懐かしい8トラックのテープを使ったエコーユニットのメンテナンスの機会に恵まれました。プリアンプだけを使うために、余計な配線をカットしてしまったところ、音が出なくなってしまったとのこと。
オリジナルの配線の状態もあまり明確でないですが、なんとか直してみたいと思います。
基板の解析もして、独特のプリアンプの音を引き出すことができるようになるでしょうか。
はじめに
現在ではデジタルエコーで任意の遅延時間、音量、リピートを設定できますが、当時は、テープに録音、再生を行い、エコーを作っていました。
遅延時間は、テープスピード、リピートは、再生のミックス量で調整していました。
(このEcho Chamberはテープスピードが、フット・スイッチで行うようです)
ブロック概略図
このエコーユニットは、2枚の基板とテープユニットより構成します。
テープユニット
少しわかりにくいのですが、右からカセットを入れます。
ヘッドが2つほど、見えます。
8トラは、スピンドルのゴムローラがカセット側についているので、回転軸(フライホイール)のみになります。
基板構成
基板の裏側ですが、2枚構成になります。
エコーユニット解析
配線も切断されているため、現状音がでない状態です。はじめに各基板の基板仕様を大まかに把握するために、配線パターンと部品の関係を確認してみました。
エコー基板
基板の写真を反転して、パターンと並べて大まかな回路を解析します。
電源は、14.5Vの単一仕様で、アンプには、トランジスタを使っているシンプルな構成です。
アンプ回路は、3つありそうです。
トーン基板
トーン基板も同じ様に
FrontのInputはトーン回路を介して一旦出力されています。
それとは別に、バッファ基板があります。
接続復元
ケーブルが切れていますが、その種類等でオリジナルの状態を復元してみます。
少しわかりにくかったのは、背面のPA からの入力ジャックで、ジャックを挿入すると、トーン回路の音声(楽器)から切り替わるようです。
電源状態確認
カスタマイズする前に電源の状態を確認しておきます。
半波整流で、2段で電源を安定化しており、電流が少ないのでとても変動が小さな良好な電源です。
慌てて電源をリフレッシュする必要はなさそうです。
ビンテージなので、まずは、オリジナル状態の復元からです。
回路解析
さて、どの様な回路になっているか、しらべてみました。
かなり、解析を難しくしたのは、PA INの働きと、エコーボリュームの仕様でした。
なんとか、接続先を解明、復活できました。
オリジナル仕様
- フロントのINPUTはトーンコントロールが働く
リアのINは、エコー回路へ直接接続 - Echo Vol.は全体の音量調整
エコーのボリュームはなさそうです。 - VOCAL & PA INのジャックを挿入時、エコー音のみ出力
PAでMIXするので、エコーの音のみ出力される仕様ですね。 - RCA Outはモノラル
- テープスピード制御はFoot SW?
これは想像ですが、電流が小さなモータなので、巻線ボリュームで調整でしょうか。
カスタム仕様
今回、メンテナンス、カスタマイズするのですが、プリアンプの音を優先します。
Phoneジャック交換
まず、接触不良を回避するため、なるべくならジャックを交換しておきたいです。
ですが、ジャックのSWが一回路にて対応する必要があります。
今回は、エコーの利用の優先が低いので、PA INでもエコーとMIXするようにします。
プリアンプ検討
各段のプリアンプの違いが確認できるようにできるか検討してみました。
これにより入力のジャックと出力で様々なアンプの効果が確認できます。
つづく
テープを用いたエコーユニットは、シンプルな回路ですが、それ故、トランジスタの素性による音が楽しめるのではないでしょうか。
特に、楽器のエフェクターとしての効果は、代えがたい物があり、オーバ入力して少しディストーション気味にするのも、いろんな味が出てよいのではともいます。
この状態にて音の確認をしていただくことで、今後の方向性が検討できると思います。
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