PA-350の電源の修正を調べてゆくと、どうやら、スイッチングトランジスタの誤動作の対策であることが、前回わかりました。
さて、今回は、それを別の対策を施してうまく動作するか確認してみたいと思います。
はじめに
メーカの対策
スイッチングトランジスタが誤動作するために積分回路を追加リワークしていました。
回路図状態
手元にある回路図通りに、元に戻すと
二次側のGND(シグナルGND)と一時側のGNDの電位が変化するため、トランジスタが同時のONしてしまい、貫通電流が流れてしまします。
ツェナーダイオード対策
シグナルGNDと電源GNDの電位は、ダイオードで接続しているので、基本的には、VF約1V程度以下であるため、ツェナーダイオードで制限してあげれば、対策できると考えました。
Base波形確認
早速Trのベースの波形を確認してみると
うまく対策できた模様です。
プッシュプル電源波形
念の為、一次側のトランスに印加されるプッシュプルの電源波形を観測してみます。
メーカ対策
オリジナルの改造をもう一度。
ベースの電位が0Vに落ちきらずに、Trが完全にOFFになっていないように見えます。
また、実際のトランスの印加電圧も、オフの波形にグリッジがあるのがきになります。
ダイオード対策波形
ベースの波形は、きっちりオフになっています。
それにより、立ち下がりが早くなっているのがわかります。
しかしながら、グリッジは、無くなっていません。オフのスピードが早くなっているので、効率は、若干良くなることにはなるのですが。
つづく
本来の目的は、理想のスイッチング、プッシュプルの制御にさせて、電源の効率を上げアンプの動作を安定、出力アップを目的としています。
どうも、グリッジ現象は逆起電圧が起因していると思い、ベースのオフのスピードを早くすべきではと、考えています。
現代では、下記のような回路が一般的ですが、少し改造が大掛かりで現実的にではなさそうです。
そこで、スイッチング素子を、FETにして、どこまで理想に近づくか試してみたいと思います。近々、お届けできるように、頑張ってみます。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。