Cork

pp audio blog

オーディオと電源回路 ピアニシモを聞くために

ナカミチ PA-202 メンテナンス (202103) 整備録

ナカミチPA-202のメンテナンス記録です。
状態が不明でしたが、運良く手に入れることができました。中を確認するととてもきれいな状態でした。

いつものように、とっておきのナカミチに仕上げたいと思います。

f:id:MatsubaraHarry:20210303132300j:plain



 はじめに

PA-202は、ナカミチパワーアンプの中でも数少ない単一基板のアンプです。
構造がシンプルで、使いやすい出力で、比較的小型に作られています。

仕様

f:id:MatsubaraHarry:20210302212056j:plain

40Wの出力はフルレンジや、ツイータ、ミッドバス等ならば十分にドライブできます。

外観

かんたんなクリーニングをおこなったところ、とても状態がよいことがわかりました。

f:id:MatsubaraHarry:20210302212216j:plain

(Topのヒートシンクとエンブレムに僅かな傷のみです。)

 

端子も状態がよく

f:id:MatsubaraHarry:20210302212353j:plain

ネジがれ等は殆どありません。大事にされてたアンプに違いありません。

内部

内部をあけてみても

f:id:MatsubaraHarry:20210302212444j:plain

液漏れ等は、見当たりません。基板もとても良い状態です。

実装

今回は、状態がよかったので、早速カスタムしてみました。

  • 電解コンデンサ長寿命化
  • 電源、一次、二次の高調波対策
  • 電力用フィルタにトロイダルコア採用
  • GAINボリュームに密閉型のメタル大型品
  • カップリングに高分子フィルムを採用
  • MAX18VのOpAmp搭載可 仕様へ(デフォルトは19Vから電圧ダウン)
  • OpAmpの電源容量のアップ
  • OpAmpのICソケット化(OPA627等可能)

f:id:MatsubaraHarry:20210302212516j:plain

実装は、じつにシンプルです。

 

動作確認

早速動作確認を行いました。単純な音出しでは、カスタムの検証になりませんので

  • BIASや電源電圧調整
  • 電源ノイズ確認
  • 出力波形確認
  • 周波数特性確認

最低限必要な項目を実施します。

確認環境

かんたんな設備ですが、きちんと確認が行えます。

f:id:MatsubaraHarry:20210302213530j:plain

電源確認

いつものブロック図になります。

入力と、出力の電源の状態を測定します。

f:id:MatsubaraHarry:20210302213654j:plain

入力電源ノイズ

入力ノイズは、僅かですが

f:id:MatsubaraHarry:20210302213736j:plain

ほとんど確認できない状態になりました。

 

電源(一次)ノイズ

スイッチングノイズが大きい一次側ですが

f:id:MatsubaraHarry:20210302213820j:plain

 

いつものようにきっちりと押さていることが確認できました。

二次側(電力)ノイズ

フィルタが効いているので、良好ですが

f:id:MatsubaraHarry:20210302213951j:plain

トロイダルコアのフィルタへの交換と、チップコンデンサの追加できちんと抑えています。

  • コイル tanδ:0.09->0.05

理想のコイルとの差ですが、これが0に近いほど、実抵抗値が小さいことが分かります。また、磁力の漏れがトロイダルコアですと少ないことも利点です。

 

二次側(電圧)ノイズ

電圧用は、後段に電圧安定回路が入るため、スパイクはゆるされるのですが

f:id:MatsubaraHarry:20210302214409j:plain

高調波は抑えておきます。

出力確認

出力の状態を確認します。

微小信号

もともと、ノイズの少ないアンプですが

f:id:MatsubaraHarry:20210302214612j:plain

僅かですが、ノイズ対策が、確認できました。このわずかな差ですが、数mVレベルの音量の場合、この影響は、大きいです。

f特

周波数特性もきちっと確認しておきます。

f:id:MatsubaraHarry:20210303132318j:plain



いつみても、使いやすい特性です。高域はよくばらず、でも、ハイレゾの対応はちゃんと網羅されていますね。

まとめ

このPA-202モデルは、とても扱いアンプで、かつ、きっちりメンテナンスすれば、末永く使えるアンプです。

デジタルアンプで小型化が進んでいますが、このサイズのアンプであれば、アナログでも車に搭載可能ではないでしょうか。

一度このアナログの心地よさに包まれてしまうと、もう戻れませんので、ご注意ください。

もし、当方へ、メンテナンスや、特性の測定のご依頼をご希望の方は、プロフィールに記載されていますアドレスにてご相談承ります。

カスタムナカミチアンプ


オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

 

にほんブログ村 車ブログ カー用品・装備へ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

 

JBL GTO755.6 II カスタム・メンテナンス②(メンテナンス)

JBL GTO755.6 パワーアンプをチェックするに従って、電源はとても丁寧な作りになっていることが、分かってきました。
その効果がでしょうか、とても良好な電源ノイズ。
カスタム・メンテナンスの経過とともに、丁寧な電源の作りを紹介します。

f:id:MatsubaraHarry:20210303094519j:plain





 おさらい

GTO755.6の状態は、とても良いものでした。コンデンサ等の劣化も初見では、見つけられませんでした。(詳しく調べると、小さなコンデンサが2つほど、損傷がありました)

スイッチの劣化は、洗浄で修復し、機能としては、問題ない状態になりました。

 

電源構成

このアンプは、2つ電源を搭載しています。サブウーファ用と、フロント+リア用の構成です。また、入力のフィルタや、出力のフィルタも装着されきちんとノイズ対策が施されています。

 

修繕

基板をよく確認すると、コンデンサが2つほど損傷していることがわかりました。

f:id:MatsubaraHarry:20210228135351j:plain

電解液が飛び散っておらず、助かりました。

OpAmp補助コンデンサ

イコライザ基板の下に隠れてわかりませんでしたが、OpAmpの補助用コンデンサが膨らんでいます。

f:id:MatsubaraHarry:20210228141552j:plain

どうやらBIAS用抵抗に触れて、熱による損傷の様です。
高さの関係があり、OSコンに。(リップルは小さいので、長寿命も期待できます。)

OpAmp用電源抵抗

OpAmpの電源を別の巻線より生成しており、電圧降下用の抵抗が発熱傾向にああります。

f:id:MatsubaraHarry:20210228141832j:plain

よく見ると、被覆が剥がれていました。

2Wから3Wの抵抗に置き換え、放熱しやすいように工夫してみました。

f:id:MatsubaraHarry:20210228142021j:plain

コンデンサもフィルム化。この効果は、下の電源のメンテナンスで紹介します。

 

RCA 入力GND接触不良

測定をしていると、ノイズが大きくなることがありました。RCAのコネクタを抑えるとノイズが小さくなります。

よくコネクタをみると、引っ掛けの足が、Frontのみ短くRearとSWが長い

f:id:MatsubaraHarry:20210228153837j:plain

なにやら嵌合の跡も確認できました。
どうもこのGNDの金属カバーが抜けてしまい、取り付けたのですが、方向があるように見えないため、GNDの接触が悪くなったと思われます。

方向を全部合わせて、

f:id:MatsubaraHarry:20210228154056j:plain

抜け防止にエポキシを少し塗布して、完了。

忘れてならないRCAのなくなっていたRCAの赤のリングも別のRCAのコネクタから加工装着しました。

f:id:MatsubaraHarry:20210228154226j:plain

蘇りましたね。

 

電源カスタマイズ

いつもの電源カスタマイズですが、今回は、電源が良好ですので、スムーズに進もと思い楽しみです。

 

入力側ノイズ

もともと小さいノイズですが(少し倍率が大きい)

f:id:MatsubaraHarry:20210228142231j:plain

特に入力側は変更していませんが、一次側の変更で、ほとんどノイズが観測できないほど良好に。

一次側

もともと0.1V以下の良好状態でしたが

f:id:MatsubaraHarry:20210228144332j:plain

20mV以下にすることができました。これは、もともとのフィルタの相乗効果です。

二次側(電力)

二次側も0.1V以下で良好でした。

f:id:MatsubaraHarry:20210228144944j:plain

すごい効果ですね。無理なく、約80mVから10mV程度まで低減することができました。

OpAmp電源(大元)

OpAmp電源は、ツェナーダイオードで生成する、低ノイズタイプになっています。

f:id:MatsubaraHarry:20210228145140j:plain出力側(C2側)は、ほとんどノイズを観測することができない良好な状態でした。

初段(C1側)は、多少ノイズが測定できましたが、今回は少し変わった対策で。

f:id:MatsubaraHarry:20210228145343j:plain

温度が高いので、ケースタイプのフィルムコンデンサにて対応しました。

リップルは、若干残っていますが、その緩やかな波形は、後段のツェナーダイオードで十分吸収できるレベルになります。

 

OpAmpパスコン

パワーアンプでは、なかなか見かけることができないのですが、OpAmpの近傍にパスコンが、しかも正負両方に装着されています。

f:id:MatsubaraHarry:20210228145757j:plain

セラミックコンデンサでしたので、メタライズドフィルムにしておきました。

出力信号

修理も終わり、最終の状態確認をおこないました。

 

f:id:MatsubaraHarry:20210228150637j:plain

ノイズ対策効果を確認することができました。

 

フロントの波形と比較で、リアも確認してみます。

f:id:MatsubaraHarry:20210228150739j:plain

最後にサブも確認します。

ローパスフィルタが入っていますが、高調波は、伝搬することがあります。

f:id:MatsubaraHarry:20210228150901j:plain

大丈夫ですね。

周波数特性

最後に周波数特性を全チャネル測定実施します。

f:id:MatsubaraHarry:20210228170412j:plain

サブウーファは、Freq.:MAX、100Hzでレベルをあわせて実施しました。

きれいな、申し分のない特性ですね。無理にフラットにせず、使いやすい特性だと考えます。

まとめ

不具合要因

オーナの方が感じられていた、高音が悪い等の症状は

が、要因でした。すべて修繕し、電源を整え、オリジナルの響きを取り戻せたと思います。

 

GTO755。6の大きさの理由

 圧倒される大きさの理由は、出力容量のみならず

  • 独立した2つの電源回路
  • 各電源の随所に設けられた大型フィルタ
  • 二段平滑コンデンサ
  • OpAmp用専用電源
  • OpAmpのパスコン配置

という、設計コンセプトによるものだと、感じました。

みなさんは、どう感じられましたでしょうか。

最後に

最後まで、閲覧ありがとうございます。

JBLは、デジタルアンプのカスタマイズもしています。

 

JBL カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

 

もし、当方へ、メンテナンスや、特性の測定のご依頼をご希望の方は、プロフィールに記載されていますアドレスにてご相談承ります。

カスタムナカミチアンプ


オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

 

にほんブログ村 車ブログ カー用品・装備へ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

 

 

 

JBL GTO755.6 II カスタム・メンテナンス① (状態確認)

そのサイズに圧倒されるJBL GTO755.6 II がながれつきました。さて、どんな素顔をみせてくれるのでしょうか。

状態を確認しながら、メンテナンスしてみたいと思います。

f:id:MatsubaraHarry:20210303094442j:plain





 はじめに

最初に目につくのはその圧倒されるサイズです。長さが50cmm 幅30cmの巨大なボディは、圧巻です。

f:id:MatsubaraHarry:20210224201733j:plain

機能

6チャンネルのアンプで、ハイパス、ローパスの機能を有しています。

フロントとリアは、60Wですが、サブ用は107Wを誇ります。

  • 6-channel アンプ
  • 60 watts RMS x 4 + 107 watts RMS x 2 at 4 ohms
          (80 watts RMS x 4 + 150 watts RMS x 2 at 2 ohms)
  • 160 watts RMS x 2 + 300 watts RMS x 1 in bridged mode
      (4-ohm stable in bridged mode)
  • variable high- and low-pass filters on channels 1-4
    low-pass only on sub channels (32-320 Hz, 12 dB per octave)

接続のコネクタも圧巻です。

f:id:MatsubaraHarry:20210224202159j:plain

 

基板構成

基板は一枚で大きく、右側が電源、左側がアンプ部になります。

f:id:MatsubaraHarry:20210224202251j:plain

 

そして、電源は、大容量を誇るだけあり、二系統あります。

 

f:id:MatsubaraHarry:20210224202344j:plain

上側は、フロントとリア、下側がサブになります。

微妙に電圧がことなります。

動作確認

動作確認したところ、出力が安定しませんでした。よく見ると、フィルタの切り替えスイッチがありました。その接点不良により、出力が安定しないことがわかりました。

f:id:MatsubaraHarry:20210224203127j:plain

接点洗浄スプレーで数回汚れを流すと、正しく動作するようになりました。

(接点復活剤は、残留しますので、綿棒等で薄く塗布できる箇所のみ使用します。)

波形確認

かんたんに波形を確認してみました。

1k、10k、そして20kをそくていすると

f:id:MatsubaraHarry:20210224203407j:plain

僅かなスイッチング歪が確認できました。

 

微小信号

微小信号は良好で、多機能のアンプでありながら、低ノイズであることがわかりました。

f:id:MatsubaraHarry:20210224203556j:plain

高調波カスタムで改善を予定しています。

 

周波数特性

周波数特性は、どうでしょうか。

f:id:MatsubaraHarry:20210228170701j:plain



とても良好です。さすがに100kHzでは約-8dBですが、ワイドレンジである実力派アンプである個がわかりました。

つづく

基本動作は、問題なさそうですので、カスタム・メンテナンスへ進みたいと思います。

  • 電源の鳴きの抑制
     トロイダルトランス付近より、発信音が聞こえます。
     トランスを手で触ったりすると、周波数が変化したり消えたりします。
     電解コンデンサや、高調波対策で、改善できると思います
  • 電源の長寿命化
     高負荷コンデンサのグレードアップ
  • 高調波対策
     電源の状態によりますが、高調波対策を検討してみたいと思います。
  • OpAmpの電源強化
     OpAmpの電源を確認の上、パスコンを追加予定しています。 

基板の取り外しが厄介になりそうですが、さてうまく対策できるでしょうか

次回もどうぞお楽しみに。

 

JBL GTO775 カスタム・メンテナンス②(メンテナンス) - pp audio blog

 
カスタムナカミチアンプ


オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

 

にほんブログ村 車ブログ カー用品・装備へ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

 

ナカミチ ストレートアンプ PA-300II カスタマイズ('21 Feb)

幾度となくメンテナンスしてきたPA-300IIを、これまでのカスタム経験の集大成として、仕上げてみました。

やはり、カップリングのないPA-300シリーズは、その素直な、広がりのある音にはいつもびっくりさせられます。

そんなPA-300IIを当方なりに、電源のノイズを抑え、ゲインを現代にあわせて少しカスタマイズ。PA-300IIの隠れたゲイン調整の秘密も最後にお届けしています。

f:id:MatsubaraHarry:20210223111356j:plain

 はじめに

ナカミチのアンプでもDCストレートは、このアンプだけでしょうか。
ゲインも入力を絞るのではなく、フィードバックにて対応しています。

(すなわちゲインをいじるとアンプの表情が変わるということにもなります。)

仕様

他のシリーズの仕様一覧です。

f:id:MatsubaraHarry:20210223112425j:plain

出力も75Wで通常に使う分には十分なパワーがあり、歪や、SN比は、後継機種よりも優れています。

外観

2chアンプなのにRCAの入力が2系統あります。

f:id:MatsubaraHarry:20210223112803j:plain
PA-300IIは、LowCut(High PASSというより、Low Cutの方がしっくり?)の入力がついています。

今回、この特性も測定してみました、

内部基板

基板は、電源とアンプ基板(L/R)の三枚構成になっています。

f:id:MatsubaraHarry:20210223115832j:plain

小さなアンプに大きめの電源の構成です。

カスタマイズ検証

何度もカスタマイズしていますので、Before・Afterの比較にてカスタマイズのを検証します

電源入力

電源は、入力と一次側(スイッチング直下)の確認です。

f:id:MatsubaraHarry:20210223120243j:plain

一次側は、1V以上の振幅があったものを、なだらかにして0.5V程度に程々に抑えています。

また、入力端子のノイズは、ちょっとした追加のセラコンで、ほとんどノイズ漏れがなくなります。

一次側対策経過

一次側のリップル特性は、電解コンデンサの交換でもある程度は、効果はあるのですが、過渡的なノイズは、セラミックコンデンサ等が必要になってきます。

f:id:MatsubaraHarry:20210223120548j:plain

高分子(OSコン)等の複合により、効果的に低減することができました。

二次側(電力)

PA-300は、フィルタが装着されていないので、何度もいろんな方法を試してきました。

f:id:MatsubaraHarry:20210223120732j:plain

やっと、ほどほどになりました。

ディスクリートのセラコンは、そのリードのESRによりスナバ効果があり、組み合わせると効果的でした。

二次側(電圧)

電圧用もその尖塔波形が厳しいです。

f:id:MatsubaraHarry:20210223120938j:plain

これも、効果的な、組み合わせ方法で、合理的に抑えることができました。

OpAmp電源

OpAmpの電源は、誘導と反射のノイズが観測されると考えています。

f:id:MatsubaraHarry:20210223121054j:plain

エネルギーは小さいので、セラコンで抑えることができます。

出力波形

最後に、微小出力と周波数特性を確認します。

微小出力

ナカミチは、ノイズが少ないので、-80dBの状態で確認できます。

(海外のアンプは-60dBで10倍違いますが、それは、目指しているところがちがうためですね)

f:id:MatsubaraHarry:20210223130712j:plain

細かなヒゲがとれ、改善しているのが分かります。

周波数特性

最後に周波数特性を確認します。合わせてLowCutの特性もかくにんしてみました。

f:id:MatsubaraHarry:20210223130929j:plain

LowCutは、100Hz以下に効いてくるようです。フルレンジ+サブウーファの構成にぴったりでしょう。

高域は、100kHzでも-3dB以内、周波数特性は、10~100kHz(-3dB)の特性と言って良いでしょう。

 

まとめ

何度も取り扱っているPA-300IIを極上の状態にしあげてみました。

少し歴史のあるアンプですので、ゲインを少し落とし、使いやすくしています。

この他細かなカスタムをしています。

f:id:MatsubaraHarry:20210223131341j:plain

基板状態

基板は、突飛実装はせず、スッキリしあがっています。

f:id:MatsubaraHarry:20210223131629j:plain

基板配線強化

オリジナルも、電源の配線強化をケーブルで行っています。

f:id:MatsubaraHarry:20210223131749j:plain

単線の銅にて配線を行い、コンデンサの並列化を強化しています。

ゲインについて

多くのパワーアンプは、下記略図の様に、パワーアンプの前段で、ゲインを調整しています。

f:id:MatsubaraHarry:20210224125042j:plain

NFBは、電力増幅部、もしくはその前段に帰還させている場合が多く見られます。

 

一方PA-300IIは、下記略図の様に、この帰還の量でゲインを調整しています。

f:id:MatsubaraHarry:20210224125258j:plain

シグナルラインにボリュームが入っていません。もちろんカップリングもありません。

 

PA-300IIのゲイン調整は、

 

ゲインを下げる = NFB量が増える

 

ということになります。

ゲインで、NFBの量の変化で音の変化も楽しめることになります。

なかなか、無い特徴で、とてもおもしろく、使い方によっては、アンプの表情が一変するのではないでしょうか。

 

PA-300のゲインは、27dBで、PA-300IIは27dB~39dBなので、最大のNFB量が設計値ということになりそうです。

 

最後に

最後まで、閲覧ありがとうございます。

いかがでしたでしょうか。PA-300IIは、一台持っていたいアンプになったのではないでしょうか。

もし、オークションでPA-300IIやLimitedを見かけたらご検討おすすめします。

 

今までのPA-300のメンテナンスは、下記よりご覧になれます。

PA-300 カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

カスタムナカミチアンプ


オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

 

にほんブログ村 車ブログ カー用品・装備へ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

ナカミチ 小型アンプ PA-102 カスタム・メンテナンス

超小型のナカミチPA-102のカスタムを行う機会に恵まれました。

最初にその素顔を覗いてみると、スペック以上の驚きの実力を目にすることができました。
さて、そのPA-102の素顔の驚きの実力と、カスタムメンテナンスを行ってみたいと思います。

f:id:MatsubaraHarry:20210221143304j:plain

 はじめに

PA-102は、PA-202やPA-302の系列のアンプで、リアや、ツイータ等の比較的容量の小さなアンプとしてラインナップされていたと考えています。

外見

f:id:MatsubaraHarry:20210221143435j:plain

外見は、楕円のヒートシンクに包まれ、電源やスピーカはすべてケーブル引き出しになっています。

約500gのその重量と大きさ、強靭なボディは、コンソールの裏側に忍び込ませて使えるようにとの設計思想が伺えます。

仕様

他のアンプとのスペック比較は少し厳しいと思ったのですが

f:id:MatsubaraHarry:20210221143747j:plain

立派なスペックです。周波数特性は、たのシリーズと同じ仕様になっています。

ツイータに是非使ってみたくなる仕様ですね。

 

基板

さっそく中をあけてみると、

f:id:MatsubaraHarry:20210221143959j:plain

厚いアルミのサブヒートシンクを抱かせた小さな基板が出てきました。

特性測定

それでは、実際の特性を観測してみます。

最大出力

f:id:MatsubaraHarry:20210221144320j:plain

出力は、約6.6V 4Ωですと約11Wの計算です。電源が14Vでしたので、実際の14.4Vにするともう少し頑張れる感じです。

10W程度で考えたほうがよいでしょうか。

周波数特性

周波数特をみてみましょう。

f:id:MatsubaraHarry:20210221144537j:plain

100kHzでも-3dB強で、スペックを軽く上回っています。すばらしいです。

微小信号

さて、いつものノイズ感を把握するために、微小信号を観測してみます。

f:id:MatsubaraHarry:20210221144825j:plain

少し波形が太いかんじです。このアンプには、スイッチング電源が搭載されていないので、高調波は出にくいはずなのですが、後で原因を探ってみることにします。

 

電源ノイズ

先に触れた未スイッチング電源のアンプなので、電源のノイズを確認してみます。

と同時に、コンデンサの交換を実施してみました。

f:id:MatsubaraHarry:20210221145039j:plain

多少うねりの様な状態が観測できますが、コンデンサを交換したところ、きれいに対応できました。

ノイズ原因

色々調べたところ、どうやら、GNDの分離に要因があることがわかりました。

分離GND

このアンプは東芝パワーアンプICが採用されBTL方式を採用しています。

このパワーアンプICには、パワー用GNDとプリアンプ用GNDの2つがあります。

それが抵抗で接続されていますが、その抵抗の電圧をしらべてみました。

f:id:MatsubaraHarry:20210221145326j:plain

どうもGNDが安定せず発信しているようです。

PCに接続したDACですので、PCの不安定な電源のノイズを受けている可能性があります。(PA-304でも値は小さいですが、このような現象がありました。)

 

GND接続対策

以前PA-304も行った方法ですが、抵抗値を下げたり、コンデンサを並列にする対策を行っていました。

f:id:MatsubaraHarry:20210221145907j:plain

抵抗を10Ωに変更するとだいぶ減少しますが、まだ気になります。

1uFのセラコンで、概ね落ち着かせることができました。

微小信号での効果確認

さて、出力の波形で効果が確認できるでしょうか。

f:id:MatsubaraHarry:20210221150046j:plain

見違えるようにきれいになりました。

これで、ツイータにも安心して使えるようになったと思います。

まとめ

以前より実力の確認とメンテナンスしておきたかったPA-102をようやく行うことができました。その周波数特性は、スペックからはある程度期待していたのですが、それ以上の特性でした。

カスタム内容

今回のカスタム内容をかんたんに

  • 入力電源強化
     1000uFをOSコンへ
  • アンプ動作安定化
     出力ブースト用コンデンサを高分子へ
     アンプ周辺の位相やカップリングは、オーディオ用コンデンサ
  • DCカップリング
     高分子フィルム化
  • ラインGNDとパワーGNDの接続
     抵抗値を1/10かつ、コンデンサ追加

f:id:MatsubaraHarry:20210221150716j:plain

スッキリまとまりました。

 

周波数特性

周波数特性を最終確認として計測

f:id:MatsubaraHarry:20210221150813j:plain

ほとんど変化はありませんが、低域が少しアップアップしています。

高域をもっと改善もできるのですが、この特性は、ナカミチの思想が現れていると思い、オリジナルのままとしました。

 

いかがでしたでしょうか。この小さなアンプPA-102はもともとすごい実力でしたが、カスタムすることで、SN比を実使用環境で20dB程度向上させることができました。

この小さなアンプの実力を十分に引き出せる方は、上手にアンプの使い方を分かっている方だと思います。

小さなアンプを探されてい方、一考あるとおもいますが、いかがでしょうか。

この小さなアンプで、驚く音質を引き出すことに、ぜひ、挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

ナカミチ DAC-41 整備録② カスタム・メンテナンス編

DAC-41は、小さいながら、低ノイズ、ワイドレンジということが前回の測定で見えてきました。今回は、いよいよカスタム・メンテナンスに進みます。末永く使って頂けるようにメンテナンスしたいと思います。

f:id:MatsubaraHarry:20210218210350j:plain

 

前回のおさらい

DAC-41の出力波形を観測したところ、高調波ノイズ等が測定限界に近いことがわかりました、また、内部の電源の状態も良い状態でした。

f:id:MatsubaraHarry:20210218211214j:plain

いつものように、電源のコンデンサ交換を耐久性の高いものに交換して、改善を試みたいと思います。

電源カスタマイズ

このDAC-41は、レギュレターを中心に電源を生成していますので、電源が発生するノイズはまず気にしなくてよいのです。

一次二次ノイズ

標準的なメンテナンスを勧めてみます。

f:id:MatsubaraHarry:20210218212836j:plain

もともと、ノイズはありませんでしたが、少し容量を増やしてみました。

f:id:MatsubaraHarry:20210218213018j:plain

若干の効果が観測できた感じです。

デジタルICノイズ

標準的な方法で、高分子のコンデンサでデジタルノイズは、概ね収まります。

f:id:MatsubaraHarry:20210218213121j:plain

狙い通りなのですが、なにか気になります。

 

デジタルICノイズ根源

念の為、ICの電源Pinをしらべ、状態を確認してみました。

f:id:MatsubaraHarry:20210218213945j:plain

当たり前ですが、かなり大きなノイズが観測できました。

これは、いつものラジアルリードのパスコンで対処してみることに

f:id:MatsubaraHarry:20210218214033j:plain

やっと収まりました。これで安心して、次へ進めます。

OpAmp電源

OpAmpは、これもいつものラジアルリードのセラコン追加にて

f:id:MatsubaraHarry:20210218214128j:plain

スッキリしました。

OpAmp選択

ここで、オペアンプの電源電圧を調べてみると単電源10V程度。OpAmpは、もともとGNDピンが無いので、信号レベルにオフセットをかけて、+/-5Vにしているようです。

f:id:MatsubaraHarry:20210218220738j:plain

気になるのは、10Vで駆動しているところです。OPA1652等を採用を検討していたのですが、10Vは、少し低すぎます。オリジナルのuPC7604Cにとっても低いと思いますNJR2122という比較的低電圧5Vが基準のICを今回は採用することにしました。

実際に聞いてみると、歪感が減少し、透明感がアップしたと思います。

ソケット対応していますので、後で交換して楽しめるよう、カスタムしました。

出力確認

一通り整備ができましたので、確認の意味も含め出力波形を観測してみます。

微小信号

上がオリジナルですが

f:id:MatsubaraHarry:20210218221054j:plain

ほんのわずかに改善がみられました。

周波数特性

カップリングを交換していますが、並列の高音補正が入っていましたので、さてどうでしょう。

f:id:MatsubaraHarry:20210218221212j:plain

グラフでは、わかりにくいのですが、低域と広域がわずかに改善されています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。小型のDACですが、素晴らしい性能です。

今回も、高調波対策を施しましたので、デジタルノイズを低減、これらの効果により、よい副作用(サイドエフェクト)が期待できると思います。

 

カスタム内容

f:id:MatsubaraHarry:20210218221744j:plain

 

ハンダ面は、高調波対策がよく見ると...

f:id:MatsubaraHarry:20210218221806j:plain

いくつ対策しているか、おわかりますでしょうか。

ご 閲覧ありがとうございました。

 

DAC-41の基本整備は、下記よりご覧になれます。

ナカミチ DAC-41 整備録① 状態確認 - pp audio blog

 

また、他のDACの測定やメンテナンスも、ご覧になれます。

 

DAC カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

 

カスタムナカミチアンプ


オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

 

にほんブログ村 車ブログ カー用品・装備へ
にほんブログ村

 

 

 



 

 

ナカミチ DAC-41 整備録① 状態確認

ナカミチの小型のDAC DAC-41が流れ着きました。
さて、この小型のDACは、どんな素顔を見せてくれるでしょうか。楽しみです。
早速、見てみましょう。

f:id:MatsubaraHarry:20210217195311j:plain

 はじめに

ナカミチDACの中でも 本DAC-41は、最小ではないでしょうか、
小さいながら、二系統のデジタル入力と出力があります。

f:id:MatsubaraHarry:20210217195601j:plain

基板構成

早速、内部を見てみましょう。

 

f:id:MatsubaraHarry:20210217195717j:plain

オーディオ用の電解コンデンサを多用しています。

基板をよくみてみると

f:id:MatsubaraHarry:20210217195740j:plain

こんな構成になっています。小型ながら、LchとRchを独立構成、妥協しない設計思想が見えます。

 

出力確認

早速出力の状態を確認してみます。

0dB出力

0dBの波形が実際どの程度の出力になっているか、確認してみます。

多く用いられる基準では、1Vです。

f:id:MatsubaraHarry:20210217200427j:plain

若干大きめの1.1Vが確認できました。

 

微小信号(-60dB)

微小信号で、ノイズがどの程度抑えられているかが見えてきます。

f:id:MatsubaraHarry:20210217200655j:plain

なかなか良好です。

微小信号(PC DACとの比較)

いつものPC DACとの比較を行ってみます。

f:id:MatsubaraHarry:20210217200738j:plain

レベルは少し小さいですが、同等のノイズレベルです。

オリジナル状態でこのレベルは、良好ですね。

GNDオープン?

じつは、測定していると、オシロスコープのGNDとDACの電源GNDを接続しないと安定せず、こんな波形に...

f:id:MatsubaraHarry:20210217201032j:plain

GNDパターン補修

基板を取り出し、確認してみると

f:id:MatsubaraHarry:20210217201115j:plain

RCA出力のGNDの配線パターンが焼ききれています。

やはりGNDが不安定でした。さっくり、修正します。

f:id:MatsubaraHarry:20210217201229j:plain

ポリウレタン線で接続し、カプトンテープで固定しました。

これで、GNDを接続せずとも、きちんと波形が測定できるようになりました。

電源状態

さて、電源は、どの様な状態でしょうか。

f:id:MatsubaraHarry:20210217201528j:plain

このDACは、レギュレターで電圧を安定させているシンプルな電源であることが分かりました。

片電源ですが、スイッチング電源のノイズの驚異から無縁で、小型のDACでは、良い選択と言えると思います。

電源ノイズ

電源ノイズもみてみました。

f:id:MatsubaraHarry:20210217201654j:plainレギュレターですので、ノイズは、ほぼ観測できません。

デジタルIC電源ノイズ

一方デジタルICの電源は、そのスイッチングノイズが生じることが分かっています。

デジタルIF電源ノイズ

f:id:MatsubaraHarry:20210217201802j:plain

確認してみると、多少観測できますが、とても良好です。

(じつは、デジタルの入力信号を印加しての、動作状態の電源ノイズです。)

DA関係IC電源ノイズ

f:id:MatsubaraHarry:20210217202017j:plain

OpAmp電源ノイズ

念の為OpAmpの電源ノイズも確認してみました。

f:id:MatsubaraHarry:20210217202147j:plain

多少観測できますが、素晴らしい特性です。

周波数特性

念の為の為周波数特性を確認してみました。

f:id:MatsubaraHarry:20210217202441j:plain

分解能のげんかいまでフラットと言って良い能力です。

つづく

DAC-111に続くDAC-41ですが、立派な特性であることが分かりました。
電源のパターン溶断がありましたが、致命的な損傷ではなく、簡単に修繕できたのは、幸運だったと思います。
動的ノイズでしか確認できないほど、優秀でしたが、さて、改善は、どこまでできるでしょうか。

どうぞお楽しみに。またの、お立ち寄りをお待ちしております。

 

***

メンテナンス完了しました。下記より続編ご覧になれます。

ナカミチ DAC-41 整備録② カスタム・メンテナンス編 - pp audio blog

 

これまでのDACの測定やメンテナンスは、下記よりご覧になれます。

DAC カテゴリーの記事一覧 - pp audio blog

 

カスタムナカミチアンプ


オークションに当方が電源ノイズ極小カスタムしたアンプを出品していることがあります。数が少ないので、遭遇された場合は、お早めのご入札お願いします。

ヤフオク!

 ヤフオク! ナカミチメンテナンス 出品リスト

 

使用した測定器

使用している測定器は、SDS1102というデジタル・オシロスコープ

廉価版(3万円以下)でオーディオの帯域では十分な能力を有しています。

FFTを駆使すれば、ノイズや、歪の傾向も見ることができます。

波形貼り付けもPCにUSBで可能です。

奥行きがとても薄いので、机の上に常備しています。

  

 

にほんブログ村 車ブログ カー用品・装備へ
にほんブログ村