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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

オーディオと電源回路 (車の電源配線 バッ直について)

今回は、車の電源配線について、綴ってみたいと思います。

車の電源は、バッテリーから供給される...と思っていましたが、実はオルタネータから供給されています。(車は、アシストなしのタイプを指しています。)

カーオーディオのマニアの方は、バッテリーからオーディオの電源を引き回している方が多いです。バッテリーから電源を直接とると、音は良くなるのでしょうか。

逆にオルタネータのノイズで困っている方も多いのではないでしょうか。

どんな効果があるのか、pp なりに紐解いてみます。

 標準カーオーディオ配線

標準的な車でのカーオーディオの電源配線を簡単に描いてみました。

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コンソール部のサービス電源は、車の様々な電装品の一部として供給されることが多いです。他の電装品によって、電圧が変動する傾向があります。

また、オルタネータは、交流発電機を整流している為、電圧が一定でなく、波打っています。

 各ユニットの電圧の傾向

各ユニットの電圧の傾向をイメージ化してました。

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そのため、オーディオマニアの多くの方が、バッテリーから直接電源を取る配線を行っています。これが、バッ直と言われる方法です。

 

バッテリーから直接 接続(バッ直)

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バッ直にすると、電圧は、他の電装品の影響を受けにくくなり、電圧が上がります。また、消費電力の大きなアンプを接続した場合は、配線の電圧降下を改善することが出来ます。

GND側の電圧を上記は考慮していませんので、GND側の電圧も考えてみると

 バッ直のGNDの状態は?

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GNDも遠いところの方が、電圧が高くなり、オーディオに得られる電圧が下がってしまうことがあります。そこで、GNDもバッテリーから取るマニアの方がいらっしゃるのは、この理由からです。(マニアでは、常識でしょうか。)

GNDもバッテリーに直接 接続

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GNDは、比較的抵抗が低いので、電圧の改善は、少ないですが、効果は、得られます。

 長さは、もう少し欲しいのですが、下記の様な、ケーブルがはじめての方にはおすすめです。

 メータ切り売りならフジクラを見つけました。

 

  圧着工具が必要ですが、一度買えば一生ものですから。

 

【ノーブランド品】圧着ペンチ 1.25mm?8mm
 

( ハリーは、ISUMI製のものを愛用していますが、廃盤で、代替品でゴメンナサイ。)

 裸端子と圧着工具でしっかり接続るのが重要です。

太い線材でも、末端をペンチでかしめただけでは、本来の性能を発揮出来ませんし、
大変危険です。

 

 

バッ直のデメリット?

バッ直のデメリット、改善点として、オルタネータのノイズ(波)が直接オーディオの電源に伝わってしまうことが、あげられます。

極端な言い方ですが、
ケーブルを太くすればするほど、エンジンルームにオーディオ機器を取付 と同じ
になります。いくらなんでもですよね。

 

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バッテリー直接つないで、ノイズが大きくなったという方が、いらっしゃるのもこの要因が一つか、疑ってみてはいかがでしょうか。
致し方なく、ノイズフィルタを入れてしまった方も多いのではないでしょうか。

また、このケーブルが太ければ太いほど、ノイズや、オルタネータの影響が伝わりやすくなります。トータルの電流が流せるほどほどのサイズが現実的です。

最初の 定常電流の目安として

 2.0   スケア 20A 以下

 3.5   スケア 35A 以下

 5.5 スケア   45A 以下

を検討してみてください。(実際の線材の硬さや、車に引き回せるかも含めてがよいです。)

(定常電流がわからない場合は、少し荒っぽいですが、カタログの定常電流の合計で、Fuseの合計であれば十分です。)

なお、バッテリーとの接続には、線材の容量以下のFuseを入れるのを忘れずに。

ノイズフィルタを入れると

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ノイズフィルタは、直流抵抗値も大きいことがあるため、電圧も下がってしまうことが多いです。
また、せっかくバッテリーから直接接続して、電源のインピーダンスを下げたのに
上がってしまうので、またぼやけた音になりがちです。

このインピーダンスという言葉は、アンプが瞬間的に電力を必要とした際の電源ラインの抵抗値と、言い換えることができます。

 フィルタは、コイルが直列に挿入されるので、瞬間的な電流を抑制する働きがあります。アンプが必要な電力を得られなくなってしまします。

キャパシタで、ラッシュ電流対応?

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そこで、キャパシタの登場になります。

少し、乱暴な理論ですが、電源にインダクタを入れることになるので、それを補うコンデンサを入れれば、打ち消し合うので、10mHのインダクタ成分のフィルタなら、10mFのキャパシタを入れれば良いことになります。でも、mFクラスのキャパシタは少し大きく、結構 高価で、かつ、接続にも気をつける必要があります。

(突入電流が大きく、Fuseや配線にダメージを与える可能性があります。)

 LUXMANXCP-1000( 20mF)同等の優秀なキャパシタが必要になってきそうです。


一方、オーディオの機器の中、過渡電流が必要なのは、パワーアンプで、ヘッドユニットやプリアンプはあまり過渡的な電流が流れないことがわかっています。(そもそもの電流が少なく、音量に伴う電源電流が小さいからです。)

電流変化の少ないヘッドユニットには、電圧変化を補う、キャパシタの容量が小さくて、良いことになします。(3300uFとかを少しずつ増やして、効果が飽和するのを確認することを、お楽しみいただけると思います。)

一方過渡的に電流が変化するのはパワーアンプで、こちらは、逆にノイズに強くなっています。

(ノイズに弱いパワーアンプでお困りの方は、どうか、ナカミチのアンプを一度お試しください。)

実現的なフィルタの入れ方(例) 

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 パワーアンプは、バッテリー直で、ヘッドユニットは、フィルターとキャパシタでというのが、合理的で、ppが行き着いた、電源配線です。

 

フィルターによる、電源のインピーダンス上昇が気になる方は、フェライトコアを試してみては、いかがでしょうか。

 

 一つでは、効果は少ないですが、多段にすると、効果が出ることがあります。

 

また、ドーナッツタイプの、フェライトコアをGNDとともに、キャンセル巻を試してみては、いかがでしょうか。

 

バッテリー直接 接続(バッ直)まとめ

これまで、車の電源配線の試行錯誤から学んだことをまとめてみました。
比較的旧式の車(非ハイブリッド車)に当てはまると思います。

  1. 電力は、オルタネータから、バッテリーは、補助
    車の電力は、全てオルタネータからまかないます。
    バッテリーは、その電力変化をなだらかにする役割を、念頭に。
    また、車の電源電圧は、始動後は高(14V強)く、その後低く(13V強)なる傾向。

  2. 配線は、プラスとマイナスペアで
    バッテリーからの配線は、プラスとマイナスのペアで
    線材は、程々のサイズがおすすめ。
    端末処理は、圧着工具で裸端子を用いて確実に。
    ペンチでは、カシメられませんので。(接触不良で発熱し危険です。)

  3. オルタネータのノイズを想定して改造を
    バッテリーからの接続が強力になりますので、オルタネータノイズ等を想定
    ノイズが大きくなった場合は、慌てず、ヘッドユニット電源に、フィルタを入れて改善するか、試行を。

  4. パワーアンプはノイズ耐久性のあるタイプに
    パワーアンプは、ノイズ耐久性のあるものの方が、最終的にノイズ対策が簡単。
    パワーアンプの入力を外して、オルタネータノイズが聞こえてしまうタイプは
    他のアンプの検討をオススメ。

私個人が、経験した体験より記載していますので、すべての車に当てはまると思っていませんが、なにか、少しでもヒントになることが、書いてあると思っていただければ嬉しいです。

 

オルタネータノイズを、克服して、バッテリーからオーディオに接続した、メリットを実現できる、ヒントになればよいのですが。

 

実際の、波形や、電圧のサンプルは、少しずつですが、アップしてみたいと思います。

 

電流センサー付車両時

ブログを読んでいただいている方より、電流センサー付き車両の場合は、バッテリーのマイナスではなく、ボディから、とのご指摘がありました。ありがとうございます。

簡単ですが、同じ様にブロック図を追加しました。

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電流センサーがついているかどうかは、バッテリーのマイナスからボディの間になにかユニットがついているかどうかで判断できます。

もし、わからない場合は、ボディに接続するのがよいでしょう。

 

 

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