PA-302の電源を電解コンデンサ、チップセラミックコンデンサで改善してまいりました。その効果は、測定値で明らかになっており、音への影響は、語るまでもありません。それでも少しだけ気になるのが電圧用の電源です。まだスパイクが取り切れていません。後段にTrで電圧安定化が入っていますが、スパイクによる高調波は、やはりとってゆきたいと考えています。今回は、途中にインダクタやビーズコア、及びトライダルコアを挿入してどうなるかを確認いたしました
さて、努力のかいはあったでしょうか。
電源カスタム効果
まず、これまでの改善結果を振り返ってみましょう。
今回は、電圧増幅用電源(右下)の部分です。後段にTrがあり電圧は、41Vに設定されています。
低ESR、低インピーダンスの電解コンデンサと、チップセラコンにより、1/3まで落ちています。後段のTrがあるので十分ですが、やはりこのスパイクが気がかりです。
FFTで解析してみます。
カスタム後のFFT解析
これを基準とします。さほど、大きなエネルギーは、なさそうです。
インダクタの効果
まずは、インダクタを入れて、改善するか確認してみます。
10uHの小さなインダクタで効果でるでしょうか。
スパイクも大きくなりFFTも山が出てしまっています。逆効果です。がっかりです。
先行きが怪しくなってきました。
ビーズインダクタ効果
気を取り直して、高調波ノイズに有効と一般常識化されているインダクタを入れてみます。
多少効果はありそうですが、スパイクは、やはり大きいままです。
トロイダルコア
インダクタを大きくしてみるともっと悪い結果に、極端に大きくすると、電圧ドロップで出力の41Vがキープできなくなってしまいました。
他になにか方法がないかと調べているとトロイダルコアのコアだけ手に入ることが分かりました。これならば、巻数で適正なインダクタンスに調整できると考えました。
写真の様に2回路を一つのコアに逆巻(キャンセル巻き)にしてみました。
トロイダルコア 5巻
まずは、5巻で効果でるでしょうか。
効果がピークの値で少し現れました。FFTによる効果も、白い基準の波形の下になっているので、わずかですが、ありそうです。
トロイダルコア 10巻
さらに良くなりました。30mVを切りFFTもオリジナルの波形に隠れてしまっていますので、効果ありです。
トロイダルコア 単独18巻
もう少しインダクタを多くしたいのですが、小さくて巻くことができません。
単独でフルに巻いて(18巻)どの程度変化するか実験でためしてみました。
キャンセル効果がなくなるので、悪くなりそうですが。
やはり、悪くなってしまいました。単にコアを入れた状態に近いです。
ちなみに、インダクタは0.5uH程度でした。
まとめ
今回は、電圧用の電源のスパイクを低下させるために、インダクタや、コア、そしてトロイダルコアのキャンセル巻を試してみました。キャンセル巻は、効果があることが、確認できましたが、もう少し、大きなコアで、磁力を蓄えれるものが必要であることもわかりました。
近々、一回り大きなコアの結果をお届けできると思います。楽しみにしていただけると嬉しいです。
電源の改造、測定を何度も繰り返し、 より一層、ノイズレス電源と呼べるようにしてきました。その効果は、測定値で明らかになるとともに、音に透明度をもたらしているのがはっきり分かります。それは、当方より、この電源カスタムのアンプを数多く手にされている方々のご感想にあらわれています。
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