ナカミチのプリアン CA-101が流れ着きました。贅沢な作りで安定しているプリアンプです。さて、早速内部の状態を確認して、カスタムしてみたいと思います。
はじめに
現状の状態を確認後、内部の状態を確認し、カスタムを行います。
CA-101は、CD、AUX x2そしてTDの4系統の入力を持ちます。
アンプ本体は、ユニット側に配置されており、本体側は、電源とリレーが装備されています。
・本体側
・コントロールユニット側
初期状態
TD微小信号
ダイレクト接続用のTDの波形です。
これは、パターンを追いかけると、リレーでダイレクトに出力に接続されています。
CD微小信号
CDの信号は、OpAmpを経由するので少し波形が太くなります。
AUX微小信号
f特
そして周波数特性を測定しました
TDは、ダイレクトなので、フラットです。CD、AUXは、20~20kHz とても良い特性です。
基板状態
電源メンテナンス
まず電源をメンテナンスします。
金属製のシールド板がハンダ付けされているので、コテと吸取り機で、確実にハンダを除去してから分解します。(コテ+スッポンでは、難しいです。)
少し気になるところがあります。わかりますでしょうか。
メインの電解コンデンサを取り外すと
液漏れしています。
近傍の抵抗が
溶けてしまっていました。メンテナンスできてよかったです。
電源カスタマイズ
小容量なので、カスタマイズは、スムーズです。
超低ESRの電解コンデンサとOSコンを使って安定させます。
一次側効果確認
リップルが半分になっています。
二次側効果確認
高調波が少し残っていますが、これは、初段を測定しているためです。
最終出力段
最終出力は、ほとんどノイズが観測できない状態になりました。
コントロールユニット変更
コントロールユニットは、前回とほぼ同様
OpAmpをICソケット化し、パスコン装着、そして、カップリングコンデンサを高分子フィルムに交換です。
信号観測
それでは、実際の出力は、どの程度変化したでしょうか。少しノイズが見られるAUXを確認してます。
AUX
だいぶ改善されているのですが、まだ、気になります。
AUX入力のGND
ところで、CA-101の3系統の入力(TD以外)は、どうやら下記のようになっています。
これは、CDやその他のソースのユニットのGNDの電位が異なった場合を考慮してとの模様です。
すべてGNDに接続したいのですが、下手すると大きな電流が流れ、ちょっと厄介です。
前回のCA-101の機体は、この330Ωの抵抗がこわれて、オープン状態でした。(おそらく、大きな電位差が生じ、過電流が流れた為と考えています。)
ノイズは、高調波が主流なので、コンデンサでGND効果が改善できるか、実験してみました。
(R+CのGND間接続は、GNDの分離を行う際によく用いる手法です)
はじめに0.1uFを取り付けましたが、変化がなく、0.33より効果が確認できました。
1.5uFまでにするとだいぶいい感じです。
結局、2.2uFにするとかなり良い感じなので、サイズを考慮してこの値にしました。
抵抗は、半田面に移動して装着しています。
最終状態(CD)
電源の安定の効果が確認できます。
最終状態(AUX)
信号の高調波がなくなり綺麗になりました。
周波数特性
高域を保持しながら、低域を、改善することができました。
まとめ
AUX側がノイズが多かった原因と対策が今回の成果です。また、プリアンプの電源も気をつけないとコンデンサの液漏れで腐食の餌食になることがあります。このプリアンプはとても使いやすく高音質ですので、ファンも多いと思います。ぜひ、メンテナンスをするのをおすすめします。
カスタムナカミチアンプ
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