少し古典的なスピーカですが、タイムドメイン仕様のSGX-TD5をインストール機会に恵まれましたので、紹介したいと思います。
インストールから、かんたんな測定(f特)を行い、調整をして、ゆったり聞かせるシステムを目指したいと考えています。
さて、思い通りにゆくでしょうか。
はじめに
タイムドメインと言う言葉を効いたことがあるかと思います。
伝送経路のインピーダンスを、パルス信号の反射波を測定することで計算する方式ですが、スピーカとしては、物理振動から起因する、反射や、無駄な伝搬を制御することを、意図していると考えています。
スピーカの振動は、空気へ音に変換しますが、同時に、キャビネット等へも伝搬します。この振動は、意図していない為、実際のスピーカの音と混ざってしまい、歪等を生じることになります。この歪を抑えるのがタイムドメインのコンセプトなのでしょう。
一度聞いてしまうとその自然な音の魅力に取り憑かれてしまいます。
SGX-TD5
エクリプスのスピーカは、タイムドメイン理論を用いたスピーカを色々販売しているのを知っている方も多いのではないでしょうか。
その音を一度聞くと、ヌケの良さに、病みつきになる方も多いです。
ppは、ミッドハイというスペックと、歪の少ない音が好きで、愛用しています。
https://www.denso-ten.com/jp/release/2002/200210102.htm
外見は、球形で、取り付けのため、底が少し傾斜にカットされている形状です。実際に手に取ると、ずっしりきます。
標準構成
標準のシステムは、トヨタ純正ナビに4スピーカの構成です。
フロントは、17cmでリアは10cmでしょうか、小型です。
さすがに低音は不足していますが、高域がそんなに歪っぽくなくシンバルの音もそれなりに聞こえます。
残念ながら、ドアマウントなので、どうしても、音場が下の方に。
助手席の有無で聞こえ方も随分変化してしまいます。
SGX-TD5装着仕様(1st)
付属のネットワークや、少しカスタムしたものを使って、フロント側にミッドハイを追加します。
ウーファーのバランスを取りやすくするため、一旦リアをウーファーへつなぎます。
こうすることで、グライコ等ではなくフェーダーでウーファーの音量をコントロールできます。
実はウーファーもあるのですが、すでにフロントのスピーカをカロッツエリアのものと交換しているので、まずは、現状で進めます。
必要部品
- カーナビ 延長ケーブル
ナビの出力ケーブルを傷つけずに、かつ、予備加工が
机上でできます。 - ギボシ端子
圧着機は、ラチェットのついたしっかりした物で。 - スピーカケーブル
ダッシュボードの隙間に通すのでAWG16程度で。 - SGX-TD5
ダッシュボードに固定するのに、ゴムとアルミ板を使用。 - パッシブネットワーク
付属のネットワーク、もしくは100uFのBP電解コンデンサ
スピーカケーブル切り出し
カーナビの延長ケーブルのスピーカラインを真ん中ぐらいで切って
ギボシ端子をつけます。
メス端子は、カーナビ側の”+”、スピーカ側の”ー”が基本です。
カーナビは、ベゼルが爪でかんたんに外せます。4つねじがナビ両サイドにみえますので外します。
ドライバーは、磁化されたものが良いです。内部で落としたら、もう取れませんので。
延長ケーブルにギボシで、スピーカケーブルを接続します。
引き出したスピーカケーブルは、シフトレバー下から一旦引き出します。
ネットワークの取り付け
ネットワークは、端子台に接続するようにして、定数を変更できるようにしています。
シフトレバーのアンダーカバーの裏に端子台を装着して、配線しました。
ネットワークは、付属のもののコンデンサの特性(tanδ)が良くなかったので、museのBPのものと、フィルムコンを並列につけてみました。
フロントドアスピーカ
フロントのドアスピーカは、とり急ぎカロッツエリアのTS-C017Aをつけています。一時的にフルレンジで鳴らすことも考慮し、かつ、コーンの剛性がありそうで、多少低音を無理にドライブしても耐えてくれそうでしたので。
SGX-TD5装着
ダッシュボードの上の配線は、少し厄介です。
ドアのゴムブッシュを外すと、ピラーのカバーが、意外とかんたんに外せました。
カーナビの裏までは、コンソールボックスや、メータの下のカバーが外せたので、手を入れることができ、意外とスムーズに配線ができました。
メータの下のパネル
コンソールボックスの裏
SGX-TD5の固定方法
付属の固定金具もあるのですが、もっと目立たないように、ゴムとアルミ板で作ってみました。
アルミ板は、ダッシュボードの曲面にかんたんになじませられますので意外としっかり固定できます。
こんな感じで取り付けができました。
視聴・調整
今回RTAで測定をトライしてみました。まだ測定方法を色々探っているので、暫定版となります。ご了承ください。
暫定測定
waveGeneで作成したテスト信号を再生して、iPhoneで測定します。
スウィープ波形は、100Hz->2kHz 20kHz->2kHzを作りました。
事前に概ねヒヤリングで、パラメトリック・イコライザーで補正をかけています。
高域は、結構下げてあり(単位は調査中)低域も少し持ち上げています。
茶色が、暗騒音でグレーのピークが今回のf特になります。
気になる点
グラフとしては、良さそうなのですが、低音は足らず、パラメトリックイコライザーでも調整がうまくできず、物足りません。
定位
定位がまだフロントガラスに浮き上がってきません。どうもウーファから高域が漏れている感じがします。
ネットワークとウーファーの相性
ミッドハイとウーファーを別々に慣らして調べて、ウーファから結構中高域が漏れてしまっています。2,3kHz程度まではっきりと聞こえてきます。
ウーファーとして、フルレンジを使っていることに要因があると考えます。
これは、フィルタを-12dBにするか、マルチアンプ化にする必要がありそうです。
つづく
今回は、少し志向をかえて、スピーカのインストールとその方法を紹介しました。
実際の測定や評価はこれからになります。
課題
まずは、それぞれの条件でf特を測定して今後の方針を決めたいと思います。
近々アップいたしますので、また、お尋ねいただければ嬉しいです。また、純正ナビのパラメトリック・イコライザーをまだ使いこなせていません。このRTAを使ってうまく使いこなせるのではと思っています。
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。