DACのD10を使って、ケーブル特性の評価を試みているのですが、DACの不思議な素性と思われる現象が。
さて、最終的に解決できるでしょうか。
(この測定は、あくまでも個人による測定ですので、精度、再現性等限界がありますのであくまでも参考データとなります。また本測定により、いかなる損害が発生したとしても、当方は、その責任を負いかねますので、ご了承下さい。)
基本波形
測定環境
PCからwaveGeneより波形をDACに指示、DACには、仮の負荷50kHz相当を取り付け
オシロスコープで測定しています。
正弦波1k、20k
基本の正弦波を1kHzと20kHz -40dB少しきつめの環境です。
綺麗です。測定方法の工夫の成果です。
矩形波1k、20k
さて、矩形波です。矩形波は、高周波の寄せ集めなのでグリッジが現れるのが正常です。
1KHzは、何回も測定していて、いつもと同等。ですが20kHzなにかおかしくありませんか?
矩形波の限界?
矩形波の波形は、何かおかしい。そう、HighとLowの波形が異なる。
じつは、Dutyが異なっているのです。
サンプル比較
同じ条件で、2回測定してみました。
HighとLowの時間が異なることがわかります。
波形保持機能(2秒)かけてみると
頻繁に波形がずれることが観測できました。
正弦波DAC比較(D10 vs X6J)
念の為、DACの依存性があるのか比較してみました。
正弦波でも、D10は綺麗ですが、X6Jは、少し乱れています。電源等の環境の為もあるかもしれません。
矩形波比較(D10 vs X6J)
矩形波の比較です。
X6Jは、流石に辛いですが、波形のみだれよりも、注目したいのが、どちらも、Dutyが均一で無いことがわかります。
追記測定
20kHzを少し長く測定してみました。
規則的にDutyが変化しています。
どうやら下記の様になっている模様です。
384kHzのサンプリングで、クロックx9とx10の組み合わせで5回で約150uSecにして20kHz相当を作り上げています。
18kHz/24kHz
384kHzで切りの良い、19.2kと24k測定してみたところ、きれいな矩形波が観測できました。
正弦波19.2kHz vs 20kHz
正弦波でサンプリングの公約数とそうでないものとして19.2kHzと20kHzを比較。
ゆらぎ等が観測できるかと思いましたが、良かったことに、観測きませんでした。
もう少しレベルを落としてみても
DACの出力のゆらぎが生じるだけで、周波数では、大きな違いが観測できませんでした。
まとめ
今回、ひょんなことから、矩形波で、Dutyの乱れを観測できました。原因は、矩形波は、サンプリング周波数の逓倍でないと正しく作れないことからでした。
波形評価は、低電圧で
今回、評価をしていて、DACの違いが明確にわかったのは、比較的低いレベルの波形です。
数十mVのレベルだと、DACの出力段、電源の良し悪しが現れていそうです。
矩形波の不思議
矩形波の生成には、逓倍の正弦波の重ね合わせが必要で、その演算でどうしてもPCの処理が追いつかないが原因のひとつではと、考えます。
通常の音楽再生では、レベルデータゆえ、重い演算は無いので、この演算時間の影響はまず問題にならない、と考えます。
まだ、解析段階ですので、もし、矩形波をwaveデータにして再生すれば、その答えが出るかもしれません。
384kのDACの場合、矩形波は、逓倍の重ね合わせのため、サンプリングの逓倍
(2・5)^3・3・2^7 = 2^10・3・5^3
の組み合わせ(約数)の周波数の必要性があることになります。
矩形波の制限
矩形波は、その波形の特性上、サンプリング周期の逓倍で有ることが必要です。
評価を行うときには、それを理解して、行う必要があります。
20kHzではなく、19.2kHzもしくは24kHzを使って行ってゆきたいと思います。
正弦波の制限
正弦波では、サンプリングと周波数が多少違っていても、補間処理により波形がつながるため、可聴周波数では、ほとんど影響がなさそうです。
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