久しぶりにナカミチアンプの電源ノイズ極小カスタムを綴ります。
今回は、USナカミチ PL475をカスタムするチャンスに恵まれました。
PL475の基板構成と、カスタム効果をお楽しみ下さい。
標準状態
標準の状態を確認してみましょう。
基板状態
基板は、フィルタ(OpAmp基板)とアンプ基板の2枚構成になっていました。
ハンダ面状態
ハンダ面状態は、表面実装部品が使われています。
左側のフィルタ基板には、チップタイプOpAmpが並んでいるのがわかります。
一次電源状態
一次電源状態を確認してみました。リップルはどうでしょうか。
少しスパイクが見られます。一次側の平滑コンデンサには、大きめのスパイクが。
でも、100mVですので、一般のパワー・アンプとしては、優秀です。
(20mV/Divですので少し大げさに見えまてしまいますね。)
二次側電源
スパイクは少しありますが、かなり小さいです。トロイダルコアや、0.1uFのセラミックの効果でしょうか。
ノイズ極小カスタム
いつものように、電解コンデンサの交換と、チップセラミックコンデンサによる対策を行います。
一次側効果
入力のノイズは、ほとんどなくなり、平滑コンデンサ側のスパイクも消すことができました。
二次側効果
二次側は、もともと小さかったので、10uFのチップセラコンで十分な効果が得られました。
OpAmp電源
OpAmpの電源は、忘れがちです。確認してみたところ、状態がよく、お守りでOSコンを実装。
測定誤差範囲にすることができました。これで安心です。
その他
その他の小さめの電解コンデンサも、特性を測定して交換を実施。
サンプルとして10uFの電解コンデンサの選別方法をご紹介します。
10uFは、たくさん種類があり、値段も数十円で、大した違いはありません。
安易にオーディオ用に交換したくなりますが、念の為特性を測定。
ここではtanδ(実際のコンデンサに直列に抵抗が入ってしまった為の位相差)を測定値として比較。なるべく小さい方が良いです。
意外と標準で実装されているコンデンサの特性が良かったです。
でも高周波数になると少し大きくなります。
10uFインピーダンス特性
これをインピーダンスとしてグラフにします。
全体的に低い方が良いことになります。
なぜか、Audio用のTAとか、FGは、高域のインピーダンスが上昇。それに比べMuseとか一見変哲もないUHEが優秀です。
10uFに限り、Audio用 電解コンデンサは、心配で使いにくい結果となりました。
今回は、低周波数は、容量が小さいくtanδの影響が小さく、高域の特性の優れたUHEを選定しました。
完成状態
結局、電解コンデンサをほとんど交換することとなりました。
フィルタ基板の大きめのMUSEは、GNDのカプリング用ですが、特性がMuseのBPが良かったので、採用しました。
まとめ
意外と、特性が良かったので、カスタムは、スムーズに行うことができました。
エージングを行った後、お客様の元で、活躍していただくことになります。
いかがでしょうか。USナカミチは、チョットと思っていましたが、チップ部品を使っているためか、基板パターンがシンプルにまとまっておりその結果、電源状態は良かったのではと、思います。
音も、すっかり落ち着いた音を出しています。
エージングでさらに落ちついてくると思います。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。