メータのバックライトが時折一部消えてしまうのを、LEDに交換。電源の電解コンデンサも適正なサイズの低ESR品に交換し、いよいよ細かな補修を施し、仕上げたいと思います。
おさらい
大事に使われていたMC431Mの、寿命のある電球をLEDに交換、
電源もジャストサイズのコンデンサに交換
安定動作するようになりました。
いよいよ、仕上げを行いたいと思います。
カスタマイズ
カスタマイズは、McIntoshのオリジナリティを尊重し、電源の安定化を図り、安定性の高い素子への交換で、仕上げたいと思います。
- 高調波対策
電源にはいつもの、チップコンデンサを用いて高調波を抑制 - アンプ基板側電源
アンプ基板側の終端電解コンデンサを高分子へ
電源ノイズの反射を抑えるとともにリップルを極限まで抑えます。 - OpAmp電源
オペアンプの電源は、高分子コンデンサで安定化を図り
各OpAmpには、パスコンを装着。高調波の反射波も防止。 - OpAmp
サブウーファ以外の音声増幅にはmuses8820を装着
低歪化とともに音楽性を重視。 - カップリングコンデンサ
カップリングコンデンサには、バイポーラを採用、正負とも同等の特性に
低ESR品を採用することで、歪も改善 - シャシー連結ネジ
ヒートシンクをシャシーに連結させるネジを、真鍮製のネジに交換し、
10mmから12mmへと長くし、熱伝導と安定した固定を担保
電源改善(一次側)
100mV以下に。
電源(二次側)
フィルタが入っているため30mV程度でしたが
20mV以下にすることができました。
BIAS調整
このアンプはプッシュプルのアンプですので、ゼロクロスの歪を抑えるためにBIAS電流を流しています。
オリジナル状態では、一部のアンプが少し暑くなっていました。これは、バイアス電流が少し変わってしまったからと考えられます。
基板にはそれぞれのアンプに半固定ボリュームが装着されていますので、4チャンネルすべてきっちり同じ値に合わせました。
出力波形
オリジナルは、少し高調波が見られましたが
高調波対策後は
スッキリです。
周波数特性
基本的なメンテナンスを施した結果は、現れるでしょうか。
きれいなかまぼこ特性が表れました。
周波数特性としては、10Hz~50kHz(+0dB/-1dB)と言って良さそうです。
まとめ
今回の孤高のアンプMC431Mは、机上で確認するために、メータ基板との接続ケーブルを延長する必要がありました。
評価用治具
・電源 9Pin、2.5ピッチで作成
・音声ケーブル 14Pinのフラット
・14Pin/14Pin 基板 フラットケーブルの延長用
これらを用いて、机上で基板単体の波形測定が可能に。
細かなメンテナンス
長く使っていると、ゴムブッシュが傷んできます。
粘着剤が、劣化してネバネバ状態。専用のクリーナで除去。
ゴム系の接着剤で固定を4箇所あります。
FAN防振ゴム
FANには、防振の為、Oリングが装着されています。
潰れて、切れていたり、薄くなったりしています。
1mmのゴムシートを、4Φのポンチで開ければ、幅の広いダンパーになりました。
ヒヤリング
電源を入れてからすぐに、マッキントッシュの世界が広がります。
細かな音のニュアンスが伝わってきます。分解能もさすがです。ボーカルが特に美しく奏でます。
大きなホーンや、アルテックのスピーカを鳴らしたくなります。もちろん、比較的高用量のカースピーカもこの100Wで存分にドライブできます。
音量がさほど必要のない方は、FANの回転数を落としたり、FANを止めて使う方法もありそうです。
生涯に一度は、手にしたいアンプですね。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。