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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-304S ピアニシモ・カスタム ('21-06)

状態の良いPA-304Sが入手できましたので、ピアニシモ・カスタムしてみたいと思います。
OpAmpは、少し高価ですが、音楽を奏でるためのmuses02を採用してみたいとお思います。

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はじめに

このPA-304Sは標準のPA-304の電源強化タイプです。
電源のスイッチング素子にFETを使っており、フィルタのコイルも大型タイプのものが使われています。

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内部の状態はとても良好で、液漏れ等は、ありませんでした。

あまり使用されていなかったのではと思われます。

動作確認

動作確認は、問題なくできたのですが、少し確認してゆくと、OpAmpの電源が24V/-16Vとアンバランスで、40Vを超える電圧が印加されていました。

これは、OpAmpの電源供給用低電圧ダイオードが壊れてしまったことによることが判明。

このOpAmp電源回路は、いつもの仕様にカスタムして、きちんと電圧が出るようになり、修理完了です。

 

カスタムポイント

カスタムは、これまでの経験を元に、目的、効果を考えポイントを抑え行います。

  • 電源の高調波対策

     各ポイントに合わせた容量のセラコンできっちりと高調波を抑制

  • ゲイン調整

     入力のインピーダンスは変更せず、アンプのゲインを-6dB

    ハイレベル入力により、ノイズマージン、低歪化に効力を発揮

  • 高分子フィルムによるカップリング

     電解+メタライズドフィルムを単独の高分子にすることで、

     低域から高域まで、単一の素子で伝搬。

     素子間の干渉をなくし、素直な伝送経路を実現

  • muses02

     スペックではなく、音そのものを伝搬させるためのOpAmpを採用

     OpAmpの電源もmusesに合わせて、カスタム調整

  • ボリューム
     メタルシールドタイプのボリュームを採用。
     接触不良や安定性のみならず、音質低下を抑えます

電源確認

 まず、測定でよく分かる電源の改善を確認します。

一次側

一次側は、2V近くリップルが標準であります。

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いつものように、半分以下に抑え込んでいます。

二次側(電力)

チョークコイルは、スタンダードのPA-304に比べしっかりしているものなのですが、測定してみたら、意外とESRが大きく、いつものトロイダルコアの方が良さそうです。

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トロイダルコアによる効果と、低ESRの電源用 電解コンデンサの相乗効果で

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電圧変動を抑えることができました。

二次側(電圧)

電力はすくなめなのですが、スパイクが目立つ電圧用電源は

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きちんと抑えているのが確認できます。

OpAmp電源

OpAmpの電源は、PA-304のアキレス腱でもありますが、放熱の対策をしっかり行い、

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きっちり抑え、OpAmpへの影響を無視できるレベルであることが確認できます。

今回は、muses02Dなので、16Vの電圧に調整しています。

出力信号

これらの効果をアンプの出力端子の状態で確認します。

微小信号

少し大きなノイズが観測された

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-80dBと微小なレベルにも関わらず

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ピアニシモ仕様を謳える、基本波がしっかり確認できる様になりました。

周波数特性

周波数特性は、カップリングの効果が現れます。

 

低域のみならず高域でも改善が確認できます。

まとめ

幾度となく繰り返した高調波対策が収束方向に向い、対策がまとまってきました。
今回のアンプは、一部修繕が必要でしたが、状態はよく、効率的にカスタマイズをすすめることができました。

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基板実装は、シンプルですが、実力は、これらの数値が物語ってくれます。

ハンダ面は、一時電源のコンデンサを銅箔で強化しています。

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完成です。

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端子台ネジもスピーカ用は、幅の狭いものに統一して完成です。

ヒアリング

 とにかくmuses02Dは、アコースティクな楽器を特に美しく歌ってくれます。

 きっと、muses02に託されたエンジニアの思想の現れでしょう。
PA-304Sの魂を大事に、その能力を引き出し、muses02がぴったりなアンプになったと思いっます。

さて、この楽しみは、どんな方の手元に届くでしょうか。

 

***

 

いかがでしたでしょうか。一度聞いてみたいと思われたなら嬉しいです。

もし、同じ様にカスタムをしてみたいと思われたらプロフィールのメアドまでご連絡お願いします。

 

これまでのPA-304のメンテナンスは、下記よりご覧になれます。

 

PA-304 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

 

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

 

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

 

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