DAC-41は、小さいながら、低ノイズ、ワイドレンジということが前回の測定で見えてきました。今回は、いよいよカスタム・メンテナンスに進みます。末永く使って頂けるようにメンテナンスしたいと思います。
前回のおさらい
DAC-41の出力波形を観測したところ、高調波ノイズ等が測定限界に近いことがわかりました、また、内部の電源の状態も良い状態でした。
いつものように、電源のコンデンサ交換を耐久性の高いものに交換して、改善を試みたいと思います。
電源カスタマイズ
このDAC-41は、レギュレターを中心に電源を生成していますので、電源が発生するノイズはまず気にしなくてよいのです。
一次二次ノイズ
標準的なメンテナンスを勧めてみます。
もともと、ノイズはありませんでしたが、少し容量を増やしてみました。
若干の効果が観測できた感じです。
デジタルICノイズ
標準的な方法で、高分子のコンデンサでデジタルノイズは、概ね収まります。
狙い通りなのですが、なにか気になります。
デジタルICノイズ根源
念の為、ICの電源Pinをしらべ、状態を確認してみました。
当たり前ですが、かなり大きなノイズが観測できました。
これは、いつものラジアルリードのパスコンで対処してみることに
やっと収まりました。これで安心して、次へ進めます。
OpAmp電源
OpAmpは、これもいつものラジアルリードのセラコン追加にて
スッキリしました。
OpAmp選択
ここで、オペアンプの電源電圧を調べてみると単電源10V程度。OpAmpは、もともとGNDピンが無いので、信号レベルにオフセットをかけて、+/-5Vにしているようです。
気になるのは、10Vで駆動しているところです。OPA1652等を採用を検討していたのですが、10Vは、少し低すぎます。オリジナルのuPC7604Cにとっても低いと思いますNJR2122という比較的低電圧5Vが基準のICを今回は採用することにしました。
実際に聞いてみると、歪感が減少し、透明感がアップしたと思います。
ソケット対応していますので、後で交換して楽しめるよう、カスタムしました。
出力確認
一通り整備ができましたので、確認の意味も含め出力波形を観測してみます。
微小信号
上がオリジナルですが
ほんのわずかに改善がみられました。
周波数特性
カップリングを交換していますが、並列の高音補正が入っていましたので、さてどうでしょう。
グラフでは、わかりにくいのですが、低域と広域がわずかに改善されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。小型のDACですが、素晴らしい性能です。
今回も、高調波対策を施しましたので、デジタルノイズを低減、これらの効果により、よい副作用(サイドエフェクト)が期待できると思います。
カスタム内容
ハンダ面は、高調波対策がよく見ると...
いくつ対策しているか、おわかりますでしょうか。
ご 閲覧ありがとうございました。
DAC-41の基本整備は、下記よりご覧になれます。
ナカミチ DAC-41 整備録① 状態確認 - pp audio blog
また、他のDACの測定やメンテナンスも、ご覧になれます。
DAC カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。