S.M.S.Lの M100は100kHz Overのハイレゾ対応のDACです。
でも、そこまでのハイレゾソースをいつも聞いているわけではないですね。
アンプは100kまで、再生できても、スピーカや、ヘッドフォンは、100kHzは厳しいです。それなのに100kHzを再生できる状態で使っていて良いでしょうか。
M100やハイレゾ対応のDACを使った場合、設定によって、どの様に変化するか、見てみたいと思います。
矩形波を観測すると、ホワイトノイズより簡単に観測することができるんです。
測定条件
接続方法
以前にも使った環境で行います。50kのダミー負荷を接続して測定します。
等価回路としては、こんな感じです。
ケーブルの影響も測定しましたので、最後に紹介します。
最高速 (384kサンプリング CDの8倍)
384kの設定で1kHzの矩形波を測定しました。
1kHzの単純な波形なのに、なんと200kHzまでの成分が含まれています。矩形波は、基本波の逓倍周波数の集合になっているのがよく分かります。
192kサンプリング設定(CDの4倍)
半分の192k設定にするとどうでしょうか。
当然半分の100kHzになります。それでも100kHzまで再生できることになります。
十分な気がしませんか。
96kサンプリング(CDの倍)
96kサンプリング、それでもCDの倍のサンプリングです。
最速に比べると、1/4ですが、それでも50kHzです。
矩形波の立ち上がりが少しゆっくりになっているのも分かります。
高周波を出力するためには、内部をそれだけ高速に動作させせなくてはなりません。
また高調波をアンプまで伝送できるということは、高調波ノイズも伝搬する可能性があります。
私は、あまり好ましくないと思っています。せいぜい100kHz程度伝送できる能力があればよいと考えています。
終端コンデンサ効果
矩形波が200kHzまでの高周波を含んでいるのを利用して、終端処理の効果を確かめてみます。
単純に終端にコンデンサを取り付けてあげます。
こうすることで、ケーブル等の反射を抑えることができます。
0.0022uF終端
すこし、なだらかになっているのが分かります。けれども、200kHzまで伝搬しています。
0.001uF終端
少し大きくしてみます。計算上100kHz約100Ωになります。
矩形波も多少立ち上がりは、遅くなりますが、リンギングもなくなり、キレイにみえます。
0.022uF終端
もう少し大きくしてみます。
それでも50kHzまで伝搬できています。
ノイズが大きいと思えるDACならば、思い切って、このくらいの終端をするのも良いのではないでしょうか。
ケーブルの違い
せっかくなので、ケーブルで違いがあるか見てみます。
改めて等価回路を書いてみると、こんな感じになります。
カモン1m
廉価版ですが、特性は、標準。評価の基準として使っています。
ほとんど違いは、わかりません。ただ、矩形波のハイや、ローで少しノイズが見られます。
カナレ2m
シールドがしっかりした、プロ用マイクケーブル、カナレの2mにするとどうでしょうか。
よく見てみると、矩形波の、ローで少しノイズがありません。
シールドの効果でしょうか。
エレコム3m
ケーブルの細さと、コネクタの小ささで便利なエレコム3mです。
矩形波のハイや、ローで少しノイズがカモンと同じ様に、見られます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。DACの設定で帯域限界までが出ているのが簡単に確認できます。これを利用して、終端処理の簡易評価ができたと思います。残念ながら、ケーブルは、はっきりとした違いは観測できませんでしたが。
- 音楽ソースに合わせた、DAC設定で
ソース以上のハイレゾ帯域は、ノイズまで伝搬するおそれがありますので、同じサンプリングがおすすめです。DACの設定でオーバーサンプリングがある場合は、違いを確認されてお使いになるのが良いでしょう。 - アンプの入力処理
アンプの入力に終端のコンデンサが装着されているか、確認するのをおすすめします。もしわからないのであれば、0.001uF等をつけてみて、ノイズっぽさが消えるか確認するのも、良いと思います。
DACは、高周波数で動いているので、意外とノイズが出ています。余分な帯域は、カットしたほうが、望ましいと考えます。 - ケーブル
ハイレゾシステムは、高周波まで再生する能力を持っていることが多いです。
ケーブルは、シールドの能力が高いほうが、安心です。
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