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Nakamichi PA-202 メンテナンス編

またPA-202が漂着しましたので、メンテナンスのBefore/Afterを綴りたいと思います。

メンテナンス編とSN比、歪率計測編の2編になり、今回は、メンテナンス編です。

今回、外装は、年代を感じますが、内部は良好で、オリジナルのPA-202の状態を測定する良い機会でしたので、もう一度、Before/Afterで比較しみることにしました。

 

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 外観

外観は、少し年代を感じますので、綺麗にしてみたいと思います。
さて、どこまで綺麗になりますでしょうか。

ヒートシンク

表は、汚れが目立ちますが、中性洗剤とアルコール、エンブレムは、ワックスにてみがきます。傷は、タッチアップを施して、目立たなくしてみます。

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エンブレム等も磨き上げています。(傷は取り切れていません)

外装の傷は、タッチアップで少し目立たなくなりました。

 

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底板

底板にも汚れと傷がありましたが、洗浄後、ペーパで研磨し、サフェーサー後に近似色でペイント。

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写真では、きれいに見えますが、少し傷が残っています。底板ということで、パテ省略してしまいました。

端子ネジ

腐食がひどく見えますが、ネジがかんたんに緩みましたので、磨き上げ後、ネジ交換です。

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ネジは、耐電流のクロムタイプと交換。

 

基板メンテナンス

基板は、そのままでも動作した、今までで一番と言って良い、状態でした。f:id:MatsubaraHarry:20200327215232j:plain

リップル電流が多く流れる電解コンデンサを交換。カップリングも高分子フィルムに交換です。

検証

 メンテナンスの効果を確認しています。コンデンサの交換と、高調波対策の3Stepで観測してみました。

電源の観測ポイントは、下記の3箇所。

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(もちろん負極側の測定もしています。)

 

 入力Ripple

状態が良かったですが、ほんの一工夫を。

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測定できないぐらい、安定します。

一次側

一次側は、スイッチングされるので、かなりリップルと、高調波ノイズの発生があります。

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コンデンサの交換で、スイッチング時の電圧低下が改善されているのがわかります。

高調波対策を施すと(高分子コンデンサ+SMTセラコン)1/4程度になります。

二次(電力増幅用)

電力増幅用にはフィルタが入っていますので、オリジナルでも良好です。

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コンデンサを交換後、少しヒゲが大きくなっています。一次側のコンデンサのパワーが上がったためでしょうか。コンデンサ交換のみは、この様な落とし穴が潜んでいます。

きちんと高調波対策を行うと、安心です。

二次側(電圧増幅用)

電圧用には、フィルタ用のコイルが入っていませんのでスパイクは厳しいです。

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コンデンサ交換では、電圧レベルは下がりますが、スパイクは残ってしまいます。

SMTのセラコンで高調波対策を行うと、落ち着きます。

OpAmp電源

OpAmpの電源にもRippleが乗っています。

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コンデンサ交換でもかなり改善しますが、ターミネーション兼用パスコンを追加すると、測定できないレベルに落ち着きます。

安心ですね。

 

まとめ

何度も行っているPA-202ですが、状態のよいオリジナルの波形が取れたので比較してみました。コンデンサ交換だけでは、逆に高調波が増えてしまう場合があることがわかりました。きちんと確認が必要であることが改めてわかりました。

次回は、少し無謀ですが、SN比と歪率をデジタルオシロを駆使して測定したいと思います。

 

 

 
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