ナカミチの初代のカーアンプ(黒アンプ)は、いまだファンの多いアンプです。PA-350もそのうちの一つですが、内部を覗いてみると、苦労の痕跡を目にすることができます。
色々測定や試験をすると、その要因が解ってきました。その内容とは。
はじめに
カーオーディオのパワーアンプは、供給電源が14V程度の為、10W以上になると、どうしても、DC/DC電源が必要になってきます。
PA-300には、見られない改造がPA-350にはあります。回路図を見てゆくと、どうもPA-350が最初のモデルのように見受けられます。
メーカ修正内容
回路図上の電源回路は
ですが、基板を確認すると
抵抗とコンデンサの追加修正があります。
回路図に修正内容を書いてみると
何故かスイッチングのOFFタイミングをなまらせる積分回路が入っています。
修正のTr ベース波形
そのまま確認してみると
ノコギリ波見ないな波形です。電源のOFFをゆっくりするとノイズを低減することはできますが、電源の効率と発熱が心配です。
オリジナル回路の波形
修正を外して、オリジナル回路にしてみて、波形を確認してみると
どうもベースの波形がおかしいです。
このベースだと、互い違いにTrがオンしなくてはならないのですが、同時に瞬間的にONしてしまいます。貫通電流が流れ、もっと効率が悪くなります。
誤動作の原因
長い間、誤動作の原因がわかりませんでした。これはメインのスイッチング素子がTrだからかと思い、FET等にしてみましたが、変わりません。
半年以上、不明で、PA-350の改造をあきらめていましたが、ようやくその原因がわかりました。
じつは、一次側と二次側のGNDが分離され、ダイオードで接続しています。
コントローラICの電源GNDは、二次側のSignal GNDで、一次側よりも電位が高くなっています。
電流が大きく流れれるとどうやら、電位が上がり、リーク電流が流れ、TrがOnしてしまうようです。
ツェナーダイオードを入れ、VF以上流れないように対策して、きれいなスイッチング制御波形にすることが、できました。
つづく
さて、これで設計思想の電源回路になったと思います。検証するために、後日電源の動作状態を確認して、またお届けしたいと思います。
ナカミチ 黒アンプ PA-350 35W x4 電源改善 その2 - pp audio blog
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