ナカミチの振動アイソレーションシリーズの100DACのメンテナンスに恵まれました。
しっかりメンテナンスして、末永く使えるようにしてみたいと思います。
はじめに
100DACは、振動アイソレーション及び、電源もアイソレーションされていることが分かってきました。
仕様
現在のDACに比べると、サンプリング周波数は少し低めですが、実測22kHzまで対応していますので、他のスペックを考えるとても魅力的です。
外観
外観は22 x 17 x7cmと 現在のDACに比べると大きめ、質量も2kg程度あるでしょうか
底板はシンプル
コネクタも電源とDigital InputとRCA Outputのシンプルな構成です。
状態
それでは、早速状態を確認してみます。
内部状態
内部は、二階建て構造。
分離してみると。
電源のシールド板が腐食しています。
これは、ゴムのガズによるもので、いつもの状態で、致し方ありません。
早速、防錆処理を施します。
ダンパ-の粘着剤を剥がし、サビをブラシで落としてから、
水研ぎ研磨後、プラサフ防錆し、シャシーブラック処理しました。
電解コンの液漏れ
これも、どうしても、この頃の機器は避けられない問題です
少し液漏れがありましたが、腐食まで至っていませんでした。交換して、防錆処理したシールド板で仕上げました。もちろん、絶縁シートも取り付けます。
出力状態
出力状態を確認します。
少し高調波が見られますが、100DACの標準的な良い状態です。
電源状態
100DACの電源は、D/A用(上基板)とS/P(下基板)の電源に分かれ、完全アイソレーション状態です。
電源状態(一次側)
これも標準的な状態で、故障等の問題はありません。
二次側(DA用)
とても良好な二次側は
標準的な状態です。
二次側(S/P DIF用)
同じ様にデジタル側も確認します。
同等の標準的な良好な状態です。
カスタマイズ
今回のカスタマイズはフルオプションにて行います。
- 電源メンテナンス
電源用電解コンデンサを電源用長寿命、低ESRに。さらに容量アップも - 高調波対策
電源は、いつもの高分子及びチップコンデンサを用いてリップルを抑制 - デジタルIC
デジタルICの電源は、チップセラコンを追加します。
特にDACの電源には、一つずつ 取り付けます。 - OpAmp
OpAmpはパスコンを追加し、muses03を装着し100DACに息吹を与えます。 - RCAコネクタ
重厚なタイプと交換します。
(取り付けプレートに取り付け、メンテナンス性は維持します。)
このコネクタの挿抜感触は、一度体験していただきたいと思います。
電源(一次側)
いつものようにピアニシモ処理を施します。
安心できる状態になりました。
二次側(DA用)
良好でしたが、少しスパイクが見られましたが
しっかり抑えることができました。
二次側(S/P DIF用)
同じ処置なので
同じ様に良好な状態です。これで安心です。
まとめ
カスタマイズの確認として周波数特性を観測します。
周波数特性
帯域ギリギリまで、驚くほどフラット。
音声出力
音声出力も念のため確認します。
わずかに改善しているのがわかります。ここまで上位機種だと、なかなか、改善効果を観測するのは、難しいです。
OpAmpをmuses03に交換下にもかかわらず、高調波のノイズも見られません。
基板仕上がり
カスタマイズ後の仕上がりも合理的で安心感があることを心がけています。
決して、性能は妥協せず、ベストな選定を行い施工しています。
RACコネクタ
RCAのコネクタも交換し
一段と高級感が出てきました。
このRCAコネクタは、削り出しでしょうか。重厚で、とても安心感があります。
何と言ってもその装着感。
安心感と、引き抜いたとき、ワインのコルクを引き抜いた時のような音と、感覚。
ぜひ、一度体験してみてください。
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この100DACには、たくさんデジタルICが装着されています。詳細はお見せできないのが残念ですが、一つずつ、丁寧に高調波対策を施します。それにより放射ノイズを抑制することができ、音声信号を余すことなく出力するのに役立っています。
DACは、デジタルですが、最終はアナログですので、必要以上ということはありません。気を使えば使うほど、アナログが澄んできます。
これほどmuses03を活かす機器には、出会えません。
サンプリングが現在のDACに比べると少し心もとない感じもしますが、奏でる音は、出会えた方のみ、楽しむことができます。
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これまでのDAC
また、今まで測定した、DACは下記よりご覧になれます。
DAC カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。