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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ADDZEST A-4800 パワーアンプ カスタム・メンテナンス②

ADDZEST A-4800 音が出なかったのは、アンプの底面をぶつけたでしょうか。基板の配線が20箇所以上切れてしまったことで、接続することで、無事6ch音が出るようになりました。

また、コンデンサの液漏れや、羽の壊れたFANを交換、やっと、基本状態を測定でき、早速、ピアニシモカスタムに進んでみたいと思います。

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おさらい

アンプの底から力がかった為、基板にいくつか配線が切断されていましたが、

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レジストを剥がし、必要箇所に銅箔を持ちて、接続しました。

その他、今回の修理は

歴史を重ねたアンプに見られる試練ですが、しっかり修繕しました。

補修

歴史のあるアンプですので、板金の腐食は、免れません。

フロントとリアの板金を研磨し、

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シャシーブラックで防止処理を行いました。

FAN交換

ブラケットの防錆後、FANを取り付けます。
ブラケットと近接しているので、風切り音がします。

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3mmのスペーサで、音の低減と、風量アップ効果を試みました。

 

サポート板金

基板を支える板金も同じ様に

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研磨と防錆処理を行いました。

 

電源状態

いつものように電源の状態を確認してみましょう。

 

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このアンプは、独立、電源コントローラも2つ用い、電源が完全2系統になっています。初めて見ました。

チョークコイルも独立搭載しており、大型アンプであることを、考え抜いた設計ですね。

コンデンサもOUTPUT1は、3つ、OUTPUT2,3は、4つ装着されています。

OUTPUT1の方のパワーを上げる設計になっていそうです。

一次側(Output1)

電源の入力側の状態を確認します。

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一次側(Output2,3)

同じ様に、OUTPUT2,3も

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多少スパイクは、見られますが、チョークコイルが程よく効いています。

二次側(Output1用)

二次側も、2つ、独立しています。

 

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高調波も少なくとても良好です。

二次側(Output2,3用)

電解コンデンサが4つずつついていますが、配線経路が迂回しています

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その影響でしょうか、少しスパイクが大きいです。

 

カスタム・メンテナンス

今回、高調波対策をしっかり施し、ピアニシモ仕様でカスタマイズします。

  • 複合電解コンデンサ
     高負荷部分には、大容量電解と、超低ESRの電解を複合装着
  • チップセラコン
     高調波のループ考慮し、高調波用大型チップセラコンを配置
  • OpAmp
     OpAmpは、超低歪のOPA1652を装着
     また、電源にパスコンを装着
  • カップリング
     カップリングには、高分子フィルム
     低周波数用には、museの無極性を採用

6chで電源も2系統ありますので、かなり大変ですが、しっかり、丁寧に行いたいと思います。

一次側(output1)

電解コンデンサとセラコンで対策しました。

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確実に改善しています。

一次側(output2、3)

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こちらも、しっかり対策できました。

二次側(output1)

高調波の少ない二次側ですが

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複合コンデンサの効力で、改善しました。

二次側(output2,3)

配線の関係で大きめだったスパイクも

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少し複数使用しましたが、とても良い状態になりました。

OpAmp

OpAmpは、一列タイプですので、チップタイプのOPA1652を変換基板にて装着します。

 

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カップリングには、高分子フィルムを採用しています。

出力確認

さて、カスタマイズの効果が出力に現れるか、確認します。

微小出力(-60dB)

オリジナルは、波形が太く高調波が見られます。

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カスタムにより、

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高調波が少なくなっているのがわかります。

周波数特性

オリジナルは、かまぼこ型でとても良好でしたが、

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よく見ると高周波にうねりがありましたが、

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スッキリしました。

高調波が抑制され、本来の特性が現れました。また、高分子フィルムにて、低域も改善しています。

まとめ

修繕が少しありましたが、なんとか、仕上げることがでました。

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いつものように無理なくスッキリとした実装です。

 

裏面の銅メッキも、メッキが劣化しないよう、

 

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少し、黒化は残りましたが、クリーニングを実施。

 

ターミナルもしっかり磨き

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RCAも磨き

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これで、安心して、末永く使えるようになりました。

音は、OPA1652の特性でしょうか、低歪でスッキリ、その上、音楽をしっかり奏でるようになりました。

高調波対策で周波数特性も改善できることが今回新たな、発見です。

 

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

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使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

 

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

 

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