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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-202 ピアニシモ カスタム ('21-12) muses02仕様

PA-202は、お気に入りのモデルの一つです。

最適な出力容量で、フルレンジをきれいに歌わせてくれます。

大きな容量のアンプでは、真似できないアンプで、特にピアニシモカスタムした音を聞いていると、時間を忘れてしまいます。

そんなPA-202にmuses02を装着して、さらにしっとりと歌わせてみたいと思います。f:id:MatsubaraHarry:20211209182414j:plain

はじめに

いつものスペックの一覧表ですが、お許しください。

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ダンピングファクタは、実は1000倍あり、SN比も110dBととんでもないスペックです。

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重さも2kg、サイズも19cm角と、とても手頃。車のシートの下に忍ばせられます。

カスタマイズの系譜

これまでナカミチのアンプをメンテナンスすることで、いろいろなことを学ぶことができました。

  • スイッチング電源の基礎
     DC/DCスイッチング電源は、専用ICの推奨回路を応用した設計を行っていたので、理解しているつもりでしたが、実は深いところは何もわかっていなかったことを思い知らされました。
    カーアンプの電源は、プッシュプルタイプのオーソドックスな方式ですが、隠れた問題が色々潜んでおり、さまざまな洗礼を頂きました。
    その経験で、高調波ノイズや、安定化の手段を学ぶことができました。
  • 電解コンデンサの適正値
    電解コンデンサは、大きくすれば良さそうですが、やはり適正があり、容量や、種類で適材適所であることを痛感しました。
  • RCAのGNDの分離
    RCAのGNDを分離しているのがナカミチのカーアンプの設計思想とおもわれます。未接続のモデルや、直結や、抵抗で接続しているもの色々ありました。
    この中で、高インピーダンスだと、GNDのループが生じ高調波での発振が見られますが、昔ながらのGND方法で対策すると、スッキリと安定することは、測定していて感動ものです。
  • カップリング
    アンプ回路につきもののDCカップリングは、電解コンデンサを用いています。
    インピーダンスが安定しているフィルムが理想で、基準になるのですが、オリジナリティを重視するばあい、バイポーラの電解が良い感じです。

最近、電源のノイズは、スイッチング素子の速度がやはり大きく影響し、効率は落ちますが、ほんの少し遅くすることで、大きな効果が得られることも、また新たに経験し、カスタムのアイティムに取り入れることができました。

状態確認

いつものように、オリジナル状態に一度整備して、その特性を測定します。

一次電源

一次側は、最初から少しカスタムをしてしまっています。

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入力変動は小さく、一次側は、レベルは小さいのですが、高周波用のフィルムを取り除いていますので、少しスパイクが目立ちますね。

二次側(電力用)

二次側もコンデンサを厳選素子に。

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小さなヒゲはみられますが、とても小さく良好です。

二次側(電圧用)

スパイクが気になる電圧用です

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リップルの振幅は、標準コンデンサよりよいのですが、スパイクがきになりますね。

出力波形

いつも、驚かせてしまうような波形なのですが

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可聴周波数外ですが、スイッチングノイズが確認できます。

電源のGNDインピーダンスが高い為が要因の一つとして考えられます。

 

カスタマイズ

高調波対策は、次のようなアイティムで行います。

 

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見た目は、標準的なアンプです。

一次側

一次側は、高分子や、チップセラコンで

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いつものように落ち着きます。

二次側(電力用)

トロイダルコアと、チップセラコンで

f:id:MatsubaraHarry:20211209200300j:plainいつものように、落ち着きますね。

二次側(電圧用)

きついスパイクノイズですが

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チップセラコンの恩恵で、すっかり見違えます。

出力確認

さて、最後に、スピーカ出力を確認してみましょう。

微小出力(1kHz -80dB)

可聴範囲外の高調波ノイズですが

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スッキリです。

高調波は、ツイータに常に印加され、ボイスコイルに磁力や熱となって消費されます。

影響は、スピーカの動きを鈍くされると考えていますので、無い方が良いですね。

周波数特性

もともと良い特性ですが、

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高分子フィルムの効果で改善されています。

このPAシリーズは周波数特性は測定していて気持ちが良いです。

 

まとめ

定期的にPA-202やPA-302はメンテナンスするように心がけています。それは、やはり基本の電源や、アンプ回路がシンプルで、新たな発見があるからです。

 

外見もいつものように清掃をがんばり、新品同様には、なりませんが清潔感を心がけています。

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RCA端子をGND及び内部を磨き、端子ネジは、クロームメッキの新品で、

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底板も、近似色でリフレッシュ

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末永く使っていただけるように、今回も丁寧にメンテナンスいたしました。

 

新しいオーナーの方のもとで、アコースティクをつややかに、ボーカルをしっとりと。

 

これまでのPA-202のカスタム記事は、下記よりご覧になれます。

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使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

 

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

 

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