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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

オーディオと電源回路 (ナカミチ X-Over EC-204 改善)

今回は、ナカミチの2Way クロスオーバの電源の改善を綴ります。

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EC204電源改善

ヘッドユニットに2Wayのクロスオーバ内蔵のモデルが増えていますが、根強い人気の純アナログクロスオーバ EC-204です。ヘッドユニットでの調整が細かく出来ないのと、DSPの違和感を気にされる方に、人気のアナログクロスオーバです。

当時、カーオーディオでは、名機として、知られており、現在でも通用するクロスオーバですが、OpAmp等を最新のタイプにして、楽しむことも出来ます。


ですが、OpAmpを交換する前に、電源を確認して置きたいと思います。

 

 

電源ブロック図

簡単なブロック図を書いてみました。

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EC-204電源ブロック図

 

✦一次側測定

早速、現状の一次側を測定してみました。

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一次側 標準波形

100mV以下なので、そんなに悪くないですが、スパイクが気になります。

✦一次側(電源コンデンサ交換)

電解コンデンサを470uFを電源様の低ESR470uFに交換してみました。

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一次側(電源様 低ESRコンデンサ改装)

リップルが約半分の30mV以下になりました。

これでも十分ですが、スパイクが気になりますので、チップセラコンを追加してみます。

✦一次側(電源コンデンサ+チップセラコン)

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一次側(低ESR電解コン+セラコン)

リップルが約1/5の10mV以下になりました。

高周波もなくなり、一次側では、上棟な仕上がりです。これなら微細なOpAmpへの影響も、気にしなくて良いでしょう。

✦二次側測定

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EC-204 電源ブロック図82)

二次側も同じように測定してみます。

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二次側 電源標準状態

そこそこ、DC/ACの振幅が見られますが、40mV以下で、後段にコイルが入っていますので、そんなに気にする必要は、ありませんが、念の為コンデンサを一次側と同じように交換。

✦二次側(電源コンデンサ交換)

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二次側電源(低ESR電解コン改装)

ほとんど、リップルがなくなりました。優秀です。

470uF/16V(MUSE)から 電源用 470uF/35Vに変えただけですが、効果抜群です。

この470uFのMUSEを測定したところ、容量低下していました。(400uF以下)

やはり、30年経っていると、電解コンデンサは、どうしても劣化してしまう ようです。

ちなみに、高周波様のセラコンは、後段にコイルがあるので、セラコンは、その後に追加することにしました。

✦OpAmp 電源状態

では、OpAmpの電源は、どうなっているでしょうか。

これは、元電源の改善する前の状態です。

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OpAmp電源状態
✦OpAmp電源(元電源改善後)

元電源を改善すると、OpAmpへのノイズも変化していました。

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OpAmp電源(大元電源改善後)

だいぶ、良くなっていますが、まだ高周波が載っています。

OpAmpの直下にパスコンが装着されていないので、致し方ないですね。

✦OpAmp電源(パスコン追加)

おまじないで、OpAmpの電源にパスコン(0,1u)を装着してみます。

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OpAmp電源状態(パスコン追加)

満足のゆく結果です。

これで、最新のOpAmpを装着する準備が出来ました。

✦まとめ

ヒアリングすると、音がクリアになったと感じることができました。

またOpAmpをその後OPA1652に交換することで、音の解像度があがり、クロスオーバを信号ラインに介すデメリットよりも、ラインのインピーダンスが低減することのメリットで音が良くなったように感じるから不思議です。

ヘッドユニットのクロスオーバに疑問を持たれる方、もう少し細かな調整がしたい方EC-204も選択肢として、考えてはいかがでしょうか。

ちなみに、本EC-204は、オークションで出品中です。

(めったに出ませんので、出品中の時は、お早めに)

 

よりすぐりのナカミチアンプたち)

 

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