小型ですがとても高出力なアナログアンプです。
素性も調べなたらしっかりピアニシモ仕様に仕上げていみたいと思います。
はじめに
このアンプは、28.5cm x16.5cm のサイズで、2.8kgの比較的軽量
押出材のアルミヒートシンクで放熱効果を上げ、FANレス仕様になっています。
仕様
APA2180は、小型ながら190W x2chの高出力。
いつものナカミチのPAシリーズと比較するとその出力差は歴然。
その他のスペックも見劣りしません。素晴らしい特性です。
さらにクロスオーバネットワークも有しており、とても使い勝手の良いアンプです。
状態確認
素性をまず見てみました。
電源状態
とてもリップルノイズ等小さく優秀です。
二次側
フィルタが見当たりませんが
とても素晴らしい特性です。
微小出力波形
海外製のアンプは高調波ノイズがめだちますが
さすがクラリオンです。高調波もとても小さく、素晴らしい特性です。
周波数特性
さて周波数特性はどうでしょうか。
50kHzまで、きちんと-1dBに入っています。
とてもフラットで優秀です。
ピアニシモ・メンテナンス
とても良好でしたので、さらに磨きをかけたいと思います。
- 高調波対策
電解コンデンサの交換、チップセラコン等で高調波を低減します - ゲインボリューム交換
ギャングエラーを低減します - 放熱アップ
電力素子の絶縁に放熱シートを使用
グリスレスになり、熱抵抗も低減、安定します。 - 無極性カップリングコンデンサ
入力には、高分子フィルム
出力段には、museの無極性電解を用います。
歪と高域特性の改善が見込めます。 - OpAmp(muses8920 )
5532からmuses8920に交換。
OpAmp改装方法
チップのオペアンプの交換は、低温半田と、半田コテ二本で比較的簡単に行えます。
最初は、チップOpAmpの変換基板等で、練習を行ってからが良いと思います。
交換後は、半田を多くせず、フィレットが確認できるように仕上げるのを基本とすると良いです。
一次側
一次側は、超低ESRのコンデンサと大容量コンデンサを組み合わせ、低周波変動を低減、さらに大型チップコンデンサ(3225サイズ)をもちいて
高調波をきっちり、抑え込みます。
二次側
二次側も同じ様に
チップセラコンできっちり抑えることができました。
微小出力波形
オリジナル状態でも良好でしたが
高調波対策がきっちり確認することができました。
周波数特性
オリジナルがとても良好でしたが
気持ちですが、高域が改善が見られます。
まとめ
このアンプは、価格からは信じられないパワーと特性を秘めたとても優秀なアンプであることがわかりました。
オリジナルの素性をそのままに、高調波対策を施しピアニシモ仕様の低ノイズ化と高分子フィルムとmuses8920を搭載し低歪化が聞いていても確認できます。
端子ネジ交換
出力ネジが少し傷んでいましたので
イモネジと交換してみました。また、取り付け後、ネジの飛び出しが少なくなります。
*おしまい*
サブウーファ様に用いる予定とのことで、コンデンサの容量アップ、低ESR化で切れのある低音が聴こえてくると思います。
また、フルレンジで使っても十分に楽しめるアンプに仕上がっていますので、カーオーディオの様々な変更にも柔軟に活用いただけると思います。
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使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。