ナカミチのアンプで人気の高い4chのPA-304シリーズのPA-304Sが再び流れ着きました。保管されていたとのことですが、状態をまず確認してみましょう。
はじめに
PA-304Sは、PA-304と基本スペックは同じですが、進化しています。
詳しくは前回のPA-304Sのメンテナンスをご参照ください。
ナカミチ PA-304S カスタム・高調波メンテナンス (2021 01 #1) 整備録 その1 - pp audio blog
基板状態
底板を外すと、基板が確認できます。
このPA-304Sも、とても綺麗です。液漏の気配はありません。すごく良い状態です。
基板を取り外して確認してみます。
とても良好です。OpAmpの電源回路の焼けが少しありますが、とても良好です。
カスタマイズ
状態が良いので、基本波形を測定して、一気にカスタマイズします。
- 電源強化
- 高調波対策
- OpAmp電源強化
- ゲイン補正
あくまでも、製品に使える仕様でカスタマイズしました。
電源状態確認
電源状態の確認は、入力の状態と、アンプへの電源を確認します。
入力ノイズ改善
一気に、カスタマイズします。
きっちり修繕。
一次側
一次側は、状態が悪いと数Vまでピークノイズがありますが
安定した改善になりました。
二次側(電力用)
さて電力用は、チョークコイルが挿入しているので、良好です。
かなり良くなっています。アンプ基板に装着した、コンデンサの効果もあります。
これは、末端のコンデンサは、ノイズの反射も防いでいますので重要です。
二次側(電圧用)
一方、電圧用は、後段にトランジスタで安定化しているので、スパイクノイズが大きめですが、今回は波形が少し違っていました。
カスタム後は、通常の波形になりました。
微小信号
微小信号の波形で、出力へのノイズの漏れを確認します。
PA-304はチャネルごとで多少違いがありますが、かなりシビアな測定ですので、致し方ないところでしょう。
多少高調波が確認できます。
高調波対策及び、GNDの抵抗等にて改善します。
かなり良くなります。
まとめ
何度もメンテナンスしているPA-304シリーズのカスタムでしたので、イメージした性能を実現することができました。
今回はOpAmpや、カップリングを交換していません。それは、オリジナルの音を最大限、覚醒させるためです。さらなるカスタムは、真のオリジナルの音を楽しんだ後にまた、楽しめます。
ナカミチ PA-304S カスタム・高調波メンテナンス (2021 01 #1) 整備録 その2 - pp audio blog
カスタムナカミチアンプ
オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。
使用した測定器
使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ。
廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。
FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。
波形貼り付けもPCにUSBで可能です。
奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。