小型のアンプ 3541が流れ着きました。小さいですが、何故か電流が大きめ。
なんとヒューズは25Aを装着しています。
さて、どんなアンプなのか、どんな音を奏でてくれるのか、楽しみです。
はじめに
24cm x18cmの小型サイズにマッドブラックのヒートシンクを纏った高級感のある外観
50kHzまで-1dBの超絶なスペック。、出力は、ピークで200Wを絞り出します。
電流がアイドルでもPA-202は10W程度に対して、20W。放熱のよいセッティングになるよう気をつける必要があります。
状態確認
さて、どんな特性でしょうか。
微小出力
いつもの微小信号をみてみましょう。
とても優秀な特性です。コモンノイズの影響でしょうか、よく見ると、ほんの僅かに高調波がみえますが、とてもきれいな波形です。
電源(一次)
電源の状態をいつものように見てみましょう。
電源回路は、Trを用いて、入力にフィルタを装着しています。
出力も二段構成で、スイッチング電源のノイズ対策が施されています。
一次側のリップルも200mV以下ととても優秀です。
二次側(初段)
初段は、どうでしょうか
通例はスパイクが目立つのですが、ほとんどリップルが見れられません。
二次側(二段)
カスタマイズ
とても優秀ですが、しっかりピアニシモ・カスタマイズ行いたいと思います。
- 一次側
1000uFx2 を3300uFと高分子の組み合わせ。
さらにチップセラコンで抑えます。 - 二次側
低ESRの電解コンデンサとチップセラコン - アンプ側
出力段間近に電解コンを装着 - GND接続
GNDの接続の定数を変更します。
コンデンサも並列に装着。コモンモードノイズ対策を施します。
一次側
大きな電解コンデンサに交換してしまうと、高周波の変動は、大きくなってしまうことがありますが
高分子コンデンサとセラコンにより、1/4以下にすることができました。
二次側(初段)
もともと10mV程度でしたが
鋭角な波形を落とし、高調波を抑制します。
二次側(二段)
二段目は、ほとんど測定限界に近いですが
理想状態になりました。
まとめ
このアンプは、Duo-βを装備しているというより、この小さいボディから100W x2を引き出す為の丁寧な電源がその音に表れれていると思います。
また、アイドル電流の大きさも、小さな音、ピアニシモを大事にする、当方のコンセプトと同期しています。
出力波形
出力波形に高調波対策の効果を確認します。
わずかですが、良くなっていますね。
周波数特性
念のためになります。周波数特性を見てみます。
やはり、素晴らしい特性です。
実装も末永く使えるように実用的まとめました。
外見は、少しコスメし、しっとりとしたフラットブラックに
ゲインボリュームは、交換し、ガリとは無縁に
底板は、処理鋼板を防錆処理の上、シャシーブラックで、シボに近い仕上げにしました。
こんな処理は、過酷な車載に重要な処理です。大事な回路を腐食からまもり、Duo-βの音を奏でるためには、音には関係なさそうな外装にも手を抜かず、丁寧に施します。
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さすが、日本のアンプです。しっとりと歌ってくれますね。このDuo-βは。
アイドル電流の大きさによりピアニシモをしっとりと、それでいて100W x2のピークパワーで、パーカッション等も難なくこなします。リファレンスのアンプと言ってよいでしょう。
評価レビュー
スタジオで音楽制作をされている方に、レビューを頂きました。
**レビュー**
アンプ(ALPINE)
LRスピーカーの間に立ち上がっていた音の像の厚みが整理されて、音の塊だったものが骨格メインになってスッキリと空間が見通せるようになった感じ。味わいというか、温かみみたいなものとは違うテイスト。かなり印象はドライで、音像も大きいダイナミックな音ではないけれど、音の聞こえ方がとても立体的で好印象。
音同士の定位や空間表現の精度が高い感じ。アンプの存在が消えたような爽快感が不思議とある。
このアンプで聴くと、いままでは様々な音域の音が、お互いに干渉しすぎていたのかもという気になる。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。