Cork

pp audio blog

オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

DAC M100(S.M.S.L.) 基本特性測定(f特 100kHz超、正弦波観測)

DACでもハイCPで有名なS.M.S.L社製のM100が入手できたので、基本特性を測定してみたいと思います。

(2019/12/04  出力インピーダンス測定追加)

f:id:MatsubaraHarry:20191126102331j:plain
この測定は、あくまでも個人による測定ですので、精度、再現性等限界がありますのであくまでも参考データとなります。また本測定により、いかなる損害が発生したとしても、当方は、その責任を負いかねますので、ご了承下さい。)

 

 

 基本測定

正弦波を基本に行います。それとともにFFTによる測定で、ノイズの傾向や、周波数特性もグラフ化してみます。

 

測定条件

測定は、RCAの出力に10kΩのダミー負荷を装着し、オシロスコープで観測します。

f:id:MatsubaraHarry:20191126102524j:plain

暗ノイズ

DACの電源を入れる前のノイズを観測しました。FFTの0レベルとして、参照ください。

f:id:MatsubaraHarry:20191126102710p:plain

 

1kHz正弦波

f:id:MatsubaraHarry:20191126102746j:plain

単純な1kHzですが、-10dBと-20dBでは、波形の様子が異なります。

これは、DACの一般的な性能です。-20dBは、少しギザギザが分かると思います。

 

DACは、なるべく大きな音で、再生したほうが良いのが分かります。できれば、フルボリュームで、パッシブプリ等で、レベルを落としてあげたほうが得策ではないでしょうか。(後日、-20dB vs -10dB+-10dB[VR]を比較予定です)

低域特性

20Hz、400Hz、1kHzの波形です。

f:id:MatsubaraHarry:20191126102937j:plain

比較的低い周波数になります。レベルは、1kHzと比較しても、ほとんど変わりません。

中域

1kから10kまでです。

f:id:MatsubaraHarry:20191126103247j:plain

レベルは、この帯域も、1kHzと比較しても、ほとんど変わりません。

高域

12.5kから25kHzまで。

f:id:MatsubaraHarry:20191126103430j:plain

問題なく再生できています。

 超高域帯

40kHzから、100kHzです。

f:id:MatsubaraHarry:20191126104927j:plain

多少のレベルダウンは、観測できますが、100kHzもきちんと出力されています。

周波数特性

これまでのデータを元に周波数特性をグラフにしてみました。
(スイープ波形による、FFTによる周波数特性とは、異なりますので、ご了承を。)

f:id:MatsubaraHarry:20191126105305j:plain

100kHzでも-3dBですので、十分な性能と考えられます。ここまでの帯域だと、ケーブルによる影響、及び反射による影響が出てきそうですので、接続方法、接続装置を考慮する必要がありそうです。
(当方が綴った、コンデンサのターミネーションも一考価値あると思います。)

DAC比較

他のDACDAC-X6J)との比較を少ししてみました。

1kHz正弦波比較

f:id:MatsubaraHarry:20191126105747j:plain

FFTでのノイズの出方が少し違います。
(-10dBは、横軸のスケールが違っていますので、それを含めて見ていただければ)

矩形波

左がD100、右側がX6Jになります。

f:id:MatsubaraHarry:20191126110015j:plain

コンデンサターミネーションがないので、少し厳しい観測になります。
サンプリングが低いと、すこしグリッジが多くなる傾向になります。立ち上がりのスピードに違いがあるのが分かると思います。これが100kHzまで再生できるDACの違いでしょうか。

ですがスピードが早いのは、決して良いことばかりではなく、高調波成分がたくさん含まれていることも忘れては、ならないと思います。

周波数特性

f:id:MatsubaraHarry:20191126110340j:plain

可聴範囲は、X6Jと違いはほとんどありません。40kHzから差が開いてきます。
高調波のレベルは、雰囲気等になるといわれていますので、レベルよりも低歪で出ているのがよいのでしょうか。それとも、出ていないほうが、綺麗にきこえるでしょうか。

 

2019/12/04 追加

出力インピーダンス測定

インピーダンスの測定が漏れていたので、追加で測定しました。

 

f:id:MatsubaraHarry:20191204203101j:plain

約680Ωです。1k以下ですので、十分ですが、100Ωが理想です。

 

まとめ

ハイCPのDAC M100を測定してみました。いかがでしたでしょうか。100kHzまで、再生システムが手軽に手に入る時代になりました。あとは接続のアンプですが、100kHzまで再生できるアンプ、スピーカも手軽に手に入るかでしょうか。

宿題

今回の測定をしている際に、面白そうな評価を2つほど思いつきました。

パッシブボリューム効果測定(予定)

今回測定していて、-20dBと-10dBの正弦波に違いがみられました。パッシブボリュームで-10dBの信号を-20dBにすると、どうでしょうか。理論的には、ノイズも-10dB、波形は、-10dBと同じクオリティになるはずです。簡単に測定して、また、お届けしたいと思います。

コンデンサターミネーション効果(予定)

何回か綴っています、コンデンサターミネーションの効果、サイドエフェクトを、100kHzまで再生できるシステムで確認したいと思います。

 

 

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

       よりすぐりのナカミチアンプたち)