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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

US Nakamichi PA2002 カスタム・メンテナンス ('22 No4)

PA2002のカスタム・メンテナンス 2022 4台目になります。

このアンプは、内部の状態はとてもよく、リワークも施されていませんでした。

一方、音声出力のノイズは、少し気になりますが、再生は安定しています。

これまでの解析を元に、きっちり仕上げてみたいと思います。

はじめに

このPA2002は、100W x2chにクロスオーバを搭載した、とても使いやすいアンプです。

位相も0から180°、左右で調整できます。低域の補正に使うことができそうです。

(詳しいスペックは、以前のブログを参照ください)

US Nakamichi PA2002 カスタム・メンテナンス - pp audio blog

 

状態確認

はじめにアンプの状態を確認します。

音声出力状態

最初に音声出力を見てみました。

No3と同じレベルのノイズが見られますが、状態は比較的安定しています。

このアンプはRCAのGNDとアンプGND間に大きめですが抵抗が装着されていました。

電源状態(一次側)

このPA2002は、スイッチングが少し安定していない傾向があります。

このアンプは、変動が大きめです。

いままでのPA2002に比べ、トランスの鳴きや、スピーカからチリチリという音が少し大きめでしょうか。

電源状態(二次側)

このアンプは、一次と二次のトランス巻線を接続し、効率を上げています。

時折、パルスが欠損していることがわかります。

 

カスタム・メンテナンス

アンプを末永く使っていただくために、電源の長寿命化とこれまでの解析に基づいた高調波抑制を施します。

カスタマイズ仕様
  • 電源安定化
     スイッチング周期を安定化するための変更を加えます。
  • 電源メンテナンス
     一次/二次側の電解コンデンサは低ESR品に交換します
     また、一次側には高分子もいくつか装着します。
  • 電源配線改善
     電流が、供給元から必ずコンデンサを経由してアンプ回路へ流れるように
     パターンを一部変更。
  • 高調波対策
     チップセラコンにて高調波を抑制します。
     その他、二次側にコイルを追加して、ノイズを抑制を行います
  • OpAmp電源
     電源にはOSコンを採用。また、メインOpAmp直下にパスコンを装着
  • GNDポイント見直し
     一次側と二次側が接続しているので、スイッチングによる電流ノイズの影響が小さくなるように配線を見直します。
  • プリアンプダイレクト
     プリアンプをダイレクトにするための折り返しコネクタを装着。
     もし、もとに戻したい場合は、パネルを外して、プリアンプ基板のケーブルに差し替えれば、いつでももとに戻せます。
  • 入力GNDとアンプGND
     入力とアンプのGNDをこれまでの経験値のパラメータに変更します。
     これにより高調波までノイズ対策が可能になります。
スイッチング周期安定化

No3と同じ様に、電源の周期の安定化を施します。

 

No3とほぼ同じ状態になりました。

これで、電源メンテナンス、高調波対策に進みます。

電源状態(一次側)

1000uF x12を1800uFx8+高分子x4で足元を固め

大型(3225)の超低ESRのチップセラコンで、高周波を抑えます。

20mV程度に抑えることができます。

電源状態(二次側)

一次のスイッチングノイズもコイルを追加

このチョークコイルは、高調波の電流ノイズも抑えます。

まとめ

RCAのGNDとアンプのGNDの接続もいつものパラメータで接続(CとRの複合)して安定させました。

音声出力確認

もともとは、高調波で安定しなかった出力も

すっかり、スッキリしました。

周波数特性

最後に周波数特性を確認します。

No3とほとんど同じ特性で、しっかりメンテナンスが出来たことが確認できました。

基板仕上がり

基板の実装は、実用性、耐久性を重視し、まとめています。

スッキリと、無理な実装はないことがわかると思います。

外観

傷も少なく外観も綺麗に整えることができました。

パネルもFINも綺麗に

 

いかがでしたでしょうか。

PA2002は、2022年 4台目になりました。

その大きさと安定した出力が魅力なアンプですが、時折チリチリノイズがきになる機体も見受けられます。

そんなノイズに悩まされている方もどうぞ、おきがるにお問い合わせください。

これまでの解析結果、検証に基づいたカスタム・メンテナンスを施し、ナカミチの本来の音をぜひ、手に入れてみてください。

(お問い合わせは、プロファイルのメールアドレスよりできます。)

 

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

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使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

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