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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

振動アイソレーションアンプ 100PA カスタム・メンテナンス

ナカミチカーオーディオファンの方でもなかなか入手できない100PA。
状態がわからない機体を入手されたところ、音が出たり出なかったりと、不安定。
当方にても、最初はきちんと動いていたのですが、突然電源が入らなくなってしまいました。

リモート回路が問題であることおもわれ、早速解析し、ナカミチの魂を開放してみたいと思います。

はじめに

100PAは、4chの50W十分なパワーを有したアンプ。OpAmpを使っていないフルディスクリート構成。

スペックよりも音に拘った設計思想に見受けられます。価格は、中古品でもPA-304の倍以上するようですが、たしかに、その価格に見合う音が流れてくると感じます。

仕様

100PAは、振動アイソレーションを採用しており、ボディもPA-304よりかなり重厚になっており1kgも重いです。

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アンプ回路だけでなく、車載されることを考慮し、しっかりと対策しています。

内部状態

早速底板をはずしてみると、

少々温度が高そうな痕跡があります。しかしながら、基板には焼けはありませんので、許容範囲内です。

本100PAの電源状態は、とても良く、

コンデンサ等の液漏れは確認できませんでした。

 

状態確認

アンプの状態を確認してみます。

出力波形

微小信号を確認すると、

多少高調波は、確認できますが標準的な状態です。

故障解析

しばらく、通電して動作確認していると、電源が入らなくなってしまいました。

リモート制御系を司る、Tr、素子を単体でチェックしても、明らかに破損している部品が見つかりません。

回路図も入手困難ですので、やむなく、基板のパターンから、回路図を起こして

解析してみると、故障Trがわかり、交換して無事、修理完了です。

 

カスタム・メンテナンス

今回は、ピアニシモカスタムと、高分子のカップリング仕様でメンテナンスします。

  • 電源高付加コンデンサ交換
  • 一次、二次の高調波対策
  • アンプ基板供給電源経路の高調波対策
  • アンプ基板電源用コンデンサ交換
  • GND接続係数の見直し
  • ブリーダ抵抗の容量アップ
  • プリアンプ電源の強化
  • カップリング 高分子コンデンサ
  • Gain VR、密閉型

音声増幅回路は、カップリングを高分子へ交換し、歪や交流の非対称特性を改善します。この効果は、測定では、高周波数特性の改善で僅かですが、確認できますが、それ以上に歪み感の改善がはっきり確認できます。

電源一次側

少し拡大していますので、大きく見えますが、200mV程度でとても優秀な状態になりました。

二次側(電力)

標準でも、優秀な電力用電源状態ですが

電解コンデンサ交換、チップセラコンを追加し、改善。

二次側(電圧)

スパイクが少しみられましたが

チップセラコンで抑えます。

音声出力

僅かな高調波が確認できた出力ですが

正弦波がはっきりとわかるようになりました。

高調波対策とGNDの接続係数の変更による効果です。

まとめ

今回の100PAはリモート回路に問題があり、解析に少し時間がかかりましたが、原因を突き止め、きちんと修理。その後、高調波対策を施し、ナカミチのアンプ回路の性能を十分発揮できるコンディションに仕上げました。

大きな素子を無理に装着せず、実用的かつ、高性能、高寿命にまとめています。

周波数特性

周波数特性もカマボコのとても良好な特性です。超高域を無理に引き伸ばすことなく、低歪で、音楽のニュアンスを再現してくれることでしょう。

 

もし、アナログのカーアンプに魅せられる方は、ぜひ、一度この100PAを試してみてはいかがでしょうか。

 

外観も清掃を施し、

端子を磨き上げ、端子ネジ交換して、完了です。

 

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