二回目になりますが、電解コンの憂鬱を綴ります。
電源回路には、電解コンが必須ですが、選定等で悩むことが多いです。
大きければ良いというわけではなさそうですし、OSコンも万能ではなさそうです。
今回も前回からの発展形で、470uF/16Vの代替品を、現実的な範囲で、選定してみたいと思います。
✦470uF/16V代替選定条件
コンデンサの代替品として、ハリーが条件としているのは、
- 容量は倍程度を最大に
470uFの倍として、1,000uF程度にします。
これ以上大きいのは、他の回路への影響が心配ですので。 - 実装できるサイズに
リードのピッチ、厳守。高さは、そのままケースに入ること。
(大きなコンデンサを無理に寝かして装着するのは、避けています。
振動の問題や、リード線が長くなり、せっかくの性能が発揮出来ないからです。) - 周波数の傾向
使用箇所によって、低周波数向けか、スイッチングの高周波数なのかで
選定のコンデンサの種類を限定することが、できます。
✦470uF/16V代替選定
470uFから1000uFまで、比較的入手しやすい範囲で選定してみました。
候補として、470uFから1000uF、耐圧も16Vから63Vと様々。
✦インピーダンス比較表
前回からの発展形として、ESR及びインピーダンス比較表にて比較してみました。
選定されていた、PMは、当初は魅力的な特性性能でしたが、さすがに、原題では少し見劣りします。
(ESRとインピーダンスは、カタログにすべて載っていいなかったので、tanδや実測値より計算して算出していますので、参考値となります。)
✦ESRに注目すると
ESRに注目してみましょう。
OSコンがやはり、群を抜いていよいです。
電源用ESRも頑張っています。
ここで、面白いのが、OSコンに注目して、容量が小さい方がESRが、小さい(優秀)であること。
(OSコンのESRはスペックの値です。)
これは、物理的な要因からくる模様です。
でも、コンデンサーの能力は、ESRではなくインピーダンスが低いことなので、インピーダンスを比較します。
✦インピーダンスは?
インピーダンスは、周波数ごとの、抵抗のことですが、今回は、測定器の周波数の関係上、大雑把の比較になります。120Hz,1kHz,100kHzの比較です。
100kHzのインピーダンスは、ほとんど変わりません。
低い周波数は、容量でインピーダンスが大きく影響し、ESRはあまり影響されないのが、わかります。逆に、高周波数では、ESRの影響が大きいです。
(インピーダンスは、LZは、カタログ値、その他は、カタログのESR値と周波数、容量から求めた計算値です。)
電源のスイッチング周波数や、スパイク、リップルの過渡的変化のスピードで、どの帯域のインピーダンスを重視すべきか、選ぶ必要があります。
✦オーディオ用の良いところは?
一方、オーディオ用は、数値上には、良いところが、見つけられませんでした。
電源回路には、やはり、電源用コンデンサやOSコンが良さそうです。
スペックに現れないところに、オーディオの奥の深さがあるからでしょう。
ただ、電源のスイッチングには、電源用コンデンサを使うべきと、ppは考えています。
✦結論は、1000uF/35V 電源用コンデンサ
性能は、OSコンと電源用コンデンサの差はほんの僅かです。
最終的に、電圧マージンを考え、電源用コンデンサを選定。
としたかったのですが、直径がわずかに大きく、実装できず、OSコンを採用となりました。
✦まとめ
今回は、ナカミチのCD-700IIの電源改善の一部でした。
コンデンサ選ぶのに、一週間かかってしまいましたが、次は、早くなると信じて良しとしています。
近々、メンテナンス前と後の比較波形を、載せてみますので、チェックお願いします。
コンデンサの種類は豊富で、これを選ぶのもオーディオの楽しみの一つと考えています。しかしながら、電源には、やはり、電源向きのコンデンサを採用するのが無難では無いでしょうか。ハリーも、試行錯誤で、数多くの、コンデンサを付けては、測定してを繰り返してきました。
最初に、この比較をしていれば、もう少し選定を絞れたと思います。
もちろん、リップル電流の小さい部分のコンデンサは、オーディオ向けの特色が出ることもわかっています。そんな楽しみを残しつつ、オーディオの沼にはまってゆきたいと思います。
電解コンの憂鬱③
として、綴ってみたいと思います。お楽しみに。
コンデンサの選定には、LCR測定器があると便利です。
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