Fujitsu TENの4chアンプにやっと手を付けれることができました。早速状態を確認してみたところ、Ach側がノイズが大きく、なんと、GNDが接続されていないことがわかりました。しらべてみると、ボリュームの交換が原因だったのですが、その訳とは。
はじめに
このアンプは、80W x4chの余裕のあるアンプです。
- 80W×4/80W×2+180W/180W×2
また、初めて見る、AchとBchの電源が完全独立構成になっています。
電源を別々に配線することで、チャネルごとの影響をさらに小さくすることが可能です。
基板構造
基板構造は、しっかり考えられており、チョークコイル(写真右下)からすべてAchとBchが独立になっています。
本アンプ状態
いわゆるチューニングアンプで、OpAmpや、ゲインボリューム、コンデンサが交換されています。
ノイズ対策として、セラミックコンデンサやフィルムコンデンサが追加されています。
後で、効果を確認してみましたが、もっと良い方法へと変更しています。
測定をしないと、せっかくの対策が意味がなさないことがよくあります。
電源状態
電源の状態を観測してみます。
入力/一次側
入力と一次側を確認してみました。
入力側は、インダクタの効果で、緩やかなリップルです。一次側は、多少ノイズが見られます。
二次側
二次側は、チョークコイルが効力を発揮しています
かなり良好です。
出力信号
出力を確認したところ、なにか問題がありそうです。
Achのノイズが大きく観測されます。
修理
調査をしたところ、AchのGNDが何故か、つながっていません。
調べた所、どうやらシールド付きボリュームをシールドなしのボリュームに交換したのが原因でした。
オリジナルのシールド付きのボリュームは、両側の端子がシールドで、その両端を介してGNDを接続していました。
それを知らずにシールド無しのボリュームに交換してしまい、、シールドで接続されるべきGNDが切れてしまったのが原因でした。
ボリュームだけでなく、シールド付きのスイッチなども、そのような配線がされている場合があります。部品の取り外しや、交換の際には注意が必要です。
ボリューム配線やり直し
ボリュームの配線が心もとなかったので、やり直ししました。
きちんと収縮チューブで絶縁、耐久性を向上させました。
シールドの代わりに、ポリウレタン線で接続し、近傍のオーディオ用に交換されていた抵抗も、凸凹でしたが、きちんと、整列させました。
修理確認
さて、出力波形がどうなったでしょうか。
きちんと直りました。
高調波対策
さて、一次側のノイズが多少大きかったのです、オリジナル状態にもどして確認してみみましょう。
準オリジナル状態
電源を電解コンデンサだけにして測定してみました。
オーディオタイプの4700u/16Vですが、さて、これを、いつもの超低ESR電解コンデンサにしてみます。
電源用電解コンデンサ
高周波数の低減で効果があると考えられるので
たしかに、スパイクノイズが低減するのが確認できました。
ピアニシモ仕様
ここに容量を厳選した、チップセラコンを付けます。
これで、いつもの状態になりました。
一般的な改造の場合
一般的に、0.1uF等や、組み合わせで対策しますが
どうしても、スパイクが落としきれていないのが分かります。
もし、測定しているのであれば、両方10uFにしているはずです。
つづく
さて、電源の一次対策もおこないましたので、続いて二次の確認やOpAmpの電源、
OpAmpの交換や、カップリングのコンデンサ等を検討して、ピアニシモ仕様にカスタマイズしたいと思います。
おたのしみに。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。