今では、なかなか見かけられなくなった黒アンプの中でもPA-200は、とても貴重です。
当方でも一年以上出会えませんでした。
その中でもPA-200は、小型、シンプルで入門から、ハイエンドのMID/TWへのマルチアンプ構成まで活用できます。フルレンジを謳歌するには、ぴったりです。
小型アンプを、軽く見がちですが、一般的な音量は、ちょうどこのアンプの出力容量(30W)ですので、美味しいところで鳴らすことができます。
はじめに
ナカミチのパワーアンプのラインナップでPA-200を比較してみましょう。
PAシリーズの黒アンプから銀アンプなかでも一番小型軽量。
歪や、周波数特性は、最高スペックを誇っています。
外見
入手時は、多少清掃が必要でしたが
黒をシャシーブラックで再塗装し、しあげてみました。
なかなかきれいな仕上がりと。自己満足ですが。
ラベルが剥がれていましたので、
再制作して、外観は完成です。
修繕
入手当初は、立ち上がりませんでしたが、制御系のコンデンサが経年変化で壊れていたので、交換。正常に立ち上がることができました。
出力波形
最初に微小信号を観測しておきます。
少し大きくしていますので、スパイクが気になりますが、一般的な状態です。
カスタム・メンテナンス
カスタムは、電源系のコンデンサを最新のマテリアルの更新するところから始めます。
音声回路は、なるべくオリジナルを活かしたいと思います。
- 電解コンデンサ
電源用の低ESRのコンデンサと高分子の組み合わせ。
容量は、極端の大きくせず(MAX倍以下) - 高調波対策
スパイクノイズをチップセラコン等を用いて抑えます。 - OpAmp電源
OpAmpの電源には、コンデンサを付けられる様になっていますので
高分子コンデンサを装着 - OpAmp
電流の小さめなOP275を装着
シンプルにまとめ上げます。
カスタム確認
いつものように電源の状態を確認します。
一次側
コンデンサの容量も抜けがあり少し変動が大きいですが
最新のマテリアルといくつかの追加で、抑制します。
二次側(電力用)
スイッチングが均一でなかったですが
きんいつになり、スパイクも抑えることができました。
二次側(電圧用)
電圧は、後段にコイルが入っていますので、高分子コンデンサを装着してみました。
電力が小さいので、とても効果的にリップルをへらすことができました。
OpAmp電源
まとめ
さて、基本の微小出力を観測してみます
きっちり抑えることができました。
周波数特性
PA-200のカップリングは、少し小さめのコンデンサでしたのでフィルムコンデンサに交換
10Hzまで-1dB以内に抑えることができました。
PA-200を基本的なメンテナンスを行うことで、フルレンジを謳歌するためのアンプにすることができます。なかなか手に入らないですが、見かけたらぜひ手にしてみてください。これらの小さめのアンプを十二分に活用できる技術は、基本でとても重要です。
マルチアンプやモンスター級のアンプを使うときにも使える技能をきっと養ってくれることでしょう。
PA-200は、小型、シンプルですので、ぜひ、見かけたら手にしていただきたいアンプです。
もちろん、メンテナンスは必要ですので、ぜひ、当方まで、お声がけください。
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カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用した機器
DAC(D10)
測定用にはD10というDACを用いています。
現在は、後継機のD10Sがあります。
正弦波もとてもきれいです。
オシロスコープ(SDS1102)
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。