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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-302 フルピアニシモ仕様 '22-Dec 整備録

ナカミチのカーアンプ PA-302の整備録です。
PA-302は、当方では、リファレンスにしているアンプです。

  • 電源回路独立レイアウト
  • アンプ回路に大型電解コンデンサ搭載
  • シンプルなアンプ回路
  • 出力にリレーの保護回路搭載
  • 2chゆえの、シンプルな回路構成

これらの理由で、リファレンスにしています。
今回は、電源部を極限までピアニシモ化して、音声回路の魅力を引き出すアンプに仕上げてみました。

さらにアップデートしてフルピアニシモ仕様にしあげました。

 



 はじめに

PA-302は、当方のリファレンスに叶う80W x2chの余裕の出力です。

f:id:MatsubaraHarry:20220107154047j:plain

その性能は、出力だけではありません。
以前のブロック接続でもわかるように、アンプ基板に標準1800uF x4のこだわり。

f:id:MatsubaraHarry:20210728134307j:plainこれにより、80Wを存分に引き出す電源になっています。

この構成が、当方がリファレンスとして用いる大きな理由の一つです。

カスタム・メンテナンス

今回は、アンプ回路はなるべくオリジナルで、電源強化にて極限まで、ナカミチの魂を生かしてみました。

電源のカスタムは、この時代でナカミチがもう一度アンプを設計したことを考え、仕上げました。

 

ピアニシモカスタム確認

いつものように、ピアニシモカスタマイズ(高調波カスタマイズ)を行い、効果をみてみます。

入力ノイズ

入力ノイズは、一次側や二次側の対策の相乗効果がみられます。

f:id:MatsubaraHarry:20220107154823j:plain


一次側は、いつもの約0.3V程度になり、とても、良好です。

二次側(電力用)

チョークコイルトロイダルコアに交換、アンプ基板側に大きめのコンデンサを装着できるので初段は、容量を程々にし、高周波数を低減します。

低ESRかつ、小さめの電解と、セラミックコンデンサの仕上げで、20mV程度に仕上げました。

二次側(電圧用)

電圧用は、フィルタが割愛され、スパイク少しありますが、後段に定電圧回路があるので、さほど気にしなくてよいのですが

伝搬しやすい高調波を、チップセラミックでしっかり抑えました。

興味深いのは、トロイダルコイルを交換することで、尖塔が抑えることができます。

OpAmp電源

OpAmpの電源は、これまでの経験の積み上げの仕様で

きちんと、抑え込みます。

 出力確認

最後にピアニシモカスタムの確認として、出力信号を確認し、カップリングを交換します。

微小電圧

PA-302はオリジナルでも優れたSN比を誇りますが、拡大すると少しノイズが見られることがあります。

ピアニシモ・カスタマイズで、きっちり高調波ノイズを抑えることができました。

 

周波数特性

カップリングは、フィルムコンデンサが搭載されています。

容量が4.7uFですが、10Hzでも-2dB以内に押さえてられています。
高域も、程よく抑制しているのがよくわかります。

まとめ

実装は、とてもオーソドックスです。

必要な箇所は、一回り大きな素子に交換し、放熱向上と耐久性をアップしています。
決して、無理に大きな素子を装着せず、カーアンプに必須の耐振動にもしっかり、対応しています。

RCAは、削り出しタイプの重厚なコネクタを装着。

絶縁にテフロン樹脂を使用しており、挿抜のスムーズさかつ確実性を実現しています。

シグナル側のピンは、筒形状になっており、こだわりが感じられるコネクタです。

 

外見もきれいに整備し



正面も、きれいに洗浄

基板の絶縁紙は、新品に交換し



端子も磨いて完成です。


フルカスタム仕様

PA-302は、内部のレイアウトが良好で、今までの総力にてしあげてみました。

 

 

  • muses03D
     孤高のシングルオペアンプのmuses03Dが幸運にも入手できました。
     PA-302の余裕のある出力でその声をきっちり歌ってくれる様にしました。
  • 削り出しRCAコネクタ
     このコネクタは、その装着した瞬間、感覚の違いに驚かれると思います。
     コネクタの内部の絶縁材は、テフロン樹脂で、剛性と挿抜性の両立を実現。
     また、装着後のコネクタの安定感は、体験おすすめです。
実装状態

実装は、実用性を考慮し、無理なくかつ耐久性を実現しています。

ダブルのOpAmpは、エポキシにて振動対策、抜け防止を施しています。

出力状態(微小信号)

最後にもう一度、出力状態を確認します。

とても良好です。

周波数特性

カップリングに高分子フィルムを採用し

低域の改善と高域は、高域補正コンデンサを不要としています。

 

最後に

 

****

このアンプ PA-302は、使い方一つで、びっくりするような音を奏でてくれます。
音声回路は、オリジナルを継承し、電源のピアニシモ化で、本来のナカミチの技術者のゴーストが聴こえてくるようです。

PA-302シリーズは、内部に余裕がありますので、状態のよいPA-302を見つけられたら、ぜひ、手にしてみてください。ご自分で、カスタムしても良いですし、難しかったら、当方まで、お気軽にメールでお願いします。

(迷惑メール防止の為、メールアドレスはプロフィールご参照ください。)

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カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用した機器

DAC(D10)

測定用にはD10というDACを用いています。
現在は、後継機のD10Sがあります。

TOPPING D10s DAC Mini USB DAC XMOS XU208 ES9038Q2M DSD256 PCM 384kHz Hi-Res オーディオデスクトップ オーディオデコーダー (ブラック)

正弦波もとてもきれいです。

 

オシロスコープ(SDS1102)

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102【国内正規品】【メーカー直営3年保証】【日本語取扱説明書対応】

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

 

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