状態の良い PA-302が流れ着きましたので、ピアニシモ仕様にて仕上げたいと思います。当方で、リファレンスにしているPA-302ですので、しっかりと仕上げます。
- 電源回路独立レイアウト
- ２ｃｈのシンプルな回路構成
- 高熱マージン構造
- アンプ基板に大型電源用電解コンデンサ搭載
- シンプルなアンプ回路
- リレーによるポップ音完全対策（ミュート回路レスのアンプ）
これらの理由で、リファレンスにしています。
今回は、電源の強化にピアニシモカスタムを施して仕上げたいと思います。
はじめに
いつものスペック表でPA-302の仕様を比較してみます。
その性能は、出力容量だけではありません。
以前のブロック接続でもわかるように、アンプ基板に標準1800uF x4のこだわり。
これにより、８０Wを存分に引き出す電源になっています。
この構成が、当方がリファレンスとして用いる大きな理由の一つです。
こだわり仕様
今回は、アンプ回路はなるべくオリジナルで、電源強化にて極限まで、ナカミチの魂を生かしてみました。
- 電源強化
超低ESRの電解コンを始め、高分子コンデンサも採用 - 高調波対策
高分子コンデンサ、チップコンデンサを用いて波形を観測
ノイズの低減効果が確認できた値、素子を採用 - トロイダルコアチョークコイル
電力用の電源のコイルにトロイダルタイプを採用。
漏れ磁束が小さく、オリジナルコイルよりESRが小さく効率よく
エネルギーを蓄積します。 - -6dBゲイン調整
OpAmpのゲインを-6dBすることで、ハイレベルの入力に対応。
入力のゲインVRでロスするエネルギーロスを、VRの絞りを減らすことで改善 - OpAmp電源電圧
OpAmpの電源は20Vからmusesの推奨電圧の１６Vへ変更
ピアニシモカスタム確認
いつものように、ピアニシモカスタマイズ（高調波カスタマイズ）を行い、確実に改善されているか、確認しています。
入力ノイズ
入力ノイズは、一次側や二次側の対策の相乗効果がみられます。
一次側は、いつもの約０．３V程度になり、とても、良好です。
二次側（電力用）
チョークコイルをトロイダルコアに交換、アンプ基板側に大きめのコンデンサを装着できるので初段は、高周波帯域をターゲットにします。
大きくすれば良いというわけではありません。
低ESRかつ、小さめの電解にて仕上げ、チップセラコンによりスパイクもなくなっています。
二次側（電圧用）
電圧用は、フィルタが割愛され、スパイク少しありますが、低ESRの電解＋セラコンにより
小型のフェライトビーズを装着して程よく抑えます。
じつは、電力用のコイルを交換すると、電圧側の巻線の変動をおさえることができます。
出力確認
最後にピアニシモカスタムの確認として、出力信号を確認し、カップリングを交換します。
微小電圧
PA-302はオリジナルでも優れたSN比を誇りますが、GNDの接続係数が大きめの為、高調波が少し目に付きます。
こだわり仕様で、高調波も抑えることができました。
周波数特性
容量を変更し、低域も-0.5dB以内になりました。高域もしっかり伸びており、かつ高調波抑制のため、超高域は、抑えております。
まとめ
実装は、とてもオーソドックスです。
必要な箇所は、一回り大きな素子に交換し、放熱向上と耐久性をアップしています。
決して、無理に大きな素子を装着せず、カーアンプに必須の耐振動にもしっかり、対応しています。
外見もきれいに整備し
正面も、きれいに洗浄
基板のハンダ面も整え
完成です。
みんカラご紹介
オーナーの方より取付のご紹介
また、空気録音のアップがございました。
ありがとうございます。
最後に
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このアンプ PA-302は、様々な用途で、安定した音を奏でます。
重いサブウーファも力強くドライブし、重低音を絞り出し、
ワイドな再生帯域で、フルレンジもそのユニットの素性を引き出します。
さらに、超低ノイズ、低歪でツイータも透き通る音を醸し出します。
PA-302シリーズは、内部に余裕がありますので、状態のよいPA-302を見つけられたら、ぜひ、手にしてみてください。ご自分で、カスタムしても良いですし、難しかったら、当方まで、お気軽にメールでお願いします。
（迷惑メール防止の為、メールアドレスはプロフィールご参照ください。）
PA-302 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用した機器
DAC（D10）
測定用にはD10というDACを用いています。
現在は、後継機のD10Sがあります。
正弦波もとてもきれいです。
オシロスコープ（SDS1102)
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版（３万円以下）でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。
