ナカミチの小型のDAC DAC-41が流れ着きました。
さて、この小型のDACは、どんな素顔を見せてくれるでしょうか。楽しみです。
早速、見てみましょう。
はじめに
ナカミチのDACの中でも 本DAC-41は、最小ではないでしょうか、
小さいながら、二系統のデジタル入力と出力があります。
基板構成
早速、内部を見てみましょう。
オーディオ用の電解コンデンサを多用しています。
基板をよくみてみると
こんな構成になっています。小型ながら、LchとRchを独立構成、妥協しない設計思想が見えます。
出力確認
早速出力の状態を確認してみます。
0dB出力
0dBの波形が実際どの程度の出力になっているか、確認してみます。
多く用いられる基準では、1Vです。
若干大きめの1.1Vが確認できました。
微小信号(-60dB)
微小信号で、ノイズがどの程度抑えられているかが見えてきます。
なかなか良好です。
微小信号(PC DACとの比較)
いつものPC DACとの比較を行ってみます。
レベルは少し小さいですが、同等のノイズレベルです。
オリジナル状態でこのレベルは、良好ですね。
GNDオープン?
じつは、測定していると、オシロスコープのGNDとDACの電源GNDを接続しないと安定せず、こんな波形に...
GNDパターン補修
基板を取り出し、確認してみると
RCA出力のGNDの配線パターンが焼ききれています。
やはりGNDが不安定でした。さっくり、修正します。
ポリウレタン線で接続し、カプトンテープで固定しました。
これで、GNDを接続せずとも、きちんと波形が測定できるようになりました。
電源状態
さて、電源は、どの様な状態でしょうか。
このDACは、レギュレターで電圧を安定させているシンプルな電源であることが分かりました。
片電源ですが、スイッチング電源のノイズの驚異から無縁で、小型のDACでは、良い選択と言えると思います。
電源ノイズ
電源ノイズもみてみました。
レギュレターですので、ノイズは、ほぼ観測できません。
デジタルIC電源ノイズ
一方デジタルICの電源は、そのスイッチングノイズが生じることが分かっています。
デジタルIF電源ノイズ
確認してみると、多少観測できますが、とても良好です。
(じつは、デジタルの入力信号を印加しての、動作状態の電源ノイズです。)
DA関係IC電源ノイズ
OpAmp電源ノイズ
念の為OpAmpの電源ノイズも確認してみました。
多少観測できますが、素晴らしい特性です。
周波数特性
念の為の為周波数特性を確認してみました。
分解能のげんかいまでフラットと言って良い能力です。
つづく
DAC-111に続くDAC-41ですが、立派な特性であることが分かりました。
電源のパターン溶断がありましたが、致命的な損傷ではなく、簡単に修繕できたのは、幸運だったと思います。
動的ノイズでしか確認できないほど、優秀でしたが、さて、改善は、どこまでできるでしょうか。
どうぞお楽しみに。またの、お立ち寄りをお待ちしております。
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メンテナンス完了しました。下記より続編ご覧になれます。
ナカミチ DAC-41 整備録② カスタム・メンテナンス編 - pp audio blog
これまでのDACの測定やメンテナンスは、下記よりご覧になれます。
DAC カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。