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オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-304 カスタム・メンテナンス (2022 #5)

PA-304のメンテナンスの機会に恵まれました。バリバリというノイズが出てしまう
状態とのことです。
いつものように しっかりメンテナンス。その後ピアニシモカスタムしてみたいと思います。

はじめに

PA-304は45W x4chの人気のモデルです。
4スピーカの標準からのアップグレードや、ヘッドユニットのマルチアンプを使って2Wayのシステムにも使えます。

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クロスオーバ・ネットワークを使ったマルチアンプシステムは、クロスオーバ周波数や、スピーカのバランスを簡単に設定することができ、カーオーディオにはとても有効な場合が多いです。

アンプの状態

アンプの状態の確認から始めます。

外観は、大きな損傷はなく、良好な状態です。

内部状態

裏蓋を外して、内部の状態を確認してみます。

少しコンデンサの電解液が漏れ出しているのが分かります。

基板洗浄、中和処理

基板を外して、洗浄し、酸化した部分を還元、その後中和して整えます。

液漏れした部品を外し、洗浄します。

リード線も電解液が染み込んでいますので、交換します。

メンテナンス

まずは、きちんと動作できる状態に修理し、動作状態を確認します。

劣化部品交換
  • 電源用コンデンサ交換
     スイッチング電源の高負荷のコンデンサは、負担が大きく劣化します。
     超低ESRの電源用コンデンサ等を用いて修理します。

  • OpAmp電源回路修理
     PA-304の等回路は、部品が高熱になり、劣化が見られることがあります。
     このアンプも基板が黒化しはじめていますので、
     何時ものように、高放熱タイプに交換します。

多くの動かなくなってしまったPA-304は、この部分の修理で概ね動作するようになります。

動作確認

動作状態は、スイッチング電源の動作状態を見ることで、正しくできます。

(通電して音が出る確認だけだと、多くの場合、隠れた問題を見落し、長く使うことが難しいです。)

一次側

既に経験上で最適な部品への交換が終わっていますので

良好な状態です。(一次側は、既にリップルが標準の1/4以下です。)

二次側(電力用)

チョークコイルが入っているので

20mV以下ととても良好な状態です。

二次側(電圧用)

標準ではスパイクが少し気になる電源です。

標準の80mV程度ですので、問題無い状態です。スパイクは、高調波対策で後で対策します。

出力確認

1kHzの正弦波で、出力の状態をみると、一目瞭然ですが

Bch側がノイズで、正弦波が確認できない状態です。

これも、PA-304でよく見られる状態です。

 

ピアニシモ・カスタマイズ

いよいよピアニシモカスタマイズを施します。

  • スイッチング電源の高調波対策
     一次/二次側にチップセラコン等で高調波対策を施します。
     これまでの経験で、3225サイズの大きめのチップ部品で抑えます。
  • チョークコイル交換
     チョークコイルは、磁気漏れの小さい、インピーダンスの小さい
     コアタイプに交換します。
  • アンプ基板電力電源強化
     アンプ基板には4ch独立で電源供給されていますが、インピーダンス高。
     アンプ側にも電解コンデンサを追加し、安定化させます。
  • OpAmp電源
     放熱効率のよい部品に交換。かつ、高分子コンデンサ等でノイズを抑えます。
     また、OpAmp直下にも終端としてセラコンを取り付けます。
  • RCAのGND抵抗値変更
     RCAのGNDは、アンプのGNDに直接接続されておらず、バランス入力扱いが
     このアンプの特徴です。
     オペアンプの応答速度外の高周波数のノイズを低減する回路を追加します。
  • VR交換
     ゲイン用の汎用ボリュームから、密閉タイプのものへ交換します。
  • OpAmpゲイン変更
     OpAmpのゲインを-6dB変更することで、ヘッドユニットのレベルをアップ可能
     また、ゲインボリュームもアップすることができ、ボリュームによる音の劣化
     を抑えます。
  • カップリングコンデンサ
     標準の電解コンデンサ+フィルムコンデンサから高分子フィルム単一を行い、
     低歪化及び圧電ノイズ対策を施します。

 

一次側

入力側のコンデンサも見直し

一次側は、大型のチップコンデンサで、きっちり抑え込みます。

二次側(電力用)

トロイダルコアのチョークコイルと、チップセラコンで

きっちり抑えます。

二次側(電圧用)

スパイクがきになる電圧用は、チップセラコンで

きっちり抑え、尖塔電圧の最大と最小の差を半分に。

 

出力確認

高調波ノイズに埋もれてしまっていた小さな基準波は

高調波対策、電源強化、及びGNDの高周波対策で

 

スッキリです。

 

周波数特性

最後に周波数特性を確認。

4chのバランスもよくとても良好です。

機能的に問題ないことが確認できました。

まとめ

何度おこなってもPA-304のメンテナンスは、その効果が実感できるのと、その蘇った音には、いつもうっとりしてしまいます。

基板の実装は、何時ものように耐久性が備わった合理的な実装でまとめていることが、おわかりになるでしょう。

電解液が染み込んでしまった、絶縁シートも

新品に交換。

外見も清掃を施し

オーナの元で、再び歌える日に備えます。

 

****

 

腐食があり、修理を断られたアンプをもう一度使いたい方が多数いらっしゃいます。

”修理不能”との烙印を押されてしまったアンプも。

 

ぜひ、当方へお問い合わせ下さい。

基本修理のみも喜んで承ります。

 

よく見かけるチューニングアンプとは異なります。すべて測定、データで修理、カスタムの効果を確認しております。とても、手間はかかりますが、ナカミチファンのみなさんに、もう一度、ナカミチの魂を届けたく、ひっそり、しっかり活動しています。

 

お手元にPA-304をお持ちの方には、ぜひ、このピアニシモ仕様のPA-304を聞いていただけるチャンスに巡り会えることを、願っております。

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

 

OWON ハイコストパフォーマンスデジタルオシロスコープ 1Gs/s 100MHz帯域 薄型軽量 SDS1102

 

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SoundStream STP-480k メンテナンス(プリアンプユニット 仕上げ)

SoundStream STP-480kの状態が確認できましたので、カスタム・メンテナンスしてみたいと思います。
OpAmpや、カップリングがバラバラなところがありましたので、統一して整えたいと思います。

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おさらい

このSTP-480は、少し改造と修理がおこなわれていました。

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  • AUX2 OpAmp
     4560に交換済されています
  • カップリング
     一箇所だけ違う電解コンデンサが使われています。
     
  • 出力OpAmp
     一つだけTL072に交換されていました。
RCAコネクタ交換

 RCAのコネクタは、プレスタイプから、削り出しタイプのものに交換します。

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樹脂のプレートにRCAコネクタを取り付け後、パネルに取り付けます。

接続は、中継基板を介さず直接プリアンプへ接続します。

ノイズ低減を考慮し、配線をツイストします。

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オリジナルと遜色ない仕上がりに。

 

このコネクタは、GND部分が削り出しでしょうか。肉厚が厚く、固定もネジでの締付けが可能です。

標準RCAのコネクタの信号ラインは、点接触ですが、このコネクタは、筒状でRCAの端子をしっかり包み込む優れものです。

電源カスタム・メンテナンス

 電源は、何時ものように、電源用電解コンデンサとチップセラコンで変動とリップルを抑えます。

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カップリングコンデンサ

一箇所だけ違う種類のコンデンサが装着されていましたが、取り外してみると

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基板のスルホールが損傷していました。

ハトメ等でしっかり修繕してから、高分子フィルムコンデンサを取り付けます。

 

カスタマイズ内容
  • 電源カスタム・メンテナンス
     電源コンデンサを電源用の低ESR品に交換。
     またセラコン等で高調波対策を施します。
  • OpAmpをオリジナルへ
     プリアンプ出力のOpAmpをオリジナル(4570)に交換
  • カップリング
     プリアンプ出力は、高分子フィルムに
     また、トーン部は、BPタイプのmuseの電解に交換
  • パスコン追加
     OpAmpへパスコンを追加します。
     (AUX2の入力は、パターン補修されているので、未実施)

出力状態確認

出力信号(-20dB)

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カスタム後は、きちんと4出力確認できました。

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出力波形(-40dB)

オリジナルでもとても良好な状態です。

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カスタム後も念のため確認します。

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カスタム後も良好な状態です。

周波数特性

最後に周波数特性で、妥当性を確認します。

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とてもワイドでフラットな特性で、4chのバランスも問題ないです。

超広域が少し持ち上がっていますが、これはOpAmpの回路に工夫がされているためです。

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AUX2もTuner入力も問題ないワイドフラットな特性です。

まとめ

RCAのコネクタの交換や、OpAmpの交換に時間がかかってしまいましたが、なんとかしあがりました。

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外見もRCAの交換で

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ひきしまりました。

コネクタの挿抜の感触がとても良く、それだけでも、苦労の甲斐があります。

トーン・コントロール

本プリアンプのトーンコントロールは、とても状態がよく、スムーズに操作できました。

TP-1200(STP-480)のトーンコントロールは、ラジコンのサーボモータに近い作りで可変抵抗を物理的に調整しており、時折、ボリュームの接触不良で発振動作をしてしまい不具合がある機体がありますので注意が必要です。

これで末永く使って頂ける状態になり、オーナの方を楽しませてくれることと。

 

 

ナカミチオリジナルのTP-1200の記事をご覧になりたい方は

TP-1200 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

同様のプリアンプCA-101の記事をご覧になりたい方は

CA-101 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

 よりご覧になれます。

 

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カスタムナカミチアンプ

 

お手持ちに愛着のあるナカミチアンプをお持ちの方で、末永く使ってみたい方はぜひ、メールでお問い合わせください。(プロファイルにアドレスが記載してあります)

少し時間は頂いてしまいますが、丁寧にメンテナンス致します。

 

また、オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。

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ナカミチ 100PA カスタマイズ ('22-3)

多くのピアニシモ仕様のアンプを使われるオーナは、複数のアンプを使われ楽しまれている方が多く、他のアンプもピアニシモ仕様にアンプへグレードアップをご希望されることが普通になってきていると。

本100PAもPA-304のオーナの方からのメンテナンスの ご依頼になります。

しっかりメンテナンスして、100PAの魂を尊重し、ピアニシモ仕様に仕上げてみたいと思います。

 

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はじめに

100PAは、4chの50Wのフルディスクリートのアンプです。

スペックよりも音に拘った設計思想に見受けられます。価格は、中古品でもPA-304の倍以上するようですが、たしかに、その価格に見合う音が流れてくると感じます。

仕様

100PAは、振動アイソレーションを採用しており、ボディもPA-304よりかなり重厚になっており1kgも重いです。

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アンプ回路だけでなく、車載されることを考慮し、しっかりと対策しています。


内部状態

100PAは、余裕がある電源設計になっていますが、時折コンデンサの液漏れが見られます。

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本100PAも僅かですが、液漏れがありました。

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基板への侵食前でしたので、良かったです。

状態確認

アンプの状態を確認してみます。

出力波形

微小信号を確認

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僅かな高調波が見られますが、とても状態が良いことがわかります。

一次電源

電源の変動状態(リップル)も確認します

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少し変動がみられますが、一般的なカーアンプの1/10でしょうか。とても優秀です。

二次側(電力)

フィルタが搭載されているので

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とても優秀です。

二次側(電圧用)

電圧用は、フィルタが搭載されていなので

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少しスパイクがきになりますが、100mV以下ですので、とても優秀な状態です。

カスタム・メンテナンス

今回は、ピアニシモカスタムと、高分子のカップリング仕様でメンテナンスします。

  • 電源高付加コンデンサ交換
  • 一次、二次の高調波対策
  • アンプ基板供給電源経路の高調波対策
  • アンプ基板電源用コンデンサ交換
  • 高分子コンデンサ交換
  • GND接続係数の見直し
  • ブリーダ抵抗の容量アップ
  • プリアンプ電源の強化

音声増幅回路は、カップリングを高分子へ交換し、歪や交流の非対称特性を改善します。この効果は、測定では、高周波数特性の改善で僅かですが、確認できますが、それ以上に歪み感の改善がはっきり確認できます。

電源一次側

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少し拡大していますので、大きく見えますが、200mV程度でとても優秀な状態になりました。

二次側(電力)

優秀な電力用電源状態ですが

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チップセラコンによりさらに改善。

二次側(電圧)

スパイクが少しみられましたが

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チップセラコンでしっかり抑えます。

音声出力

僅かな高調波が確認できた出力ですが

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一回り波形が細くなったことがわかります。

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高調波対策とGNDの接続係数の変更による効果です。

まとめ

今回の100PAはコンデンサから僅かな液漏れがみられただけでとても良好な状態でしっかりとメンテナンスできました。

末永く使えるように、長寿命の部品を採用、また高調波は、セラミックコンデンサでバイパスし、電解コンデンサへの負荷も低減し、さらなる長寿命化を実現しています。

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大きな素子を無理に装着せず、実用的かつ、高性能、高寿命にまとめています。

周波数特性

周波数特性もカマボコのとても良好な特性です。超高域を無理に引き伸ばすことなく、低歪で、音楽のニュアンスを再現してくれることでしょう。

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もし、アナログのカーアンプに魅せられる方は、ぜひ、一度この100PAを試してみてはいかがでしょうか。OpAmpは使っていませんが、musesに通ずる音が聞こえてきます。

  

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カスタムナカミチアンプ

 

もし、ご自分では難しい方は、どうぞ、当方までご相談ください。

ご相談は、オークションにて承っております。

また、オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札、ご検討ください。

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ナカミチ PA-304S カスタム・メンテナンス ('22 3) 整備録

ナカミチの4chアンプPA-304にはSバージョンがあり、このPA-304Sは、電源が進化している仕様になっています。

とても貴重なモデルで、その中でも、この機体は、とても状態が良さそうです。

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はじめに

このPA-304Sの電源にはFETを用いていますので、電源の効率がよく、従来機種よりパワーが引き出すことが期待できます。

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十分に45Wを絞り出すことができそうです。

状態確認

このアンプはとても状態がよく、一箇所、トランジスタが振動による影響のハンダクラックを修正しただけできちんと動作しました。

出力波形

微小信号を観測してみました。

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高調波が少し目立ちますが、GNDのアイソレーションが要因です。

高調波帯域なので、通常のスピーカーならば、まず問題は無いでしょう。

(スーパーツイータ等では、影響が出ることがありますので、注意が必要です。)

電源のピアニシモ化と、GNDの接続を少し変更して対策してみましょう。

電源状態(一次)

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標準のPA-304だと、5V以上観測することがありますが、その半分。良好な状態です。

二次側(電力用)

電力用の波形もみてみます。

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変動がみられますが、フィルタの効果が確認できる良い状態です。

二次側(電圧用)

標準のPA-304Sでは、リンギングが見られることがありますが

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多少高調波のギザギザが見えます。

 

カスタム・メンテナンス

正常にメンテナンスできたのが確認できたので、カスタマイズに進みます。

  • 高調波対策
     高分子やチップセラコンを用いて抑制します
  • 高分子フィルム・カップリング
     電解コンデンサ+メタライズドフィルムの組み合わせ
      ー> フィルムコンデンサ単一化。
  • OpAmp
     OpAmpは、バイポーラ入力タイプのmuses8820
     ポップ抑制回路が、プリ段にあるので、FET入力のOpAmp時、ノイズが目立つ場合があり。
  • ゲイン変更
     OpAmoのゲインを-6dB。
     ハイレベル入力対応、かつ、ノイズマージンアップします。
  • VR交換
     メタルシールドタイプのボリュームに交換。
  • GNDアイソレーション適正化
     RCAのGNDとアンプのGNDの接続回路を少し変更。
    コモンモードノイズの削減効果があり、スーパーツイータも
    安心して使えるようにします。
一次側

ピアニシモカスタムの効果を確認します。

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きっちり抑えているのが分かります。

二次側(電力用)

良好な状態でしたが、

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低ESRの電解コンとチップセラコンの効果で、1/4程度におさえることができました。

二次側(電圧用)

フィルタが無いので、ギザギザが目出しましたが

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厳選した電解コンデンサと超低ESRのチップセラコンでしっかりと抑えます。

出力確認(微小信号)

電源の高調波対策、スイッチングの制御スピードの適正化、及び、GNDの接続回路の補正により

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高調波をほとんど無くすことができました。

周波数特性 

最後に周波数特性を確認します。

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標準の特性であることが確認できました。

まとめ

これまでの実績のPA-304Sの電源の安定化の変更を行い、GNDの接続の見直しで、ピアニシモ仕様を余すことなくつぎ込みました。

muses8820の魅力も引出すことでしょう。

最後に外見を整え、

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末永く使っていただけると思います。

メンテナンスご依頼

PA-304は、時を重ねたアンプで、音が出なくて悔しい思いをされている方も多いと思います。

当方では、オーナ様の要望に合わせたメンテナンスを承ります。

シンプルな修理から、ピアニシモ・カスタマイズまでご要望に合わせてきっちりメンテナンスいたします。

お問い合わせは、当方のプロフィールに記載されているアドレスに、お願いします。

カスタムナカミチアンプ

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使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

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SoundStream Contenuum カスタム・メンテナンス ② 仕上げ

前回、2ch動かなかった、ピュアアナログアンプのSound Stream Contenuumを修理。

今回は、高調波対策を施しピアニシモに仕上げます。

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おさらい

解析に時間がかかりましたが、出力が出ない原因は、出力トランジスタの損傷により、BIAS抵抗が破損、また、電圧増幅部の抵抗も損傷していたことによりました。

影響は、大きく、2chの殆どのトランジスタまで及び、トランジスタと抵抗をこのチャネルすべて交換して修理。

また、二次側の大きめの電解コンデンサも寿命のため膨らみ始めていました。

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接触不良のスイッチも交換

 

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時間はかかりましたが、しっかり修理完了できました。

カスタマイズ

何時ものように、電源の高調波対策を施します。

一次側

このアンプの一次側は、1000uF x24と低ESRの設計です。その設計の意図を活かし、スイッチング素子近傍に高分子、1000uFは、さらに超低ESRの1000uFに交換、

入力近傍は、3300uFをダブルに搭載、こだわりの電源に仕上げました。

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リップルを効果的に抑えることができました。

二次側(SW用)

二次側のサブウーファ用には、高分子とチップセラコンを追加

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半分の10mV程度に抑えることができました。

二次側(ノーマル出力用)

ノーマル側にも、高分子とチップセラコンで

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抑え込みました。

二次と一次のGND接続

カーアンプのGNDは、各メーカで考えた接続を行っています。

一次と二次の電源のGNDは、大きめの抵抗で接続されていましたが、今までの経験で値を若干変更しています。

これにより、高調波ノイズを抑えることができます。

高調波がショートループするように考え、コンデンサも追加しています。

その他カスタマイズ

その他、細かな点も

  • カップリングの無極性化
  • 電解コンデンサ交換
     仕様回路により高分子や、低ESR品、オーディオ用選定
  • OpAmp交換
     TL072/074を低歪タイプのOpAmpへ交換
     TL072ー>OP275
     TL074-> LME69740

出力状態

さて、出力の状態の変化をみています。

サブウーファ出力

電源のスイッチングノイズが少し大きめに確認できましたが

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かなり抑えることができました。

サブウーファですので、高域は、ほとんど再生しませんが、ウーファへの高周波電力印加の悪影響も考えられますので、少ない方が良いです。

1,2ch出力

ノーマル出力の1,2chの状態です

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高調波対策の効果が確認、もともと良好でしたが、さらに良くなりました。

3,4ch出力

高調波を施し

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3,4chは、1,2chとGNDの接続が、異なっているのが判明、合わせて対策して抑えることができました。

周波数特性

仕上がりの確認として周波数特性を確認します。

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高域は欲張らず、カマボコ型の容量な特性ですが、20kでもしっかりー1dB以下で良好。

バランスもとても良いです。

まとめ

今回、故障箇所の解析に時間がかかってしまいましたが、なんとか仕上げることができました。

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高さが18mm程度が限界で、実装には苦労しましたが、なんとかきれいに収まりました。

外観は、パフがけのこだわり仕様です。

少しヒートシンクの間に腐食が見られましたので、磨き込んでみました。

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単純作業の磨きは、少しずつ効果が見えるので、つい、時間を忘れてしまい、結局2日ほど没頭してしまいました。

ヒヤリング

オリジナルの状態を確認できなかったのですが、仕上がった音は、Sound Streamの音で、とてもナチュラルな音がします。ながく、ゆったり聞き入ってしまいます。

クロスオーバの設定もとても使いやすく、かつ、音の劣化を感じさせず、とても優秀と感じました。

 

前回の修理の状態は

SoundStream Contenuum カスタム・メンテナンス ① - pp audio blog

 

その他のSound Streamの Reference300の修繕の内容は、下記よりご覧いただけます。

SoundStream Reference300 カスタム・メンテナンス ① - pp audio blog

 

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

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SoundStream Contenuum カスタム・メンテナンス ①

ピュアアナログアンプのSound Stream Contenuumが流れ着きました。

2ch音がでないとのことです。きっちり直してピアニシモ仕様に仕上げてみたいと思います。

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はじめに

75W x4ch +300Wx1chのカーオーディオに特化した仕様です。

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クロスオーバもも内蔵され、2Way・3Way切り替えや、サブウーファのLPやブーストも設定できます。

このアンプだけで、音作りがほとんどできるように考えられています。

状態

早速中を開けてみ見ます。

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よく見るといくつかの部品に損傷があることがわかります。

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BIAS用の抵抗や焼けており、電力用電解コンデンサが膨らんでいます。

故障チャネル修理

最初にBIASの抵抗を交換しましたが、案の定、過剰電流が流れ、出力トランジスタが損傷していることがわかりました。

このチャネルのバランスを取るために、出力トランジスタも交換です。

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同じトランジスタの入手が難しく、仕様が同等のトランジスタが見つけることができ、交換です。

 

トランジスタ交換で異常電流は流れなくなりましたが、音がまだちゃんと出ません。

設定用切り替えスイッチが接触不良発生しているのがわかりました。

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分解してみると、サビが結構顕著で、接点の腐食も研磨ではきれいになりませんでした。

同等品が見つかりましたので、新品へ交換です。

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交換し、動作するようになったのですが、1chだけ、正常な波形が得られません。

色々調査してゆきましたが、なかなか、原因がみつからず

 

時間だけが過ぎてゆきます

 
電圧増幅部修理

このアンプは、プッシュプルの回路になっています。電圧増幅部が小さな基板を用いて、その後電力増幅段へ接続されています。

この基板を交換すると、該当チャネルが動作不能になります。

どうやらこの電圧増幅部が問題なのですが、トランジスタをすべて外し確認、交換しても治りません。

 

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よく基板を確認すると、抵抗がわずかに焼けているのがわかりました。

抵抗値を測定してみると、500Ωが数kΩになっています。

抵抗を交換、やっと修理が完了です。

状態確認

アンプがきちんと直ったので、アンプの電源状態等を見てみました。

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電源回路は、一般的なプッシュプルのスイッチング電源です。

二次の電力は、サブウーファ(P1)とノーマルチャネル(P2)の二系統にわかれています。

サブウーファの回路は、ブリッジ出力になっており、GNDは使用しない回路になります。

一次側

一次側には24個のコンデンサがつかわれております。

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その効果で、20mV程度の電圧変動に抑えられています。

二次側(SW用)

二次側のサブウーファ用は、電解コンデンサがダブルで装着されています。

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リップルも小さく抑えられています。

二次側(ノーマル出力用)

ノーマル側は、正負に1個つずつの電解コンデンサが割り当ててています

 

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多少大きめに見えますが40mV程度なのでとても優秀です。

出力状態

出力の状態を見て、アンプの素性を覗いてみましょう。

サブウーファ出力

ブリッジ出力になります

 

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少しスパイクが大きめですが、100mV以下なので、優秀なレベルです。

1,2ch出力

ノーマル出力の1,2chの状態です

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このチャネルは、とても優秀ですね

3,4ch出力

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同じノーマルチャネルですが、このチャネルは、少し高調波が大きめです。

その原因は、後でわかりました。

つづく

ノーマル状態に復帰したので、これよりピアニシモ仕様にカスタマイズしてみたいと思います。

少しチャネルごとで状態が異なる要因も解明して、きっちりピアニシモ仕様へと。

 

 

 

その他のSound Streamの Reference300の修繕の内容は、下記よりご覧いただけます。

SoundStream Reference300 カスタム・メンテナンス ① - pp audio blog

 

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(三万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

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ナカミチ PA-304 カスタム・メンテナンス (2022 #4) 仕上げ

基本メンテナンスが完了したPA-304をピアニシモ仕様に仕上げていみたいと思います。

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おさらい

電解液の侵食が見られた基板を洗浄、研磨し、これ以上侵食がおこならないようにしました。

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部品も取り外し、洗浄。

やっと、PA-304の本来の動作環境が整い、高調波対策をしてピアニシモ仕様に一歩近づきました。

また、OpAmpの電源も放熱効率をアップし、耐久性を向上させました。

 

 

カスタマイズ仕上げ

  • アンプ基板電源強化
     アンプ基板の電力に、工夫しコンデンサを追加し、 反射リップルを低減
  • 高分子カップリング
     高分子のフィルムコンデンサで、電解で生じる正負の非対称歪を減少。
     高域のインピーダンスが良いため、高域補正のメタライズド不要
  • ゲイン
     OpAmmpゲインを-6dB、またVRをシールドタイプのものに交換
  • OpAmp
     museseやLME49720等で比較し、 ポップノイズが小さいものを選択
アンプ基板電源

電源基板からアンプ基板へケーブルで接続されます。

 

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基板の入力の箇所で測定してみると。

 

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ケーブル影響とターミネーションがされておらず、リップルと高調波が見られます。

出力波形

オリジナルは、少し高調波がきになりましたが

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高調波対策を施し

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だいぶ改善されました。

アンプ基板電源強化

アンプ基板側に電解コンデンサを追加

さて、電源の状態はどうでしょうか。

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基板の電源は、見違えるようにきれいになりました。

出力波形

さて、出力はどうでしょうか

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4chとも、同レベルのとても良好になりました。

周波数特性

状態を確認するために周波数特性を確認

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4chともきれいに揃って、きちんとメンテナンスができました。

まとめ

いつもは、アンプ基板電源強化まで、一気に行っており、今回、出力への効果が大きいことを改めて確認できました。

OpAmp選定

今回OpAmpは、4570c、muses8820、LME49720と比較、ポップノイズが比較的小さく超低歪ののLME49720を選択しました。

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外観も整え、

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電源ネジも、適正のものを装着

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電源なので、この僅かな大きさにも こだわります。
(スピーカ出力の端子は幅が狭く、不適合)

 

電解液で少しサビが生じた板金は、研磨し

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導電塗料で防錆処理

絶縁シートも電解液が染み、ヨレヨレ

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交換です。

これで蓋をしめて、完成です。

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丁寧に、時間をかけて仕上げ、末永く使えるようになりました。

見えないところほど、しっかりメンテナンス。

 

 

****

 

腐食があり、修理を断られたアンプをもう一度使いたい方が多数いらっしゃいます。

”修理不能”との烙印を押されてしまったアンプも。

 

ぜひ、当方へお問い合わせ下さい。

基本修理のみも喜んで承ります。

 

よく見かけるチューニングアンプとは異なります。すべて測定、データで修理、カスタムの効果を確認しております。とても、手間はかかりますが、ナカミチファンのみなさんに、もう一度、ナカミチの魂を届けたく、ひっそり、しっかり活動しています。

 

お手元にPA-304をお持ちの方には、ぜひ、このピアニシモ仕様のPA-304を聞いていただけるチャンスに巡り会えることを、願っております。

カスタムナカミチアンプ

オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

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使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

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FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

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