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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ラインレベルの伝送について(等価(疑似)バランス RCA Cable )

 今回は、電源回路から少しそれますが、RCA Cableについて、考えてみたいと思います。

RCAケーブルは、ご承知のとおり、シールド線、同軸線が多く使われています。
伝送する信号は、芯線から電圧として出力されます。
でも、電気は、回路(ループ)があって初めて、流れます。信号の電気は、芯線から、アンプに届き、どうやって、戻ってくるのでしょうか。

それを順を追って説明したいと思います。


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一般 RCA Cable 

一般のRCA Cable、ここでは、シールド形、単芯ケーブルを指します。

RCA Cableは、ホットとGNDを2つで、信号をアンプへ伝達します。

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単芯 RCA シールドケーブル

電気は、回路(ループ)になっていないと流れないのは、ご承知のことと。
RCAもホットの信号は、GND配線で、送り側(ヘッドユニット)に戻ります。

この時、アンプの種類によって流れ方が若干異なってきます。

RCAのGNDと電源のGNDが同じ場合、RCA Cableのシールドに戻ったり、電源GNDに戻ったり、経路が周波数によりインピーダンスが変化し、一定の経路にすることが難しくなります。

そこで、考えられたのが、アンプのGNDを独立にするという方法です。

GND独立アンプの場合 

ナカミチの一部アンプで採用されている方式です。

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GND独立アンプの場合

この方式ですと、リターンラインがRCAのケーブルに強制されます。特性は、比較的安定しますが、GNDがシールドなので、高域の伝送は、得意ではありません。

多芯のRCAケーブル 

多芯ケーブルで、芯線を使って、GNDを接続すると、GNDへの戻りが芯線を伝って流れることが出来ます。

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多芯RCA Cable

これらにより、多芯のケーブルで芯線にGNDを使っている理由があります。

でも、シールドが接続しているので、低域ではシールドに流れ、高域では、芯線に流れることになりやすいです。

多芯でカナレのケーブルを使ったものは、結構出回っています。

CANARE カナレ L-4E6S 赤白ライン 2本ペアRCAケーブル (1.5m)

CANARE カナレ L-4E6S 赤白ライン 2本ペアRCAケーブル (1.5m)

 

シールド分離RCAケーブル

そこで、シールドを接続しない方法に、行き着きます。

これも、多くのオーディオファンの方が実践されています。

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シールド分離 RCAケーブル

この方式は、ケーブルの特性がもろに現れます。ハリーは、カナレのマイクケーブルを使っています。プロ用の歴史の長い、ケーブルで、柔軟性、耐久性があります。

高域の特性は、20kHz以上まで、伸びています。一般的なシールド型のケーブルから入れ替えた時、その音の違いに、びっくりしました。

ノイズが少なく、高域がスッキリして、安心して聞ける音です。

さらに高域を求める方は、もう少し別なケーブル(誘電率の低い絶縁材タイプ)を探して、試されるのも楽しみの一つです。

 この接続のケーブルの市販品は、見かけませんので、自分で作るしかないでしょう

  

シールド分離RCA 末端処理 

末端処理(はんだ付け)は、結構 熟練が必要です。

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RCAケーブル末端処理

 片側のシールドがくっつかないように、絶縁チューブで保護したり、何度か、失敗するつもりで、挑戦してみては、いかがでしょうか。

 

 

   カナレ 4E6S ライン ケーブル 簡単自作 等価(疑似)バランス仕様

 

とりあえず、使ってみたい方は、オークションで出品していることがありますので、そちらをご購入するのが、早いです。

下記Link貼っておきましたので、ご興味ある方は、チェックお願いします。

 

   よりすぐりのナカミチ

 RCAケーブルまとめ(オススメ) 

  1. 線材は多芯タイプを

    最初は、RCAケーブルは、多芯の物を(基準のケーブルとしてもオススメです)

    その後、高価な硬いシールドケーブルと比較するのが、楽しめます。

  2. インピーダンスの特性
    ケーブルのインピーダンス特性が載っているものが、最低限の条件です。
    載っていないということは、評価、測定が必要なことがあります。
  3. 柔軟な、耐久性のあるもの
    最初は、カナレの様な柔軟な耐久性、柔軟性のあるケーブルをおすすめします。

RCAケーブルの良し悪しは、ケーブルの特性だけでなく、ヘッドユニットの出力インピーダンス、アンプの入力インピーダンスとの組み合わせで、変わってきます。

ケーブルの特性インピーダンスは、だいたい50から100オーム特性インピーダンスが多いので、Line出力のインピーダンスが100オームだと、望ましいです。

高速伝送をされた方なら、なぜ終端抵抗がないのか???と不思議に思うはずです。

私もその一人ですが。

アンプの入力インピーダンスは、なるべく低くしたいのですが、ヘッドユニットが100オーム品であれば、アンプの入力を低く(ターミネーション)すると、理論的には、反射による、音の汚れが削減できるはずですが。

もう少し、調べる必要がありそうです。

 

まずは、RCAのケーブルの基準を、この疑似バランスRCA Cableにしてみては、いかがでしょうか。

廉価版のマイクケーブルから、びっくりするような音が出てきます。