電解コンの特性、選定方法について、3回目になります。
前回470uFを取り上げましたが、その時の装置がCD-700IIでした。
その装置の波形をBefore/Afterで紹介したいと思います。
電源ブロック図
最初にCD-700IIの電源ユニットのブロック図を簡単に書いてみました。
正極は、レギュレターで負極はDC/DCで作っています。
(ここには、書いていませんが、CD-700本体への電源+14Vもフィルタ+コンデンサを別回路で供給しています。)
入力段リップルノイズ
まずは、入力の状態から測定してみました。
インピーダンスが高めなので、測定すると高調波ノイズが見られました。
それとともに、周期的なリップルノイズがあります。これは、DC/DCの影響でしょうか。
入力コンデンサ選定
今回2200uFのコンデンサを選定したのですが、サイズ等で制限があり、最終的には
下表の3300uFのコンデンサをみつけました。
注目していただきたいのは、コンデンサの容量を増やしたのに耐リップル電流が逆に小さくなっています。一方、インピーダンスは静電容量が大きくなった分、低くなっており、それと伴って、ESRもかなり低くなっています。
評判のよい、コンデンサの実力が伺えます。
さて、効果は、どうでしょうか。
入力改善効果確認
1uのチップコンデンサとの相乗効果で、ほとんどノイズがなくなっています。
電解コンデンサのみではなく、高周波ノイズ対策が簡単な改造で効果をあげることがあることが分かります。
負極電源
まず負極(-10V)の電源の入力と出力を確認、対策します。
負極電源入力
DC/DCの入力波形は、どうでしょうか。
想像どおり結構、リップルが激しいです。
負極入力改善効果
このコンデンサは、前回470uFの選定で綴ったコンデンサ選定で1000uFにしました。
高周波が、22uFのセラコンで、周波数が低くなっています。オーディオで悪影響が大きい高調波が小さく出来ました。
負極出力波形
ここからは、わかりやすくまとめてみました。
出力のリップルは、スパイクがおおきかったですが、良くなりました。
容量を1000uFにすると同時に、22uFを追加している相乗効果です。
最終的出力改善効果
最終出力電圧は、どうでしょうか。
正極側出力改善効果
正極は、レギュレターなので、リップルノイズは、あまり見られませんでしたが、負極の誘導ノイズが少し見られました。本体へケーブルで接続されるので、あまり気にする必要はないのかもしれませんが、1uFで対策。安心できる結果です。
負極出力改善効果
負極の出力状態は、DC/DCのリップルが最終段まで、残っていました。
これではせっかくのCD-700も十分に能力を発揮できないでしょう。
これまでの改造で、リップルはほとんど、なくなり、最終の1uFで高調波もなくなりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。単なる電解コンデンサの交換ではなく、現状の状態を測定することで、どの様な対策が必要か、また、対策効果が簡単に確認できることが分かります。
ぜひ、電源に関しては、単なる部品交換ではなく、測定を行い効果を確認しては、いかがでしょうか。
(CD-700をお持ちの方、本改造依頼もお待ちしています。ヤフオクまで、お尋ねください。)