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ナカミチ 100PA メンテナンス (22-1)

フルディスクリートアンプ 100PAのメンテナンス機会に再び恵まれました。大事に使われたことが伺える外見です。
念の為、内部の状態を確認してたところ、やはり一次、二次とも電解コンデンサの液漏れがありました。よかったことに、腐食してませんでした

早速しっかり、メンテナンスしてみたいと思います。

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 はじめに

100PAの魅力

振動アイソレーションシステムを採用した100PA

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シャシーは、分厚いアルミの引き物を使っています。PA-304の倍の質量はあるでしょうか。

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底面は、PA-304と同等です。

内部構造も

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PA-304と同等で、電源とアンプの2枚に分かれています。

よく見てみると、OpAmpが見当たりません。
フルディスクリート構成の、こだわりの設計です。

補修

100PAは、素子のマージンに余裕がある設計で、経年変化のダメージは、少ないのですが、この当時のコンデンサは、液漏のアキレス腱があり、この100PAも残念なことに、影響を受けています。

内部を取り出しみてみても、大丈夫そうでしたが

 

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やはり液漏れが見られました。

 

一次側の方が液漏れが多かったです。

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一次側の電解コンデンサは多少液漏れは多かったですが、腐食はなく、さっと洗浄、部品交換てす。

動作確認

今回は、受け入れコンディションでもきちんと動作したので、オリジナルの特性を測定しておきました。

100PAは、PA-304と異なり電源スイッチング素子にFETが用いられています。

PA-304Sに近いです。

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電源入力ノイズ確認

 

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一次側の波形は、大きく見えますが、0.5Vなので、PA-304の1/10と優秀です。

二次(電力用)

PA-302Sと同じ大型のチョークコイルが装備されているので、

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とても良好です。

二次(電圧用)

電圧用は、スパイクが少し目立つ傾向がありますが

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それでも100mV程度に収まっています。

出力波形

出力の微小波形で、ノイズ状態を確認します。

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少し電源ノイズの高調波が見えますが、とても数mVなのでとても良い状態です。

 

メンテナンス

基本的な動作が確認できたので、耐久性向上を含めたメンテナンスを行います。

ブリーダ抵抗の大型化

どうしても、温度が高くなり、基板が焼けてハンダが劣化、接触不良してしまう抵抗を大きいものと交換しておきます。

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こんな小さなところも、大事なメンテナンスです。

 

一連の基本メンテンナンスが完了です。

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電源入力状態

もともと、良好でしたが、液漏れしていた、コンデンサを交換。

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高分子コンデンサも採用し、半分以下に改善しています。

二次側(電力用)

電力用は、液漏れしていてた電解コンを、電源用低ESRのものに交換

 

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これもはっきりと改善効果が確認できました。

二次側(電圧)

容量を少しアップし、高周波特性の良い電解に交換

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数値では、改善が少し見えました。

 つづく

液漏れを修繕し、オリジナル状態に復刻できたと思います。

お手元にPA100をお持ちの方、基本メンテナンスをしてみては、いかがでしょうか。
液漏れで基板が腐食してしまい、大事なアンプを壊してしまう前に。ぜひ。

 

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もし、アナログのカーアンプに拘られている方は、ぜひ、一度試してみてはいかがでしょうか。

  

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