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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

SoundStream Contenuum カスタム・メンテナンス ①

ピュアアナログアンプのSound Stream Contenuumが流れ着きました。

2ch音がでないとのことです。きっちり直してピアニシモ仕様に仕上げてみたいと思います。

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はじめに

75W x4ch +300Wx1chのカーオーディオに特化した仕様です。

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クロスオーバもも内蔵され、2Way・3Way切り替えや、サブウーファのLPやブーストも設定できます。

このアンプだけで、音作りがほとんどできるように考えられています。

状態

早速中を開けてみ見ます。

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よく見るといくつかの部品に損傷があることがわかります。

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BIAS用の抵抗や焼けており、電力用電解コンデンサが膨らんでいます。

故障チャネル修理

最初にBIASの抵抗を交換しましたが、案の定、過剰電流が流れ、出力トランジスタが損傷していることがわかりました。

このチャネルのバランスを取るために、出力トランジスタも交換です。

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同じトランジスタの入手が難しく、仕様が同等のトランジスタが見つけることができ、交換です。

 

トランジスタ交換で異常電流は流れなくなりましたが、音がまだちゃんと出ません。

設定用切り替えスイッチが接触不良発生しているのがわかりました。

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分解してみると、サビが結構顕著で、接点の腐食も研磨ではきれいになりませんでした。

同等品が見つかりましたので、新品へ交換です。

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交換し、動作するようになったのですが、1chだけ、正常な波形が得られません。

色々調査してゆきましたが、なかなか、原因がみつからず

 

時間だけが過ぎてゆきます

 
電圧増幅部修理

このアンプは、プッシュプルの回路になっています。電圧増幅部が小さな基板を用いて、その後電力増幅段へ接続されています。

この基板を交換すると、該当チャネルが動作不能になります。

どうやらこの電圧増幅部が問題なのですが、トランジスタをすべて外し確認、交換しても治りません。

 

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よく基板を確認すると、抵抗がわずかに焼けているのがわかりました。

抵抗値を測定してみると、500Ωが数kΩになっています。

抵抗を交換、やっと修理が完了です。

状態確認

アンプがきちんと直ったので、アンプの電源状態等を見てみました。

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電源回路は、一般的なプッシュプルのスイッチング電源です。

二次の電力は、サブウーファ(P1)とノーマルチャネル(P2)の二系統にわかれています。

サブウーファの回路は、ブリッジ出力になっており、GNDは使用しない回路になります。

一次側

一次側には24個のコンデンサがつかわれております。

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その効果で、20mV程度の電圧変動に抑えられています。

二次側(SW用)

二次側のサブウーファ用は、電解コンデンサがダブルで装着されています。

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リップルも小さく抑えられています。

二次側(ノーマル出力用)

ノーマル側は、正負に1個つずつの電解コンデンサが割り当ててています

 

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多少大きめに見えますが40mV程度なのでとても優秀です。

出力状態

出力の状態を見て、アンプの素性を覗いてみましょう。

サブウーファ出力

ブリッジ出力になります

 

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少しスパイクが大きめですが、100mV以下なので、優秀なレベルです。

1,2ch出力

ノーマル出力の1,2chの状態です

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このチャネルは、とても優秀ですね

3,4ch出力

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同じノーマルチャネルですが、このチャネルは、少し高調波が大きめです。

その原因は、後でわかりました。

つづく

ノーマル状態に復帰したので、これよりピアニシモ仕様にカスタマイズしてみたいと思います。

少しチャネルごとで状態が異なる要因も解明して、きっちりピアニシモ仕様へと。

 

 

 

その他のSound Streamの Reference300の修繕の内容は、下記よりご覧いただけます。

SoundStream Reference300 カスタム・メンテナンス ① - pp audio blog

 

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

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