、改善できたでしょうか。

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僅かですが改善ができましたが、まだ残っています。

どうやらプリアンプに乗っているようです。

プリアンプ状態確認

どうもノイズの原因を追いかけてゆくと、プリアンプへ、スイッチング電源の波形と思われる大きな波形が来ていました。

このアンプは、入力が2階建ての基板で行っています。

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信号は、Remoteの反転信号(おそらくFial信号)なのですが、スイッチングしているのは妙です。

GNDノイズ

メイン基板上のRemoteを追いかけてゆくと、同じ信号なのですが、大きくスパイクしている箇所がありました。

高周波は、同じ信号でも測定箇所によって大きく異なる場合がありますが、多くの場合何かしらの問題があります。

 

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途中でGNDへプルダウンと小さなコンデンサ10pでノイズを抑制シているのですが、そのGNDにノイズが...

GNDの配線を追いかけてみると

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なぜか、スイッチングのGNDの延長上にあります。

どうやら、スイッチング素子近傍のGNDレベル変動が伝搬しているようです。

 

このGNDの配線を別のところから

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接続してみました。

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思ったとおり、ノイズが小さくなりました。

 

プリアンプへの信号を確認すると

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かなり改善することができました。

プリアンプノイズ改善確認

さて、プリアンプのノイズ低減の効果はあったでしょうか。

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僅かですが、改善しています。

この僅かな一つずつが重要なので、コツコツと続けてみたいと思います。

つづく

出力波形を確認しましたが、

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あまり大きな効果は確認出来ていません。

どうも電源回路に音声信号が通過しているのが問題ではと疑っています。

電源の分離を試みたいと考えていますが、さて、うまく行くでしょうか。

 

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カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

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 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

 

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

 

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