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D級アンプ その素性を測定(LP-2020A+)

D級アンプは、効率の良さで小型化が可能で、今日の簡単なアンプならばほとんどD級になっていると思います。アナログのアンプを語るには、デジタルアンプも調べておきたいと、少し旧型ですが、LepaiのLP-2020A+を測定してみました。

このLepaiのアンプは、多くの方が、評価や改造を行っていますが、ここでは、まず、測定で、このアンプの思想を見れたらと考えてみました。

さて、簡単な測定でこのデジタルアンプの特徴や、素性が観測できるでしょうか。

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(ご注意:本測定データは、個人測定になり、実際のアンプの特性と異なる場合があります。あくまでも参考データとして、閲覧お願いいたします。)

 

調査測定内容

 測定は、D10の出力を直接アンプに接続し、出力は、抵抗機に接続、オシロで測定します。1KHzの正弦波/矩形波FFT、そして周波数測定等を行ってみたいと思います。

測定環境

 測定は、PCに波形発生プログラムwaveGeneをDACにD10を使い、ダミー負荷は8Ωiのセメント抵抗を用いています。測定器はSDS1102です。

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無信号時

無信号時のレベルをまず測定します。

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オシロスコープのGNDプローブもノーマルで、PCも起動したままですので、暗ノイズはそこそこあるのは既知でしたが、スピーカレベルなので、通常は、デジタルオシロの測定限界程度になると考えていました。ですが、デジタルアンプは少し多めなことが分かりました。

デジタルアンプは、BTLなので、マイナス側がGNDでないのも要因の一つですがそれでも、ノイズが結構観測できます。

基本1kHz正弦波

いつもの1kHzの波形を観測することから始めます。

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波形が太いことがわかります。拡大すると、デジタルアンプのサンプリングが観測できます。少しハイカットが弱い気がします。

 

矩形波(1kHz)

1kHzの矩形波を観測。

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オーバシュートが大きいですね。それに、低周波数が弱いため波形が台形になっています。これは、レベルにより少し変わってくるみたいです。追加でアナログアンプの比較の矩形波は、少し様子が違っています。

アナログとの比較

ここでアナログアンプ(PA-202)と比較してみます。
PA-202はppバージョンでそこそこカスタムしてあります。

正弦波比較

上がD級アンプ、下がアナログアンプです。

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波形は、一目瞭然で、当たり前ですが、アナログアンプには、高調波は見られません。

矩形波比較

比較のため矩形波は、再度測定して、レベルを少し下げてあります。

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デジタルもレベルを落としたからでしょうか。台形ではなく、矩形に近づいています。

ただ、オーバー/アンダーが大きく、波形がサンプリング周波数が載っているため太くなっているのが分かります。

矩形波比較(FFT)

矩形波は、その波形の特性上、基本周波数の逓倍がサンプリング周波数まで積算され構成されています。さて、その特徴が観測できるでしょうか。

 

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デジタルアンプは、ハイカットの為、130kHzで落ち込んで、150kHzでサンプリングの周波数でしょうか、盛り上がりがあります。

一方アナログは、200kHzまできちんと伝搬しています。

周波数特性

さて、周波数はどうでしょうか。

 

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低域も20Hzで-6dB、高域は、逆に20kHzで+1.4dB程度上昇。

ロウカットとハイカットのフィルタに調整の余地がありそうです。

ちなみに少し、意地悪ですが、アナログと比較すると

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となりました。もう少しデジタルも調整できるのではないでしょうか。

ヒアリング

 波形では、だいぶ極端ですが、ヒアリングでは、低域の物足りなさはありますが、パッと聞いた状態では、そんなに悪い印象はありません。

高域は、15kHzからの上昇なので、音質への影響は極端でないことが知らていてます。

それでも、あえてデジタルを選択する意味を見出すことはできませんでした。

 

考察

このデジタルアンプLP-2020A+は、デジタルの特徴がよく観測できるアンプです。普通ならばサンプリングの高調波を嫌いハイカットをもう少しきつくすると思うのですが、周波数をハイエンドの50kHzまで持ってゆくため、抑えているのでしょうか。

ローカットは、コンデンサの容量の関係でしょうか。これも少し改善しても良いかもしれません。

つづく

いかがでしたでしょうか。このアンプは、みなさん、工夫されてオペアンプ交換や、コンデンサ交換されています。アンプ自体も構成が微妙に違っているという話があり、この測定が皆さんのお手元のアンプと同じとは限りません。
でも、OpAmpを交換する前にローカットとハイカットを少し異調整する余地があるのではないでしょうか。

このあたりを調整して、また、皆さんに紹介したいと思いますので、お楽しみに。

 

 

 

 

 

 

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。

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