前回、2ch動かなかった、ピュアアナログアンプのSound Stream Contenuumを修理。
今回は、高調波対策を施しピアニシモに仕上げます。
おさらい
解析に時間がかかりましたが、出力が出ない原因は、出力トランジスタの損傷により、BIAS抵抗が破損、また、電圧増幅部の抵抗も損傷していたことによりました。
影響は、大きく、2chの殆どのトランジスタまで及び、トランジスタと抵抗をこのチャネルすべて交換して修理。
また、二次側の大きめの電解コンデンサも寿命のため膨らみ始めていました。
接触不良のスイッチも交換
時間はかかりましたが、しっかり修理完了できました。
カスタマイズ
何時ものように、電源の高調波対策を施します。
一次側
このアンプの一次側は、1000uF x24と低ESRの設計です。その設計の意図を活かし、スイッチング素子近傍に高分子、1000uFは、さらに超低ESRの1000uFに交換、
入力近傍は、3300uFをダブルに搭載、こだわりの電源に仕上げました。
リップルを効果的に抑えることができました。
二次側(SW用)
二次側のサブウーファ用には、高分子とチップセラコンを追加
半分の10mV程度に抑えることができました。
二次側(ノーマル出力用)
ノーマル側にも、高分子とチップセラコンで
抑え込みました。
二次と一次のGND接続
カーアンプのGNDは、各メーカで考えた接続を行っています。
一次と二次の電源のGNDは、大きめの抵抗で接続されていましたが、今までの経験で値を若干変更しています。
これにより、高調波ノイズを抑えることができます。
高調波がショートループするように考え、コンデンサも追加しています。
その他カスタマイズ
その他、細かな点も
- カップリングの無極性化
- 電解コンデンサ交換
仕様回路により高分子や、低ESR品、オーディオ用選定 - OpAmp交換
TL072/074を低歪タイプのOpAmpへ交換
TL072ー>OP275
TL074-> LME69740
出力状態
さて、出力の状態の変化をみています。
サブウーファ出力
電源のスイッチングノイズが少し大きめに確認できましたが
かなり抑えることができました。
サブウーファですので、高域は、ほとんど再生しませんが、ウーファへの高周波電力印加の悪影響も考えられますので、少ない方が良いです。
1,2ch出力
ノーマル出力の1,2chの状態です
高調波対策の効果が確認、もともと良好でしたが、さらに良くなりました。
3,4ch出力
高調波を施し
3,4chは、1,2chとGNDの接続が、異なっているのが判明、合わせて対策して抑えることができました。
周波数特性
仕上がりの確認として周波数特性を確認します。
高域は欲張らず、カマボコ型の容量な特性ですが、20kでもしっかりー1dB以下で良好。
バランスもとても良いです。
まとめ
今回、故障箇所の解析に時間がかかってしまいましたが、なんとか仕上げることができました。
高さが18mm程度が限界で、実装には苦労しましたが、なんとかきれいに収まりました。
外観は、パフがけのこだわり仕様です。
少しヒートシンクの間に腐食が見られましたので、磨き込んでみました。
単純作業の磨きは、少しずつ効果が見えるので、つい、時間を忘れてしまい、結局2日ほど没頭してしまいました。
ヒヤリング
オリジナルの状態を確認できなかったのですが、仕上がった音は、Sound Streamの音で、とてもナチュラルな音がします。ながく、ゆったり聞き入ってしまいます。
クロスオーバの設定もとても使いやすく、かつ、音の劣化を感じさせず、とても優秀と感じました。
前回の修理の状態は
SoundStream Contenuum カスタム・メンテナンス ① - pp audio blog
その他のSound Streamの Reference300の修繕の内容は、下記よりご覧いただけます。
SoundStream Reference300 カスタム・メンテナンス ① - pp audio blog
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。