状態のよいアゼスト A-1200のパワーアンプが流れ着きました。
外観がつや消しダークブルーで、地金のアルミで深いメタリックの美しい仕上げになっています。
アゼストのアンプはとても丁寧な作りで、嬉しくなってしまいます。
はじめに
A-1200は、60W x2chで十分なパワーを謳っています。
また、ブリッジにも対応していますが、ノーマルでは、両方のチャネルが正転増幅になっており、切り替えすると、片チャネルが反転増幅になります。
こだわっていますね。
内部構成
基板はとてもシンプルでかつ、電源とアンプ回路が区分けされています。
驚くことに、
電源の二次側コンデンサが3300uが6個も装着されていました。
(写真は、初段に高周波数のインピーダンスの低いコンデンサを採用)
一次側に複数使われているのはいくつか見かけまししたが、二次側にここまで充実しているのは、初めて見ました。
状態確認
いつものように電源状態や出力特性を確認します。
電源構成
このアンプは、標準的なプッシュプルのスイッチング電源方式です。
二次側にトロイダルコアと写真の3300uFの大きな電解コンデンサを6個装着し、電源のノイズを抑え、かつ、パワーを供給する設計になっています。
一次側電源
入力にもインダクタが装着され、ノイズ対策が施されています。
一次側は、とても良好で、300mV程度です。素晴らしい。
また、入力側は、少し詳細で測定した為、少しノイズが目立ってしまいました。
入力にコンデンサが装着されていないので、電源からのノイズよりも様々な誘導ノイズの影響もあります。これは、パスコン等抑えてみたいと思います。
二次側電源
インダクタと大きな電解コンデンサ3段構成ですので、期待が持てます。
やはり、ノーマルで10mV以下と素晴らしい状態です。
出力確認
出力信号の状態を確認してみます。
微小信号(-60dB)
少し高調波が見受けられます。
成分としては、50kHz以上なので、大きな問題にはなりませんが、もう少し改善出来ることを期待し、高調波対策を施してみます。
周波数特性
周波数特性を観測してみると
とてもきれいなかまぼこタイプ。良質な音が期待できます。
カスタム・メンテナンス
早速メンテナンスを中心に、末永く使えるようにしたいと思います。
- 高負荷電解コンデンサ交換
低ESRの電解コンデンサに交換。二次側は、2種類位つかってみました。 - 高調波対策
一次側、二次側にチップセラコンを中心で対策します。 - OpAmp電源
高分子のコンデンサで安定化、またパスコン追加で、高調波対策を施します。 - カップリング
無極性のmuseを用います。これにより、有極性の電解コンで起こる、音声信号のプラス側とマイナスの微妙な差をなくします。 - リレーの交換
出力の保護リレーももちろん、交換。
一次側
入力にコンデンサを追加してみました。
結果は明確です。
また、一次側は、周波数のマッチングを行い、高調波のみを抑えることができました。
二次側
二次側は、少し大きめの電解コンデンサと、低ESRの電解コンデンサを複合しました。
ほとんどリップルが観測できないほど 改善しました。
基本回路が良いので、最新素子の効果が絶大です。
出力確認
微小信号(-60dB)
少しノイズが目立った出力波形ですが、
無理なく、まずまずの状態に仕上げられました。
周波数特性
周波数特性も
まとめ
外観の美しさに惹かれ、入手したアンプは、その内部もとてもこだわりのあるきちんとした電源回路に、音声回路。
これまでの経験を駆使し、末永く使える、素晴らしいアンプに仕上げることができました。
内部はスッキリ無理ない仕上がりです。
注釈にHigh Stablity PWM DC Converterとあります。高安定のこだわりがしっかり基板装備にあらわれていました。
音はとても繊細で低歪み、長くゆっくり音楽を楽しめるアンプです。
追ってオークション出品予定ですが、本アンプご希望の方、メールにてご連絡頂ければ、手に入れられるかもしれません。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。